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5/27 海水の放射能をmBq/Lの感度で測定しているところがあった!

twitterで教えてもらったのですが、北海道大学大学院環境科学院で行っている大気放射性物質量測定のページで、おしょろ丸という船が下北半島沖で行った海水調査の結果を公開してくれています。

おしょろ丸による海水の結果
http://geos.ees.hokudai.ac.jp/eesatom/index.html#h

これは、渡辺准教授の以下のようなポリシーにもとづくものです。

http://geos.ees.hokudai.ac.jp/yywata/column/110415tohitsuzui.html
『(前略)・・・そして、いま、海洋学、地球化学にその真価が求められている。海洋学者、地球化学者が今やらなくて、いつやるのか。

広域で詳細な放射性物質の分布調査やそのメカニズム研究など、何年もかかる研究、それに伴う莫大な研究費の獲得、著名な学術雑誌への成果発表。研究者としては重要な研究の一環となるであろう。しかし、それだけではいけない。それのみを今求められてはいまい。研究者だけが焼け太り、社会と隔絶した研究者の内輪の中での自己完結であってはいけない。その先には何もない。自己完結の先には、社会から見放され、学者内での信用は高まるかもしれないが、社会の中での信用は地に落ちよう。

これまでに培ってきたその知識と技術を、今まさに、社会に還元すべきときである。今そこにある危機。学者の学者たる真価が問われている。今こそ、真価を発揮すべき海洋学、地球化学。 今やらなくて、いつやるのか。』

いいですね。この姿勢。こういう人がもっといっぱいいるはずです。


さて、私がこの「海洋放射能汚染」シリーズで何回も言及し、「5/22 まとめ5:海洋放射能汚染2:これを理解すれば魚介類への汚染を予想できる!」で詳しくまとめましたが、現在の文科省や東京電力が行っている海水の放射能汚染の検出限界は、Cs-137で9Bq/Lとか10Bq/Lです。

この検出限界は、海水から魚介類への濃縮度(50-100倍の濃縮)を考えた場合には高くて意味がなく、もっと検出限界を下げて、2.5~5Bq/Lを検出できるようにして欲しいという主張をしてきました。

今回の北大の結果で私がすばらしいと思ったのは、おしょろ丸の結果における検出限界です。正確に検出限界が書いてあるわけではないのですが、5/13のおしょろ丸(下北半島沖)の検査結果で、Cs-136は0.18[mBq/L]、Cs-134は0.08[mBq/L]、Cs-137は検出されずとありました。

Cs-134がわずか0.08mBq/Lですよ!今の文科省が行っている測定ではCs-134では6Bq/L=6000mBq/Lが検出限界ですが、ここの測定では少なくとも0.1mBq/L=0.0001Bq/Lまでは測定できるということです

たとえば、文科省が行っている海域モニタリング、C1地点(原発の北東40kmくらい)の表層では、5/11のサンプリングでCs-134:8.6Bq/L、Cs-137:不検出(検出限界以下)となっています。検出限界が9Bq/Lなので、おそらく7-9Bq/L程度のCs-137が存在すると思いますが、それすら検出できません。

文科省の発表したモニタリング結果の例
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/other/detail/__icsFiles/afieldfile/2011/05/24/1305671_0520_2.pdf

また、このモニタリングで、測定した28地点のうち、26地点は表層、中層、下層のどこからも「不検出」になっていますが、これは「0(ゼロ)」を意味することではないことは明らかです。実際に、ほぼ同じ頃(5/13)に行った検査でA1よりもはるか北方にある下北半島沖でCs-134が0.08mBq/L検出されているのですから、北大と同レベルの感度で測定を行えば必ず検出できます。ここまで感度を上げろとはいいませんが、せめて1Bq/L=1000mBq/Lは検出できるだけの感度を持って測定して欲しいです。そうでないと、前にも書いたように、「不検出」というあまり意味のない記録を数多く積み上げるだけで終わってしまいます。そして、魚介類から暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されて、「海水は検出限界以下だったのに不思議だ」とか、「海は複雑だからもっとよく研究しないとわからない」などという言い逃れをする人が出てくることが予想できます。

なお、以前「まとめ4:海洋放射能汚染と魚介類への影響1:基本的な内容」にも書きましたが、今回の原発事故がなくても、Cs-137でいうと1-3mBq/Lは海水中に存在しています。それは、60-70年代の核実験の影響です。今回の測定ではCs-137が検出されていないのでこの理由はわかりませんが、Cs-134は半減期が2年ですし、Cs-136は半減期が13.6日ですので、今回の原発事故による放射性セシウムを検出していると考えられます。

北大の渡邊准教授のラボで、このような結果をしっかりと測定してそれを公表してくれているのはすばらしいことだと思います。今後も定期的に発表をお願いしたいと思います。


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