6/1 東京電力は失敗から学ぼうという姿勢があるのだろうか?
昨日、私が「5/31 東京電力の発表(Sr)は大嘘つき!正しいデータを出せ!」で指摘したことは、本日修正されていました。
自発的に社内で気がついたのか、誰かに指摘されたのかはわかりませんが、結果としては、単なる5/9のデータの取り違えだったようです。
ですが、あまりにも間違いが多いので、今日は東京電力のHPから、これまでにどれだけの間違いをやってきて修正したかを振り返ってみることにします。生産的な活動ではありませんが、ぜひとも東京電力の関係者に読んでいただき、基本からもう一度学んで欲しいと思います。
いつもとは全く違った内容の話になってしまいましたので、新しいカテゴリーを作ってみました。
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自発的に社内で気がついたのか、誰かに指摘されたのかはわかりませんが、結果としては、単なる5/9のデータの取り違えだったようです。
ですが、あまりにも間違いが多いので、今日は東京電力のHPから、これまでにどれだけの間違いをやってきて修正したかを振り返ってみることにします。生産的な活動ではありませんが、ぜひとも東京電力の関係者に読んでいただき、基本からもう一度学んで欲しいと思います。
いつもとは全く違った内容の話になってしまいましたので、新しいカテゴリーを作ってみました。
まず、本日の訂正版がどのようなものか確認します。私は基本的に東京電力のHPの中でもプレスリリースを見ています。
プレスリリース
http://www.tepco.co.jp/cc/press/index11-j.html
本日発表された修正記事
6/1 「福島第一原子力発電所付近の海水からの放射性物質の検出について(第六十九報)」の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11060101-j.html
このページにおいては、正誤表と、訂正版がそれぞれ掲載され、訂正の発表の仕方としては今日はまあ合格点です。(「今日は」と書いた理由は下の方にあります。)
実は東京電力がこうやって修正を発表するのは初めてではありません。みなさんもご存じだとは思いますが、3月末に核種データの間違いを指摘され、保安院から注意されました。
4/4 当社福島第一原子力発電所における核種分析結果の厳重注意に対する対応について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11040405-j.html
その後は、I-131、Cs-134、Cs-137の確定値のみを翌日HPに発表し、それ以外の各種のデータについてはまとまってのちほど発表するというスタイルを取っています。
ですが、これまでに東京電力がプレスリリースで修正を発表したのはなんとこれまでに9回です。しかも、4/14の訂正は4ヶ所もありますから全部で12回です。それ以外にも、記者会見などで修正していることもあるようですが、記録に残っているものだけを数えます。わずか2ヶ月半で12回ですよ。6日に一回は「間違えました。ごめんなさい。」をやっているということです。こんな企業の発表、誰が信じるでしょうか?
HPのプレスリリースに発表された修正記事
3/27 「福島第一原子力発電所敷地内における空気中の放射性物質の核種分析の結果について(第五報)」の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11032702-j.html
3/29 「福島第一原子力発電所敷地内における空気中の放射性物質の核種分析の結果について(第七報)」の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11032904-j.html
3/31 「福島第一原子力発電所トレンチにおけるサンプリングの分析状況について」の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11033111-j.html
4/8 「福島第一原子力発電所付近の海水からの放射性物質の検出について(第十五報)」の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11040809-j.html
4/14 「福島第一原子力発電所付近の海水からの放射性物質の検出について(第十四報)」他の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11041406-j.html
5/11
当社福島第一原子力発電所の放射線業務従事者の線量限度を超える被ばくに係る原因究明及び再発防止対策の策定に関する経済産業省原子力安全・保安院への報告の一部修正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11051103-j.html
5/17 「福島第一原子力発電所タービン建屋付近のサブドレンからの放射性物質の検出について」の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11051711-j.html
