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5/30 海水の放射能を「0.1mBq/Lの感度で測定」はやはり本当だった!

金曜日に、「5/27 海水の放射能をmBq/Lの感度で測定しているところがあった!」で北海道大学大学院環境科学院の渡邊准教授の海水の測定について、検出感度が0.1mBq/Lまで測定できる。と書いたところ、mBq/LはBq/Lの間違いではないか?と質問をいただきました。確かに感度を上げるのは技術的には大変なので、文科省の9Bq/Lを0.1mBq/L=0.0001Bq/Lと、検出限界を1/10000にまで下げるのは至難の業と思い、渡邊先生にメールを出して聞いてみました。

そしたら、今日早速お返事をもらいました。あの数値は間違いではなく、低バックグラウンドのゲルマニウム検出器を用いて24時間測定すれば可能だということでした。非常に丁寧に説明していただき、感銘を受けました。

渡邊先生の説明はわかりやすい説明だったので、そのままブログに転載してもいいかどうか、今確認を取っています。許可が得られたらそのままご紹介しますので、しばらくお待ちください。

30日23時:転載の許可をいただきましたので、追記しました。また、タイトルを若干変えました。

ともかく、あのHPに載っているデータが間違いではないということが確認できましたので、取り急ぎご紹介します。

参考:おしょろ丸による海水の測定
http://geos.ees.hokudai.ac.jp/eesatom/index.html#h

以下追記部分:

ブログに紹介したところ、おしょろ丸での測定結果がmBq/Lではなく、Bq/Lではないかというコメントをもらったので、確認させていただけますか?という質問に対して、渡邊先生から以下のように解答がありました。

---------------------------
以下のように回答させて頂きます。
現在、文科省で行っている海洋汚染調査は、文科省の緊急時放射能測定マニュアルに基づき、以下のように行っているはずです。

まず、海水試料を塩ビ製のマリネリ容器(容量2L)あるいはU8容器(容量0.1L)に入れます。これを船上に持ち込んだ簡易型ゲルマニウム半導体検出器(詳細については以下をご覧ください)でその試料のガンマ線を測定し放射性物質を同定しています。おそらく、船に搭載されている機器は、簡易型ゲルマニウム半導体検出器が1台か2台でしょう。

今回の文科省で行っている海洋汚染調査は、緊急性のために測定に時間が掛けられないこと、測定時間を10分から1時間程度の測定で行っていること、水中の許容限界を考慮して、9-10Bq/Lとしていると考えられます。測定時間については不明ですが、福島沖では1時間もかけていないと判断されます。もし、1時間しか測定しないものを24時間測定にすればそれだけで、2Bq/Lまで検出限界は下がります。今回の文科省で行っている海洋汚染調査の値を緊急マニュアルで逆引きしますと、おそらく、今回の試料測定量は0.1Lでしょう。もし2Lで測定すれば、24時間測定で0.05-0.1Bq/L (50-100mBq/L)前後の測定が可能なはずで簡単に測定はできます。これを行わないのは不思議なのですが、やなり許容下限を測定する必要なしとの判断がどこかで働いているからでしょうか。

さて、ここで時間と試料測定量を増やす以外に、さらに測定の検出限界を下げるためには、以下の努力が必要です。
(1) 簡易型ゲルマニウム半導体検出器を使用せず、高精度で低バックグランドなゲルマニウム半導体検出器を使用することです。文科省で現在、緊急処置として使っているものを簡易型と書いたのは、以下の理由によります。

通常、宇宙空間や大気、土壌からも地球創生以来、放射能が常に出ています。この中でもガンマ線はさまざまなところに降り注いでいます。もちろん測定器周辺にもです。これをバックグランドのガンマ線(BKG)と呼ぶことにします。測定時には、このBKG量のうえに、測定する試料の放射線量が加算され、BKGとの差を読み取らなければなりません。このBKG量は通常、測定値に比べて同じ量か一桁二桁上の高い値です。このため、このBKGが高いと試料の放射線量の測定が困難になります。

