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5/25 文科省の第5回の海洋汚染シミュレーション結果を解説!

昨日、文科省は第5回のシミュレーション結果を発表しました。

文科省HP
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1780/2011/05/1304939_0524.pdf

このブログでは、過去4回のシミュレーション結果を全て紹介し、その解説を行ってきました。一番丁寧に全て解説したのは第1回のシミュレーション結果の解説です。

第1回の解説
4/13 海洋放射能汚染で魚を食べても大丈夫か?その16
第2回の解説(このときは発表されていたのを知らずにずいぶん遅れました)
4/26 海洋放射能汚染で魚を食べても大丈夫か?その31
第3回の解説
5/1 海洋放射能汚染で魚を食べても大丈夫か?その39
第4回の解説
5/9 海洋放射能汚染:その43 4回目のシミュレーションの解説

今日は5回目の解説になります。

さて、シミュレーション結果も3回目以降はデータの更新にとどまり、当初あったJCOPETによる予測もなくなってしまいました。ですから、前回との比較と、実測値との乖離があるのかどうか?ということろをチェックする必要があります。

まず、前回の第4回の時にも指摘したことですが、このシミュレーションは、当然のことながら前提条件というものがあります。これは、全てのシミュレーションに存在するもので、シミュレーション結果を見る際には、それを頭に入れて読む必要があります

前提条件の最初の二つは下記のようになっています。

『・東京電力(株)が公表している 5 月 20 日までの海岸の海水放射能濃度をもとに保守的な想定シナリオを作成。 (図1:このブログでは省略)
・上記の海水放射能濃度が、8 ㎞四方に、海岸の 1/100 の濃度で海表面のみに拡散するものと保守的に仮定。 』

海岸の1/100の濃度で→海岸の1/100ということですが、5/20の海岸の濃度を示しましょう。
東京電力HPより
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110521q.pdf
5/20の東京電力のサンプリングデータ(文科省HP)
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1600/2011/05/1305939_0522.pdf
Cs-137のデータをBq/Lで記載します。括弧内の数値は、上の文科省HPで○で囲んだ数字の場所に対応します。
(1)第一原発放水口北:130
(2)第一原発南放水口:67

つまり、「海岸の濃度」は67-130Bq/Lです。

一方で、その日の沖合8kmのデータの(15)と(16)はND、つまり検出限界以下(約10Bq/L以下)でしたが、沖合15kmのデータは、
(5)南相馬市沖合約15km付近:7.5
(6)請戸川沖合約15km付近:5.4
(7)1F敷地沖合約15km付近:ND
(8)2F敷地沖合約15km付近:ND
(9)岩沢海岸沖合約15km付近:12
(10)広野町沖合約15km付近:ND

ということで、NDとはいっても、沖合15kmで5-10Bq/Lは存在していることがわかると思います。
ですから、「8 ㎞四方に、海岸の 1/100 の濃度で」というのはその時点で前提条件が間違っていて、5/20のデータに照らし合わせれば、「海岸の約1/10」というのが実測値をふまえた解釈になるということがおわかりいただけると思います。つまり実際よりも1/10に仮定しているわけですね。それを頭に入れてデータを読んでいかないといけません。


まずは5/31の予想を見てみましょう。

第3回(4/29)のシミュレーション
5/9-3-5/31

第4回(5/9)のシミュレーション
5/9-4-5/31

今回(第5回)のシミュレーション
5/25-5-5/31

今回の第5回のシミュレーションでは、東側の海域を広く予想していることと、I-131をもはやデータから除いているので、違って見えますが、濃度の設定などは全て同じです。この水色のエリアは、法令の基準値(Cs-134なら60Bq/L、Cs-137なら90Bq/L)の何倍かという指標で、検出限界を今は0.1倍(Cs-134で6Bq/L、Cs-137で9Bq/L)に設定しています。

ですが、私のブログでは何回も説明していますように、9Bq/Lという検出限界は高すぎます。測定に時間をかけてでも、検出感度を上げて、もっと低い数値(2.5~5Bq/L)を測れるようにして欲しいです。このあたりの理由については、最近「5/22 まとめ5:海洋放射能汚染2:これを理解すれば魚介類への汚染を予想できる!」にまとめましたので、まだ読んでいない方はぜひ読んでみてください。

従って、このシミュレーションでは、水色のエリア(0.9-9Bq/L)が全て魚介類が汚染される可能性が高いエリアというように読むべきです。そういう目で見ると、いかに広範囲の海域が魚介類の汚染の可能性が高いか、ということが理解できると思います。これから徐々に魚介類の放射性セシウムの数値が上がってくるでしょうから、注意して見守っていく必要があります。また、前回の第4回ではやや北に向かうとしていた汚染水の流れは、第3回と同様に、南に下がる方が多いという結果になっています。茨城県民にとっては、シミュレーションとはいえ、気になるところです。

今回のシミュレーション結果では、下記のような記載がありました。
『この複雑な流れとともに、発電所付近に滞留している放射性物質を含む水は、沖に向かって拡散する。特に、6月においては、放射性物質を含む水は北緯 35 度から 40 度の海域で徐々に拡散・希釈されつつ、ゆっくりと東方へ移動していくものと予測される。』

それではその後のシミュレーション結果を見ていきます。

6/15の予想
5/25-5-6/15

7/1の予想
5/25-5-6/30

7/15の予想
5/25-5-7/15

7/15になると、もう0.9Bq/L以下になり、このシミュレーションでも色を塗って表示できなくなるということを示しています。実際に、昨日発表された広域の海域モニタリングでは、Cs-137で9Bq/Lの検出限界以下という数値が出ていますし、新たな大量の漏出がない限り(これが保証されていないのが怖いところですが)、今後も検出限界以下の数値が続くことが予想されます。7/15といえば汚染水の流出が起こってから3ヶ月、かなり拡散してしまうために0.9Bq/L以下になるという予想は大きな間違いではないものと予想されます。

最初の前提条件が1/10になっていますが、実際には海底にも汚染が広がっていることがすでに海底土のデータなどから明らかになっています(「5/14 海洋放射能汚染-海底土壌の汚染その4」参照)し、単純に10倍して読む必要があるかというと、現時点ではそこまでする必要はないと思います。このシミュレーションでは「海表面のみに広がる」という前提を置いていますが、実際には海表面だけではなく海の底の方まで汚染が広がっているので濃度的にはほぼ同じになっていると考えておけばいいのではないでしょうか。

現在の高い検出限界では、シミュレーションを行ってもそれを検証することができない(全て検出限界以下になってしまうので意味がない)ので、シミュレーションする限界に近づいてきていると思います。

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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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