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3/25 現在のつくば市の放射線は?その5 ほうれん草が高い理由

「なぜ、ほうれん草の放射線が高いの?」

これって、多くの人が共通に持つ疑問でしょうね。TVでは、知ったかぶりをして葉物は広がっているから放射性物質がつきやすいとか、ハウス栽培では放射性物質はつきにくいとかいろんな解説が出ています。

でも、これまでのいろいろなデータを見ていて、そうではないことがわかっています。「現在のつくば市の放射線は?その3」で書いたとおり、ほうれん草はなぜか高いということがあるようです。

根拠:茨城県の調査で、下記のものは放射性物質が基準値以上検出されていなかったため、安全とされている。この中には、チンゲンサイ、キャベツ、レタスなどの面積の広い葉物もあるし、露地栽培のものもある。一方で、ハウス栽培のほうれん草からも基準値を超える放射性物質が検出されている。

・露地栽培:ネギ、キャベツ、レタス、レンコン、ハクサイ
・ハウス栽培:トマト、イチゴ、キュウリ、ニラ、ミズナ、チンゲンサイ、ピーマン、エシャレット、大葉、切りミツバ、セルリー、小玉スイカ

「つみん」さんにコメントをいただいて、何か理由があるはずなので調べてみるべき、と感じました。そこで、これまでのいろんな研究論文や、インターネットの情報を調べてみました。その結果、いくつかのことがわかりました。主にヨウ素131(I131)についてです。最近の論文もありますが、チェルノブイリの爆発事故(1986年4月)の後で、日本で観測された放射性物質を用いて実験したものもあり、現在とかなり似たような状況のデータもあります

ほうれん草は他の葉物の野菜と比べてヨウ素を吸収しやすいという報告がある(1)。

チェルノブイリ原発事故のあと(1986年)に秋田大学で行われた実験で下記のことがわかっています(2、3)。
一度ついたヨウ素は、ほとんど(約83%)が内部に吸収されてしまい、洗っても落ちない(2)。
・ほうれん草は煮て食べることが多いので、2分間煮た場合にどうなるかというと、それでも42%のヨウ素131が残っている(2)。
・セシウム134,137については洗浄後に約65%になるというデータがある(3)。
・ヨウ素は、(I-:iodide)か(IO3-:iodate)のイオンの形で存在している。

他のいくつかの論文データを見ても、洗ってもヨウ素131は10-30%しか落ちない、つまり70-90%は内部に取り込まれているというデータが出ています。

この知識を元に、今日発表されたつくば市のほうれん草のデータを見てみましょう。
http://www.city.tsukuba.ibaraki.jp/dbps_data/_material_/localhost/sou/jyou/tsukuba_yasai.pdf

桜と谷田部のほうれん草は、同じ場所のものを、22日は洗浄せず、23日は洗浄して測定しています。同じ日の同じサンプルを用いて洗浄と未洗浄で比較していませんが、そこは無視してもいいと思います。

ヨウ素131
桜:3322→3284  洗浄後も98%
谷田部:2101→1540 洗浄後も73%
セシウム(134,137)
桜:1005→659 洗浄後も66%
谷田部:748→489 洗浄後も65%

文献値と気味が悪いくらいぴったりですね。従って、このデータは信頼できると思います。
過去のデータを元に、まずはほうれん草を測定してみたのですね。



なお、英語の文献は読めないという方のために、日本語の資料のリンクを張っておきます。23日の食品安全委員会の資料です。資料13です。
http://www.fsc.go.jp/fsciis/meetingMaterial/show/kai20110323sfc
http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20110323sfc&fileId=230

参考文献:英語の読める方はこちらをどうぞ。
(1)Biol Trace Elem Res. 2004 Dec;101(3):265-76.
Selecting iodine-enriched vegetables and the residual effect of iodate application to soil.

(2)Journal of Radiation Research Vol.28,No.1(1987)pp.135-140
Reduction of 131I Content in Leafy Vegetables and Seaweed by Cooking
SHUN'ICHI HISAMATSU, YUKIO TAKIZAWA and TOURU ABE
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jrr1960&cdvol=28&noissue=1&startpage=135&lang=en&from=jnlabstract

(3)Journal of Radiation Research Vol.29,No.1(1988)pp.110-118
Radionuclide Contents of Leafy Vegetables; Their Reduction by Cooking
SHUNICHI HISAMATSU, YUKIO TAKIZAWA and TOURU ABE
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=jrr1960&cdvol=29&noissue=1&startpage=110&lang=en&from=jnltoc

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コメント

Re: ほうれん草と放射線

> ほうれん草の放射線濃度がたかい理由ということでこちらにたどりつきました。

コメントありがとうございました。

> カリウムとヨウ素を間違えるのだ理由だそうです。

塩素とヨウ素ですね。カリウムと間違えるのはセシウムです。念のため。

このあたりももう少し調べてまとめようと思いますので、また見に来てください。

ほうれん草と放射線

ほうれん草の放射線濃度がたかい理由ということでこちらにたどりつきました。
ひまわりや菜の花もそうですね。
機構がおなじかどうかはわかりませんが、
カリウムとヨウ素を間違えるのだ理由だそうです。

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Author:TSOKDBA
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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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