5/18 「福島第一原子力発電所付近の海水からの放射性物質の検出について(第五十五報)」の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11051802-j.html
6/1 「福島第一原子力発電所付近の海水からの放射性物質の検出について(第六十九報)」の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11060101-j.html
間違いは誰にでもあるのだから、と思う方もいると思います。なんでこんなことを問題にするの?と思う方もいるでしょう。はっきり言って、一回や二回ならば仕方がないこと(とはいえ、普通はあってはならないこと)です。原発事故対応で大変だった3月末はまだ仕方がないとして、4月以降、特にHPも大きく更新した4/12以降は、人員も増強しているのですから、万全の体制で臨んでもらわないと困ります。
ですが、それでもまだ繰り返し間違いが起こるということはどういうことなのでしょうか?こういうところに東京電力の会社としての体質が図らずも明らかになってきていると思います。なので、あえてこれをいい例として分析します。
1.東京電力が間違いをしないように努めていると仮定した場合
4/14の訂正記事(pdf)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110414u.pdf
このような間違いがあったあと、通常は同じ間違いをしないように注意します。ここでは、下記のように書いてあります。つまりデータは合っていたが、グラフを書き間違えたということでした。
『福島第二原子力発電所沖合15km付近で採取した海水核種分析結果の時系列グラフ上のデータについて、4月5日実施分の1回目の採取データと2回目の採取データを入れ違えて掲載してしまいましたので訂正させていただきます。4月7日以降の公表分についても、同様に訂正をさせていただきます。なお、別紙「海水各種分析結果<沖合>」に掲載したデータについては、正しく掲載していることを確認しております。』
具体的には上のように、グラフを書くためのExcelにデータを入力する際に入力ミスがあり、1回目と2回目のデータを入れ間違えたということでした。
普通の人間が失敗をした場合に考えることは、全く同じ間違いを二度しない、また同じたぐいの間違いをしない、ということです。ですから、再発防止策を考えます。職場で何か事故があると、再発防止のためにといってその部分についてはルールが厳しくなるということは多くの方が経験しているのではないでしょうか?
この場合、どうしたらいいかというと、以下のことが考えられます。
1.担当者に、データを入力する際には必ず入力間違いがないか確認させる。
2.さらに別の担当者をおいて、入力データもしくはグラフに間違いがないかどうかを確認させる。
いわゆるダブルチェックです。この程度の間違いであれば、担当者が忙しくてうっかり間違いをしても、もう一人チェックする者がいればほとんどのケースはチェックできます。これはグラフを書いたり表を作る部署の仕事です。
また、会社としてHPで公表するのですから、広報担当がいるはずです。広報担当がさらに基本的な事項(誤字脱字)をチェックすればさらに間違いは減るはずです。
しかし、1ヶ月経った5/17に発表されたのはほぼ同じたぐいの間違いでした。
『 5月10、12日、14日に発表いたしました「福島第一原子力発電所タービン建屋付近のサブドレンからの放射性物質の検出について」のグラフ資料の記載内容に一部誤りがございましたので、お詫びして訂正させていただきます。
<訂正箇所及び内容>
・「福島第一 1号機サブドレン放射能濃度(Bq/cm3)」
5月10日に発表した(5月9日採取分)1号機サブドレンの放射能濃度の時系列推移を表したグラフ資料について、ヨウ素-131の値を誤って1桁高く表記してしまいました。
正しくは、添付資料の通りです。』
はたして東京電力は私が書いたような再発防止策を取ったのでしょうか?取っているとは思えません。もしやっていたとしたら、チェック機構が全く働いていないことに気がついて全面的に体制の立て直しを図るのが普通の企業です。少なくとも優良企業といわれてきたような会社であれば、それだけのことをやる能力は持っているはずです。
しかも、上記の訂正記事、どこが間違っているのかがわかりにくいです。4/14の訂正記事で記載していたように、「なお、別紙に掲載したデータについては、正しく掲載していることを確認しております。」と書かないと、グラフだけが間違いなのか、元のデータも間違っていたのかわかりません。どうして4月にはちゃんとできたことが5月になってできなくなったのでしょうか?これはおそらく広報担当の仕事と思われますので、しっかりして欲しいです。
また、間違いを訂正するときには、当然のことながら「同じ間違いはもうないよな」と確認するのが常識です。ですが、東京電力という会社はそういうことすらやっていなかったようです。