そこで、このBKG量を低くするためにはゲルマニウム半導体検出器のまわりすべてを隙間無く、ガンマ線を遮断できる鉛や鉄などの物質で厚み10cm以上の遮蔽体で覆って外部からのBKGを遮断し、そのBKGを下げなければ高精度での測定できません。これは低バックグランドゲルマニウム半導体検出器と呼ばれます。この検出器の総重量は数トンになるので、容易には船舶に積むことが困難です。ですから、今回の福島沖の文科省で行っている海洋汚染調査では、緊急性を要する船舶での測定ですので、裸に近い状態のゲルマニウム半導体検出器を持ち込み、その周りをたくさんの鉛のブロック(煉瓦ブロックほどの大きさ)で覆っているはずです。しかし、低バックグランドゲルマニウム半導体検出器と比べるとその遮蔽能力は良くありません。この段階で、低バックグランドゲルマニウム半導体検出器と簡易型ゲルマニウム半導体検出器のBKGはおよそ100から1000倍違います。これが感度に利いてきます。わたしどもの測定器は低バックグランドゲルマニウム半導体検出器を使用しているため、簡易型よりもBKGが低い分、その検出限界は1000倍ぐらい低くなります。

(2)さらに関東周辺の測定器に関するバックグラウンドに関しては、問題があります。福島原発の放射性物質が関東周辺の測定器を所有する研究所周辺にもすでに降り注いでいます。このため、すでに測定器周辺のバックグランドについては、通常時や現在の北海道と比べるとそのバックグラウンド値は10倍以上高いと考えられ、関東では低バックグランドゲルマニウム半導体検出器といえでもその測定は困難な状況にあるでしょう。

このため、我々の測定は0.1mBq/L前後の測定を数パーセントで測定できることになります。現在、この低バックグランドゲルマニウム半導体検出器を我々は2台所有しています。ただ、我々の測定も海水だけでなく、大気試料等も測定しており、やはり時間の制約があります。現在、それぞれの試料測定時間は24時間で測定しております。検出限界と測定誤差については、0.05mBq/L程度で、全体の誤差は検出限界付近で40-50%程度で多少誤差を犠牲にしています。値が低いところの誤差はこのように大きいものとご理解ください。

また、海水中でチェルノブイリ起源のCs-137が1mBq/L程度はあるはずですが、今回のむつ沖では不検出の結果となりました。この理由としては、●水のBKGにすでにCs-137が出ているため、測定試料との差が見られないのか、あるいは、●沿岸であるため特異的な値であるのかと考えられます。今後もおしょろ丸の海水サンプルは測定し続けます。そこで検討したいと考えております。

またご質問があればご連絡ください。
---------------------------
渡邊先生、丁寧な解答をありがとうございました。

ここまでやれば、0.1mBq/Lも検出できるということなのですね。0.1mBq/Lまでは文科省や東京電力には求めないのですが、渡邊先生の解答を読む限り、今の検出装置でも、2Lのマリネリ容器を用いてもう少し測定時間を延ばせば5-10倍感度が上がるような気がしたので、できればそれくらいやって欲しいな、というのが私の希望であり、せっかく行う海水モニタリングを意味ある数値にできる唯一の方法だと思います。これ以上大量の汚染水の漏出がない限り、海水のデータは30km以上の沖合では「不検出」の山を築いて終わることがやる前から見えています。現在のCs-137:9Bq/Lという感度では測定にかける労力が無駄になってしまうので、ぜひとも検出方法の変更をして、もっと低い濃度の放射性物質の検出をして欲しいと思います。Cs-137が1Bq/L程度は存在している海域があるはずです。

今これを書きながら思ったのですが、文科省はひょっとしたら「不検出」の山を築いて「大丈夫でした」、という解答を出したいのかもしれないと思いました。たとえ魚介類から検出されても、きっとそれは厚労省か水産庁の管轄ですから、文科省には関係ないと思っているのかもしれません。官僚の世界ではあり得る話だと思いませんか?


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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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