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「なぜ、ほうれん草の放射線が高いの?」

これって、多くの人が共通に持つ疑問でしょうね。TVでは、知ったかぶりをして葉物は広がっているから放射性物質がつきやすいとか、ハウス栽培では放射性物質はつきにくいとかいろんな解説が出ています。

でも、これまでのいろいろなデータを見ていて、そうではないことがわかっています。「現在のつくば市の放射線は?その3」で書いたとおり、ほうれん草はなぜか高いということがあるようです。

根拠:茨城県の調査で、下記のものは放射性物質が基準値以上検出されていなかったため、安全とされている。この中には、チンゲンサイ、キャベツ、レタスなどの面積の広い葉物もあるし、露地栽培のものもある。一方で、ハウス栽培のほうれん草からも基準値を超える放射性物質が検出されている。

・露地栽培:ネギ、キャベツ、レタス、レンコン、ハクサイ
・ハウス栽培:トマト、イチゴ、キュウリ、ニラ、ミズナ、チンゲンサイ、ピーマン、エシャレット、大葉、切りミツバ、セルリー、小玉スイカ

「つみん」さんにコメントをいただいて、何か理由があるはずなので調べてみるべき、と感じました。そこで、これまでのいろんな研究論文や、インターネットの情報を調べてみました。その結果、いくつかのことがわかりました。主にヨウ素131(I131)についてです。最近の論文もありますが、チェルノブイリの爆発事故(1986年4月)の後で、日本で観測された放射性物質を用いて実験したものもあり、現在とかなり似たような状況のデータもあります

ほうれん草は他の葉物の野菜と比べてヨウ素を吸収しやすいという報告がある(1)。

チェルノブイリ原発事故のあと(1986年)に秋田大学で行われた実験で下記のことがわかっています(2、3)。
一度ついたヨウ素は、ほとんど(約83%)が内部に吸収されてしまい、洗っても落ちない(2)。
・ほうれん草は煮て食べることが多いので、2分間煮た場合にどうなるかというと、それでも42%のヨウ素131が残っている(2)。
・セシウム134,137については洗浄後に約65%になるというデータがある(3)。
・ヨウ素は、(I-:iodide)か(IO3-:iodate)のイオンの形で存在している。

他のいくつかの論文データを見ても、洗ってもヨウ素131は10-30%しか落ちない、つまり70-90%は内部に取り込まれているというデータが出ています。

この知識を元に、今日発表されたつくば市のほうれん草のデータを見てみましょう。
http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/dbps_data/_material_/localhost/sou/jyou/tsukuba_yasai.pdf

桜と谷田部のほうれん草は、同じ場所のものを、22日は洗浄せず、23日は洗浄して測定しています。同じ日の同じサンプルを用いて洗浄と未洗浄で比較していませんが、そこは無視してもいいと思います。

ヨウ素131
桜:3322→3284  洗浄後も98%
谷田部:2101→1540 洗浄後も73%
セシウム(134,137)
桜:1005→659 洗浄後も66%
谷田部:748→489 洗浄後も65%

文献値と気味が悪いくらいぴったりですね。従って、このデータは信頼できると思います。
過去のデータを元に、まずはほうれん草を測定してみたのですね。



なお、英語の文献は読めないという方のために、日本語の資料のリンクを張っておきます。23日の食品安全委員会の資料です。資料13です。
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20110323sfc
http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20110323sfc&fileId=230

参考文献:英語の読める方はこちらをどうぞ。
(1)Biol Trace Elem Res. 2004 Dec;101(3):265-76.
Selecting iodine-enriched vegetables and the residual effect of iodate application to soil.

(2)Journal of Radiation Research Vol.28,No.1(1987)pp.135-140
Reduction of 131I Content in Leafy Vegetables and Seaweed by Cooking
SHUN'ICHI HISAMATSU, YUKIO TAKIZAWA and TOURU ABE
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jrr1960&cdvol=28&noissue=1&startpage=135&lang=en&from=jnlabstract

(3)Journal of Radiation Research Vol.29,No.1(1988)pp.110-118
Radionuclide Contents of Leafy Vegetables; Their Reduction by Cooking
SHUNICHI HISAMATSU, YUKIO TAKIZAWA and TOURU ABE
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jrr1960&cdvol=29&noissue=1&startpage=110&lang=en&from=jnltoc