なぜかというと、翌日の18日、次のような発表がありました。
『 平成23年5月17日に発表いたしました「福島第一原子力発電所付近の海水からの放射性物質の検出について(第五十五報)」のグラフ資料に一部誤りがございましたので、お詫びして訂正させていただきます。
<訂正箇所及び内容>
・「小名浜港沖合3km付近 下層 海水放射能濃度(Bq/L)」
5月17日に発表した小名浜港沖合3km付近の下層における海水放射能濃度の変動を表すべきグラフ資料について、誤って、同地点の上層における分析データを記載してしまいました。
・「豊間沖合3km付近 下層 海水放射能濃度(Bq/L)」
5月17日に発表した豊間沖合3km付近の下層における海水放射能濃度を表しているグラフ資料について、5月9日採取分のデータのうち、セシウム-134の値の記載が漏れておりました。
正しくは添付資料の通りです。』
17日にグラフ資料の誤りを発表するのであれば、17日以降の発表には同じ間違いはないように事前に確認するのが常識です。しかし、それすらやっていなかったため、翌日にさらにまた同じ種類の訂正記事を発表するという絶対にやってはならないミスが起こっています。普通の企業であれば、担当者交代ですね。
事故調査委員会の委員長に「失敗学」で有名な畑村洋太郎先生がなったようです。東京電力には、ぜひとも社員全員に「失敗学のすすめ」を読ませるべきと思います。このような信じられないミスを起こさないためにはどうしたらいいか、書いてあったと思います。
失敗学会のHP
http://www.shippai.org/shippai/html/
つまり、東京電力という会社は、なにか間違い、ミスがあってもそれから学び、同じ間違いを起こさないようにしようとすることができない会社であるということです。これは個人の問題ではなく、会社の体質、組織風土といったものでしょう。
先ほども書きましたが、間違いが起こるのは人間だから仕方がない部分もあります。しかし、大事なことは、失敗から学び、少なくとも同じ失敗は二度と犯さないということです。そんな簡単なことすらできない会社であるということは、今後も第二の福島第一原発が起こるということを暗示しています。
2.東京電力が間違いをしないように努めていないと仮定した場合
通常ならば考えられないのですが、東京電力の場合はこのケースも想定しておく必要があります。私たちにとっても、「普通はこうするよね」ということをやっていないことが明らかになったのですから、ひょっとすると、「広報なんてどうでもいいよ。間違えてなんか文句いわれたら形だけ謝っておけばいいのさ」と考えているかもしれません。そんなことは「想定外」だったというのは、東京電力に対しては通用しないかもしれません。だからあえて私は大企業ではあり得ないようなことまでケースとして想定しておく必要があると考えています。
この場合、当然のことながら再発防止策など取っていないでしょう。そもそもそういう発想すらないかもしれません。ただでさえ情報を隠していると言われているのですから、これ以上イメージを悪くしないためには広報というのは重要だと思うのですが、そういう発想はこの会社にはないのかもしれません。
ともかく、今後は同じ間違いを犯さないという基本的なことはせめてできるようになって欲しいと思います。東京電力の社員には一生懸命やっている人もいるのですから、そういう人たちの努力をこんな形で無にすることがないように、上層部は会社としての体制作りをしっかりとして欲しいと思います。
プレスリリース
http://www.tepco.co.jp/cc/press/index11-j.html
本日発表された修正記事
6/1 「福島第一原子力発電所付近の海水からの放射性物質の検出について(第六十九報)」の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11060101-j.html
このページにおいては、正誤表と、訂正版がそれぞれ掲載され、訂正の発表の仕方としては今日はまあ合格点です。(「今日は」と書いた理由は下の方にあります。)
実は東京電力がこうやって修正を発表するのは初めてではありません。みなさんもご存じだとは思いますが、3月末に核種データの間違いを指摘され、保安院から注意されました。
4/4 当社福島第一原子力発電所における核種分析結果の厳重注意に対する対応について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11040405-j.html
その後は、I-131、Cs-134、Cs-137の確定値のみを翌日HPに発表し、それ以外の各種のデータについてはまとまってのちほど発表するというスタイルを取っています。
ですが、これまでに東京電力がプレスリリースで修正を発表したのはなんとこれまでに9回です。しかも、4/14の訂正は4ヶ所もありますから全部で12回です。それ以外にも、記者会見などで修正していることもあるようですが、記録に残っているものだけを数えます。わずか2ヶ月半で12回ですよ。6日に一回は「間違えました。ごめんなさい。」をやっているということです。こんな企業の発表、誰が信じるでしょうか?
