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小佐古内閣官房参与、抗議の辞任!

先月、内閣官房参与に任命された、原子力の専門家で東京大学大学院教授の小佐古敏荘氏が、記者会見し、「政府の対策は法にのっとっておらず、場当たり的だ」として、内閣官房参与を辞任することを明らかにしました。

NHK 「かぶん」ブログ
http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/200/80519.html

TVやWebサイトのニュースでは、いつものようにごく一部しか紹介されないのですが、こうやって説明用全文を紹介してくれるのはありがたいです。

※追記:WSPEEDIについて少しわかったのでリンクを載せておきました。
「法と正義に則って原子力災害の対策を行うべき」という小佐古教授の指摘ですが、全文を読んで初めて知った部分も多いので何点かご紹介します。『』で囲んだ部分は上のブログに掲載された資料からの引用です。

・SPEEDIというシステムがあり、せっかく即時に予想できるシステムなのに、それが2枚しか公表されなかったとして指摘されてきました。やっと原子力安全委員会のHPで公開されました(下記URL)が、実はそれ以外にもWSPEEDIというものがあるということが初めて判明しました。これを使えば、数1000Kmの広域までカバーでき、関東、東北全域の予想ができるそうです

SPEEDIのデータの公開
http://www.nsc.go.jp/mext_speedi/index.html

記者会見の資料より引用
『初期のプリュームのサブマージョンに基づく甲状腺の被ばくによる等価線量、とりわけ小児の甲状腺の等価線量については、その数値を20、30km圏の近傍のみならず、福島県全域、茨城県、栃木県、群馬県、他の関東、東北の全域にわたって、隠さず迅速に公開すべきである。さらに、文部科学省所管の日本原子力研究開発機構によるWSPEEDIシステム(数10kmから数1000kmの広域をカバーできるシステム)のデータを隠さず開示し、福井県、茨城県、栃木県、群馬県のみならず、関東、東北全域の、公衆の甲状腺等価線量、並びに実効線量を隠さず国民に開示すべきである。』


・放射線業務従事者の緊急時被ばくの「限度」について、年間50mSvを250mSvに引き上げて、そんなに浴びさせていいの?と個人的には思っていましたが、実は放射線審議会というところで500mSvあるいは1Svとするべき、という勧告が出されていたそうです。確かに、国が判断したり行動するときは、法治国家である以上は、法律で定められたことがあるならばそれに従うべきです。たとえば、原発事故に対処する国の防災基本計画では、事故の知らせを受けたら安全委員会が「直ちに緊急技術助言組織を招集」し、委員を派遣する取決めになっているのですから、これを行うべきでした。しかし実際に現地に委員が行ったのは4月19日だそうです。これなんかは典型的な「法を守らない」事例です。

500mSvという数字には個人的には「?」ですが、何年も前に専門家が議論して決めたことであれば、それを元に説明されれば仕方ないかな、と思います。ですが、根拠に乏しい説明の仕方で50mSvを250mSvに引き上げ、さらには現在これを500mSvに引き上げようとしているのは、場当たり的でいい加減だ、という小佐古教授の指摘はもっともだと思います。


記者会見の資料より引用
『この件は既に放射線審議会で国際放射線防護委員会(ICRP)2007年勧告の国内法令取り入れの議論が、数年間にわたり行われ、審議終了事項として本年1月末に「放射線審議会基本部会中間報告書」として取りまとめられ、500mSvあるいは1Svとすることが勧告されています。法の手順としては、この件につき見解を求められれば、そう答えるべきであるが、立地指針等にしか現れない40-50年前の考え方に基づく、250mSvの数値使用が妥当かとの経済産業大臣、文部科学大臣等の諮問に対する放射線審議会の答申として、「それで妥当」としている。ところが、福島現地での厳しい状況を反映して、今になり500mSvを限度へとの、再引き上げの議論も始まっている状況である。まさに「モグラたたき」的、場当たり的な政策決定のプロセスで官邸と行政機関がとっているように見える。放射線審議会での決定事項をふまえないこの行政上の手続き無視は、根本からただす必要があります。』


・小学生の被曝基準を20mSvにしたことについて、倫理的に受け入れがたい、ということで会見中に涙を流した、という部分をクローズアップされていたのでご存じと思いますこの部分は私も全くその通りだと思います。これを決めた人たちは、自分の子供が小学生だとしたら、そこに行かせたいと思うかどうか?という視点で考えて欲しいと思います。さっきの500mSvを勝手に250mSvにできるならば、むしろこの部分こそせめて10mSvにするべきと思います。
なお、記者会見の内容について、どのメディアでもニュースではこの部分しか取り上げません。今回の原発関係の報道でずっと感じてきましたが、自分たちの考えた枠内、パターンにあてはまるものだけを報道する、この点がマスメディアの姿勢として問題だと思います。今回であれば、涙を流したら(映像として使えるから)そこをクローズアップするというところです。これでは、「法と正義に則って」の「正義」の部分しか伝わりません。「法に則って」の意味が理解されません。もちろん字数や時間の制限があるのはわかりますが、Webサイトならばどこかに全文、あるいは要約をリンクとして掲載して欲しいです

記者会見の資料より引用
『今回、福島県の小学校等の校庭利用の線量基準が年間20mSvの被曝を基礎として導出、誘導され、毎時3.8μSvと決定され、文部科学省から通達が出されている。これらの学校では、通常の授業を行おうとしているわけで、その状態は、通常の放射線防護基準に近いもの(年間1mSv,特殊な例でも年間5mSv)で運用すべきで、警戒期ではあるにしても、緊急時(2,3日あるいはせいぜい1,2週間くらい)に運用すべき数値をこの時期に使用するのは、全くの間違いであります。警戒期であることを周知の上、特別な措置をとれば、数カ月間は最大、年間10mSvの使用も不可能ではないが、通常は避けるべきと考えます。年間20mSv近い被ばくをする人は、約8万4千人の原子力発電所の放射線業務従事者でも、極めて少ないのです。この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです。年間10mSvの数値も、ウラン鉱山の残土処分場の中の覆土上でも中々見ることのできない数値で(せいぜい年間数mSvです)、この数値の使用は慎重であるべきであります。』

ニュースではわからなかった記者会見での発表内容が、資料を全文公開してくれたことで理解できました。「かぶん」ブログに感謝です。いちいち検索していませんが、ここまでしっかりと内容を伝えていたメディアはないのではないでしょうか?

また、今回初めて知ったWSPEEDIの結果についても、ぜひ公開してくれるように求めたいと思います。なお、下記の説明によれば、WSPEEDIのWはwideではなくWorldだそうです。「海外で発生した原子力事故に対応するための世界版SPEEDI(WSPEEDI)の整備を行いました。」

http://www.bousai.ne.jp/vis/torikumi/030108.html

日本原子力研究所では、第三世代のSPEEDI-MP(Muliti-model Package)も開発しているそうです。

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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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