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4/29 海洋放射能汚染で魚を食べても大丈夫か?その35

水産庁のHPに、4/28更新分のデータが載っていて、そこには福島県いわき市でとれたコウナゴの放射性セシウムの値が載っていました。

http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/Q_A/pdf/0428datasheet_jp.pdf

もとのデータは福島県のHPにあります。

http://wwwcms.pref.fukushima.jp/download/1/mon230426-2.pdf

私が作成した、Google Mapを用いたまとめの図はこちら(オススメ!)。
コウナゴ(イカナゴ)の取れた場所と放射性セシウムの濃度



28日に更新されたデータでは、コウナゴの放射性セシウムの値が2600Bq/kgおよび3200Bq/kgでした。基準値の5-6倍です。いつものように、放射性ヨウ素にはあまり注目せず、長期的な影響を考えるために放射性セシウムの値に注目して見ていきます。

4/29コウナゴ放射能表

上の表で、水産庁番号と書いてあるのは、上にリンクを載せた水産庁のHPについている通し番号で、この番号のサンプルをどこで採ったかが地図上で示されているという非常に親切なHPです。(ちなみに、私はいままでこの震災関連でみた官公庁のHPの中で、一番水産庁のHPが親切だと思いました。更新したら、何日に更新したとわかりやすく表示してくれています。ユーザーの立場に立って表示をしてくれています。更新しても何も表示しない文科省とは大違いです。)

http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/Q_A/pdf/0428map_jp.pdf

さて、水産庁のHPを眺めてみてもわからないことが、こうやってコウナゴだけのデータを抜き出してみてみると、(1)いわき市、(2)北茨城市及び高萩市、(3)ひたちなか市及び大洗町の3つの地域で、放射性セシウムの値が違っていることに気がつくと思います。下の表で赤い枠で囲ってあります。

(1) いわき市では、4/7の時点ですでに500Bq/kg程度に上がっていました。そして、4/13以降は10000Bq/kgを超えて、最新のデータでは、下がってきたものの3000Bq/kg程度といまだに高い値を保っています。

(2) 茨城県の最北端にある北茨城市や高萩市では、4月のはじめから500Bq/kgギリギリの値、あるいは時には500Bq/kgを超える値が出ています。ですが、時間を追って少しずつ減る傾向にあります。

(3) もう少し南下して、ひたちなか市、大洗町では、100Bq/kg以下の値がずっと出ています。


コウナゴのデータについて、水産庁のHPを参考にしながら私が作成したまとめの図(Google Map)はこちら。海洋のサンプリングデータも載っていますので、じっくり見ながら考えたい人にはお勧めです。

コウナゴ(イカナゴ)の取れた場所と放射性セシウムの濃度


さて、(3)のひたちなか市、大洗町は特に高い数値ではないのでとりあえず今後も見ていくとして、(1)のいわき市と(2)の北茨城市、高萩市の傾向をどう読むか、です。

(1)のいわき市はほぼ一週間おきにデータが出てきます。今回下がった(とは言えまだ基準値の5-6倍)のは、素直に放射能汚染が拡散して濃度が下がったことを反映していると考えてもいいと思います。あとは、海水の放射能汚染からどれくらい遅れてコウナゴに反映されるか、ということです。これについては、まだデータが少ないため、あまり確かなことは言えません。

ただし、海水のモニタリングは南にまで広がってきたので、コウナゴを採っているあたりの海水のデータがわかるようになったのはありがたいことです。上にリンクを載せたGoogle Mapを見てもらえばわかるように、東京電力が途中から追加した、14番というポイント(いわき市沖合3km)のデータは、3/19~3/26までずっと130~330Bq/kgの間の数値を示しています。

25日にサンプリングされた、177番のコウナゴはこのあたりの海域で採られていますので、26日の海水の数値150Bq/kgを採用すると、Cs-137:150Bq/kg、Cs-134:140Bq/kgなので、放射性セシウムの値としては290Bq/kgになります。コウナゴでは2600Bq/kgなので、海水の約9倍という試算ができます

これは実はすごいことで、初めて海水の放射性物質の値と魚の放射性物質の値をコウナゴについて比較したということです

実は、なぜコウナゴについてだけ基準値を超える放射性セシウムが検出されるのか、ということについては、専門家の間では一つの説があったそうです。大きな魚は可食部だけを取り出して、それをサンプルにしているが、コウナゴのように小さい魚では全部をサンプルにするため、胃の中にある海水も含めて測定しているために高く出るのだ、という説です。

私はそんなことはあり得ないと思っていました。考えてみてください。もし海水が混ざってそのために高く出る、ということならば、海水の濃度よりも高い数値が出ることはあり得ません。コウナゴと同じ体積の水をサンプルとして測定すればいいことですよね。ですが、事実は明らかにコウナゴの濃度>海水の濃度です。ということは、コウナゴの体内にトラップされて、濃縮されない限りこのような結果は得られないということです。

ただ、この「濃縮」という用語に、いわゆる「生物濃縮」という意味合いで、食物連鎖を経るに従って濃度が高くなっていく農薬での生物濃縮と同じだと考えてそれは違う、と主張される方もいるようです。実際、過去の文献を見ても、50-100倍の濃縮がせいぜいであり、農薬のように10000倍もの濃縮が起こっていることはありません。しかもその濃縮度合いも、魚の種類によってかなり異なっているようです。ですが、海水よりも濃い濃度になっているならば、それは魚の体内で「濃縮」されたといっても間違いではないはずです

今回、コウナゴにおいて、海水の濃度の10倍の濃縮は起こっているということが間接的事実ながら示されたことは、一つの貴重なデータとして覚えておくべきことと思います。もちろん、今後多くのデータが出てくれば、この数値は変わると思います。ただし、これまでの文献値から考えて10倍からせいぜい100倍というのが妥当なところでしょう

もしコウナゴで10倍にしか濃縮されないとすると、4/13と4/18に採られたコウナゴで10000Bq/kgをこえたということは、逆算すると、そのコウナゴがいた海水は1000Bq/kgもあったということになります。それはこわいことなので、ちょっと考えたくないです。

なお、いわき市で4/13以降に300Bq/kgと基準値以下になっているのは、いわき市沖とはいっても小名浜港の方で、いわき市よりも南であることと、北からくる海流の影響を受けにくい場所である可能性が考えられました。(97番と123番の場所を上記のGoogle Mapで確認してください。)しかし、25日の178番で、ほぼ同じ場所で3200Bq/kgと高い値が検出されたことは注目に値します。

つまり、一つの可能性として、いわき市沖の放射性セシウムの値は下がってきているかもしれないが、いわき市南部の小名浜港の方まで高濃度の汚染水が下がってきているということが挙げられます。東京電力のサンプリングポイント18番は小名浜港沖合3kmなので、まだ一度もデータが出てきていませんが、このデータがどれくらいになるか、注目です。
もう一つの可能性は、いわき市沖で高濃度の放射性物質にさらされたコウナゴが南下してきている、ということです。この可能性も現段階では否定できません。

(2)の北茨城市、高萩市の沖合については、このデータを見ている限りは、徐々に低下傾向にあります。従って、問題ないようにも見えますが、これまで低い値が出ていた小名浜港沖合でも基準値を超える数値が出てきたということで、今後注意する必要があります。もしこの小名浜沖の変化が汚染水の南下によるものとすれば、少し時間は遅れるものの、この地域でも再び500Bq/kgを超える放射性セシウムが検出される可能性は否定できないからです

ということで、茨城県沖合の魚のデータにますます目が離せなくなってきたという印象を強く持ちました
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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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