HPのプレスリリースに発表された修正記事
3/27 「福島第一原子力発電所敷地内における空気中の放射性物質の核種分析の結果について(第五報)」の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11032702-j.html
3/29 「福島第一原子力発電所敷地内における空気中の放射性物質の核種分析の結果について(第七報)」の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11032904-j.html
3/31 「福島第一原子力発電所トレンチにおけるサンプリングの分析状況について」の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11033111-j.html
4/8 「福島第一原子力発電所付近の海水からの放射性物質の検出について(第十五報)」の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11040809-j.html
4/14 「福島第一原子力発電所付近の海水からの放射性物質の検出について(第十四報)」他の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11041406-j.html
5/11
当社福島第一原子力発電所の放射線業務従事者の線量限度を超える被ばくに係る原因究明及び再発防止対策の策定に関する経済産業省原子力安全・保安院への報告の一部修正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11051103-j.html
5/17 「福島第一原子力発電所タービン建屋付近のサブドレンからの放射性物質の検出について」の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11051711-j.html
5/18 「福島第一原子力発電所付近の海水からの放射性物質の検出について(第五十五報)」の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11051802-j.html
6/1 「福島第一原子力発電所付近の海水からの放射性物質の検出について(第六十九報)」の一部訂正について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11060101-j.html
間違いは誰にでもあるのだから、と思う方もいると思います。なんでこんなことを問題にするの?と思う方もいるでしょう。はっきり言って、一回や二回ならば仕方がないこと(とはいえ、普通はあってはならないこと)です。原発事故対応で大変だった3月末はまだ仕方がないとして、4月以降、特にHPも大きく更新した4/12以降は、人員も増強しているのですから、万全の体制で臨んでもらわないと困ります。
ですが、それでもまだ繰り返し間違いが起こるということはどういうことなのでしょうか?こういうところに東京電力の会社としての体質が図らずも明らかになってきていると思います。なので、あえてこれをいい例として分析します。
1.東京電力が間違いをしないように努めていると仮定した場合
4/14の訂正記事(pdf)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110414u.pdf
このような間違いがあったあと、通常は同じ間違いをしないように注意します。ここでは、下記のように書いてあります。つまりデータは合っていたが、グラフを書き間違えたということでした。
『福島第二原子力発電所沖合15km付近で採取した海水核種分析結果の時系列グラフ上のデータについて、4月5日実施分の1回目の採取データと2回目の採取データを入れ違えて掲載してしまいましたので訂正させていただきます。4月7日以降の公表分についても、同様に訂正をさせていただきます。なお、別紙「海水各種分析結果<沖合>」に掲載したデータについては、正しく掲載していることを確認しております。』
具体的には上のように、グラフを書くためのExcelにデータを入力する際に入力ミスがあり、1回目と2回目のデータを入れ間違えたということでした。
普通の人間が失敗をした場合に考えることは、全く同じ間違いを二度しない、また同じたぐいの間違いをしない、ということです。ですから、再発防止策を考えます。職場で何か事故があると、再発防止のためにといってその部分についてはルールが厳しくなるということは多くの方が経験しているのではないでしょうか?
