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2018年8月31日

ずいぶんと時間が空いてしまいました。
もう以前のように福島原発事故についてエネルギーを割くことはできないと思います。
ただ、久しぶりに、ニュースで福島原発事故の話をやっていましたので、簡単にコメントしたいと思います。

タンクにためているALPS処理水の処理についての公聴会のニュースを見ました。
8月30日(木)と8月31日(金)に公聴会を行うというものでした。


いろいろとまとめている余裕がないので、詳しく知りたい方はこちら(トリチウム水処理の公聴会が開かれるのに、多核種除去装置はまだHOT試験中)をご覧ください。
ALPS処理水についてよく整理してくれています。

8/30のニュースは、予想通りの内容でした。ただ、NHKのニュースを見ていて一つだけ感心したのは、トリチウム水は原発を稼働したあとで海に放出している旨を言及していたことです。

8/31も公聴会が行われていると思います。その結果は見ていませんが、おそらく昨日の意見と同様のものと思います。

さて、私の意見は数日前にツイートしましたが、簡単に書くと以下のような整理になります。

1.これまでの議論を見ても、ALPS処理水=トリチウム水であるという前提で話をしているようですが、その前提が成立するのかどうかの確認が必要である。
ALPS処理水の処理、特に海洋への放出については、ALPS処理水=トリチウム水かどうかをまず確認する必要がある。
ここでいうトリチウム水とは、放射性物質として検出限界を超えるものはトリチウムだけを含む水のことです。他の核種は含んでいても、検出限界以下に抑えられている水のことを意味します。

全ての情報をフォローできていないのですが、実運用したALPS処理後の水の放射性物質のデータは全ては公開されていないのではないかと思います。それをまず東京電力に公開させるべきだと思います。(もし全て公開されていたらごめんなさい。)

2. 情報を確認した結果、ALPS処理水=トリチウム水であれば話は簡単です。 他の稼働中の原発でもトリチウムは大量に海洋放出しているので、同じように希釈して海洋に放出することで問題がないはず。風評被害、という議論が出るのであれば、他の原発付近の海でも同じである事を広く広報して福島の海だけの問題ではないことを示せば良い。

3. ALPS処理水=トリチウム+他の核種(例えばI-129やRu-106など)が検出される(N.D.ではない)場合は、その核種についての濃度と安全性を議論してから処理方法を決めるべきと思います。問題ない量(濃度)であれば、そこを丁寧に説明すれば海洋への放出も可能かもしれません。

重要なことは、まず事実(この場合で言えばALPS処理水=トリチウム水なのかどうか)を知ること。そのあとで議論を行うべきだと思います。現在のニュースを見ても、そういう視点での議論はされておらず、ALPS処理水=トリチウム水である前提で、トリチウム水を海に放出してもいいのかどうか、という話に持って行こうとしているように思いました。私の意見としては、トリチウムだけを含む水であれば希釈して海に流すのが現実的な解決策だと思います。もし福島の海への風評被害という事を懸念するのであれば、費用はかかりますが、タンカーなどでタンクのALPS処理水を稼働中の原発の海まで運び、そこで希釈して海洋に放出すればいいと思います。同じトリチウム水ならばそういう手段も可能だと思います。

ただ、今回の議論では、まずその前提が成り立つのかどうかをはっきりさせる必要がありますよ、という事です。そこに議論が行っているのかどうか、細かく資料をチェックできていないので申し訳ないのですが、おそらくそういう議論は抜けているのではないかと思ったので久しぶりに書きました。

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以上が8/31の時点で書いたことですが、本日(9/1)にニュースを見ていくつか補足と修正をしておきます。

トリチウム以外の核種データについては、増設ALPSのA系列のデータのみですが、公聴会資料にも掲載されていました。

0901公聴会資料 


Ru-106はND(検出限界値以下)ではないということがはっきりと記載されていますね。
しかもALPSには既設ALPS、増設ALPS、高性能ALPSとあり、それぞれに何系統かあるので、これは7系統あるうちの1系統のデータでしかありません。日経の記事(不安・不信 合意形成難しく、福島第1トリチウム水の公聴会 )を見ても、下記のように記載があります。

不信感の大きな理由は、トリチウム以外にも除去し切れてない放射性物質が残留する問題だ。公聴会の開催決定後に広く報じられたため「国民に十分な説明がされていない」「議論の前提が崩れた」との反発が続出した。資料には処理水は「取り除くことのできないトリチウムを含む」との記述があるが、他の物質への言及はほとんどない。

やはり、まずは都合の悪い事実はできる限り隠す、という今までの姿勢を正し、わかっている事実を公開し、もし他系列の処理後の核種データを測定していないならばとってそれも公開して、その上で公聴会に臨むべきだと思います。それをやらずにALPS処理水はトリチウム水である、として公聴会を設定するのは、アリバイ作りのための公聴会(実際そのつもりかもしれませんが)と言われても仕方ありませんし、感情的な意見が多く出るのは仕方ないと思います。

また、東京新聞(トリチウム水放出 郡山でも反対多数 福島第一公聴会)の記事にあったように、「容認する意見でも、放射性物質を測定して安全性を確認する」というのは海洋放出の前提として必要だと思います。

以上、非常に荒削りの文章で申し訳ないですが、今回の公聴会に関して簡単なコメントとさせていただきたいと思います。久しぶりにブログを書いたら、ツールの使い方も変わっていてやりにくいです。いろいろと不具合があったら申し訳ありません。


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twitterは@tsokdbaです。
3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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