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一昨日から、水道水の放射線物質検出のニュースがあわただしくて、ほうれん草のデータをフォローする暇がありませんでした。今日は水道水の方が落ち着いてきたのと、新たなニュースがあったので、ほうれん草に戻ります。

つくば市のHPは、毎日微妙に更新されています。ですが、変更点がさりげなく書かれているので、いつもと同じ、と思うと読み飛ばしてしまいます。今日も危うく読み飛ばすところでした。

『県内農作物の放射能濃度の調査分析については,茨城県が行っておりますが,3月23日~24日に,つくば市独自で,市内7箇所のほ場から採取した3品目(ホウレンソウ,ネギ,カキナ)の農作物について調査分析を行いました。 
 農作物の洗浄を行わずに検査をした結果では,2箇所のホウレンソウから国の暫定規制値を超えた放射性ヨウ素,放射性セシウムが検出されましたが,翌日,同じほ場のホウレンソウを県の分析方法と同じく農作物を洗浄して検査をしたところ,1箇所は暫定規制値以下となりました。
 なお,つくば市独自の調査分析結果の詳細及びこれまでの茨城県の調査分析結果につきましては,以下をご参照願います。』
http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/dbps_data/_material_/localhost/sou/jyou/tsukuba_yasai.pdf

これを見ると、露地植えのほうれん草で桜と谷田部で基準値2000Bq/kgを上回るヨウ素131が検出されました。
3/22 未洗浄→3/23 洗浄
桜:3322→3284
谷田部:2101
→1540
豊里:1141
筑波:1522

セシウム(134,137)でも基準値500Bq/kgを上回る値が桜と谷田部で検出されました。
桜:1005→659
谷田部:748
→489
豊里:297
筑波:315

茨城県のほうれん草は出荷停止になっていますからニュースにはならないと思いますが、つくばでも放射線物質がかなり降っているのですね。水道水で安心したのですが、こちらではちょっとビクッとするニュースでした。


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本日茨城県のHPに公開された情報では、8.3Bq/kgだったそうです。Csは不検出でした。一安心です。速報まで。あとで追加します。(16時40分:モバイルから)

情報の追加です。

ホットな情報から。茨城県古河市でも水道水から142Bq/kgの放射線物質が検出されたそうです。
http://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/06renewal/new/2011/2011_03/suido_housynou.htm

今日、茨城県のHPでは、県内の多くの地域のデータが公表されました。23日あるいは24日にサンプリングしたサンプルのデータです。

http://www.pref.ibaraki.jp/20110311eq/index12.html

(ヨウ素131:Bq/kg)セシウムはどこも問題ありませんでした。
北茨城市:23日 116.1→24日 78.0
東海村:24日 123.6、118.6
日立市森山:23日 150.0→24日 125.1
日立市十王:23日 298.0→24日 229.6

さて、つくば市近郊のデータです。(24日のヨウ素131:Bq/kg)
つくば市:8.3
土浦市:16.7
美浦村:21.8
石岡市:7.6
常総市:50.1
桜川市:8.8
こうやってみると、常総市だけがなぜか高めですね。私は、これまでの茨城県や付近の都県のデータからつくば市が100Bq/kgを超えるとは思いませんでしたが、40-60Bq/kgは出てもおかしくないかな、と思っていました。21日からの雨が降ってもほとんど増えなかったということで、何はともあれ一安心です。

つくば市のHPにも、下記のような記載がありました。
http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/1330/008380.html
「つくば市の水道水については,3月24日(木)市役所で採取し,茨城県環境放射線監視センターで検査した結果,放射性ヨウ素・放射性セシウムとも暫定規制値を大きく下回っており,安全性に問題はありませんので,安心して御利用ください。検査は、今後も継続的に実施します。」

参考までに、24日に採取した全国の都道府県のデータです。(文科省HP)
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/03/25/1303954_0324.pdf
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25日未明、栃木県からも検出されたそうです。24日にサンプルを取った、松田新田浄水場(鬼怒川から取水)から供給されている保健環境センターの蛇口のデータです。108Bq/kgと、乳幼児の摂取制限をわずかに超えただけです。

※保健環境センターの水は、松田新田浄水場(鬼怒川から取水)から供給
http://www.pref.tochigi.lg.jp/kinkyu/documents/kishahappyou0325.pdf

なお、この値は栃木県が毎日測定しているデータですので、下記の文科省の集計にも反映される予定です。ここには今朝の時点では24日のデータは出ていません。
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303956.htm
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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
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