この場合、どうしたらいいかというと、以下のことが考えられます。
1.担当者に、データを入力する際には必ず入力間違いがないか確認させる。
2.さらに別の担当者をおいて、入力データもしくはグラフに間違いがないかどうかを確認させる。
いわゆるダブルチェックです。この程度の間違いであれば、担当者が忙しくてうっかり間違いをしても、もう一人チェックする者がいればほとんどのケースはチェックできます。これはグラフを書いたり表を作る部署の仕事です。
また、会社としてHPで公表するのですから、広報担当がいるはずです。広報担当がさらに基本的な事項(誤字脱字)をチェックすればさらに間違いは減るはずです。
しかし、1ヶ月経った5/17に発表されたのはほぼ同じたぐいの間違いでした。
『 5月10、12日、14日に発表いたしました「福島第一原子力発電所タービン建屋付近のサブドレンからの放射性物質の検出について」のグラフ資料の記載内容に一部誤りがございましたので、お詫びして訂正させていただきます。
<訂正箇所及び内容>
・「福島第一 1号機サブドレン放射能濃度(Bq/cm3)」
5月10日に発表した(5月9日採取分)1号機サブドレンの放射能濃度の時系列推移を表したグラフ資料について、ヨウ素-131の値を誤って1桁高く表記してしまいました。
正しくは、添付資料の通りです。』
はたして東京電力は私が書いたような再発防止策を取ったのでしょうか?取っているとは思えません。もしやっていたとしたら、チェック機構が全く働いていないことに気がついて全面的に体制の立て直しを図るのが普通の企業です。少なくとも優良企業といわれてきたような会社であれば、それだけのことをやる能力は持っているはずです。
しかも、上記の訂正記事、どこが間違っているのかがわかりにくいです。4/14の訂正記事で記載していたように、「なお、別紙に掲載したデータについては、正しく掲載していることを確認しております。」と書かないと、グラフだけが間違いなのか、元のデータも間違っていたのかわかりません。どうして4月にはちゃんとできたことが5月になってできなくなったのでしょうか?これはおそらく広報担当の仕事と思われますので、しっかりして欲しいです。
また、間違いを訂正するときには、当然のことながら「同じ間違いはもうないよな」と確認するのが常識です。ですが、東京電力という会社はそういうことすらやっていなかったようです。
なぜかというと、翌日の18日、次のような発表がありました。
『 平成23年5月17日に発表いたしました「福島第一原子力発電所付近の海水からの放射性物質の検出について(第五十五報)」のグラフ資料に一部誤りがございましたので、お詫びして訂正させていただきます。
<訂正箇所及び内容>
・「小名浜港沖合3km付近 下層 海水放射能濃度(Bq/L)」
5月17日に発表した小名浜港沖合3km付近の下層における海水放射能濃度の変動を表すべきグラフ資料について、誤って、同地点の上層における分析データを記載してしまいました。
・「豊間沖合3km付近 下層 海水放射能濃度(Bq/L)」
5月17日に発表した豊間沖合3km付近の下層における海水放射能濃度を表しているグラフ資料について、5月9日採取分のデータのうち、セシウム-134の値の記載が漏れておりました。
正しくは添付資料の通りです。』
17日にグラフ資料の誤りを発表するのであれば、17日以降の発表には同じ間違いはないように事前に確認するのが常識です。しかし、それすらやっていなかったため、翌日にさらにまた同じ種類の訂正記事を発表するという絶対にやってはならないミスが起こっています。普通の企業であれば、担当者交代ですね。
事故調査委員会の委員長に「失敗学」で有名な畑村洋太郎先生がなったようです。東京電力には、ぜひとも社員全員に「失敗学のすすめ」を読ませるべきと思います。このような信じられないミスを起こさないためにはどうしたらいいか、書いてあったと思います。
失敗学会のHP
http://www.shippai.org/shippai/html/
つまり、東京電力という会社は、なにか間違い、ミスがあってもそれから学び、同じ間違いを起こさないようにしようとすることができない会社であるということです。これは個人の問題ではなく、会社の体質、組織風土といったものでしょう。
先ほども書きましたが、間違いが起こるのは人間だから仕方がない部分もあります。しかし、大事なことは、失敗から学び、少なくとも同じ失敗は二度と犯さないということです。そんな簡単なことすらできない会社であるということは、今後も第二の福島第一原発が起こるということを暗示しています。
2.東京電力が間違いをしないように努めていないと仮定した場合
通常ならば考えられないのですが、東京電力の場合はこのケースも想定しておく必要があります。私たちにとっても、「普通はこうするよね」ということをやっていないことが明らかになったのですから、ひょっとすると、「広報なんてどうでもいいよ。間違えてなんか文句いわれたら形だけ謝っておけばいいのさ」と考えているかもしれません。そんなことは「想定外」だったというのは、東京電力に対しては通用しないかもしれません。だからあえて私は大企業ではあり得ないようなことまでケースとして想定しておく必要があると考えています。
この場合、当然のことながら再発防止策など取っていないでしょう。そもそもそういう発想すらないかもしれません。ただでさえ情報を隠していると言われているのですから、これ以上イメージを悪くしないためには広報というのは重要だと思うのですが、そういう発想はこの会社にはないのかもしれません。
ともかく、今後は同じ間違いを犯さないという基本的なことはせめてできるようになって欲しいと思います。東京電力の社員には一生懸命やっている人もいるのですから、そういう人たちの努力をこんな形で無にすることがないように、上層部は会社としての体制作りをしっかりとして欲しいと思います。
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