5/30 茨城県の学校の放射線データの測定 続き
最近、いろいろな方からコメントをいただけるようになりました。いろいろ教えていただけるので、こちらの間違いに気がついたり、新しい視点を教えてもらえて、助かります。いただいたコメントに対しては、基本的にコメントで返すか関連する新しい記事の中で言及しているつもりですが、後回しになってしまっているものもあります。栃木のあゆの情報も、教えてもらってからずっと気になっているのですが、なかなか時間が取れず。あまり遅くなってタイミングを逃すとお蔵入りしてしまうかもしれないので、それだけはしないようにしようと思います。
さて、昨日書いたつくば市の放射線データの可視化「5/29 つくば市の小中学校の環境放射線データが公表されました」、および茨城県の全市町村の一覧「5/29 茨城県における学校などの放射線測定状況のまとめ(リンク付き!)」に関連していくつかコメントがありました。自分でも忘れないために、簡単にまとめておきます。
まず、udawtrさんからいただいたコメント。
『つくば市/茨城県の発表によって放射線量がかなり違うのは自然(環境)放射線量を含む/含まないの違いではないかと思います。年間限度被爆量は自然放射線量を含まないので、除去したほうが良いと思うのですが、事前の自然放射線量の計測がないと難しいはずです。』
自然放射線量(=バックグラウンド)が確か0.05μSv/h前後ですので、0.15μSV/hの測定値だったときにバックグラウンドを差し引いてデータとして記載する(0.10μSV/h)のか、差し引いていない(0.15μSV/h)かで違ってきます。
たとえばつくば市の産総研では、「測定結果 :測定値からバックグラウンド0.06(µSv/h)を差し引いた値」とはっきりと記載してあります。
http://www.aist.go.jp/taisaku/ja/measurement/index.html
昨日ご紹介したそれぞれの発表データが、測定データからそれを差し引いているかどうかまでは確認していません。昨日「5/29 茨城県における学校などの放射線測定状況のまとめ(リンク付き!)」でまとめた各市町村のHPでは、そのあたりについての記載があるところはほとんどなかったように思います。
全体で0.2μSv/h程度なので、0.05μSv/h違うと大きく印象も異なりますよね。このあたりはよく測定条件を読まないといけないですね。
ついでに先ほど産総研のHPをみたら、こんなページがいつの間にかできていましたのでご紹介しておきます。
放射線計測の信頼性について
http://www.aist.go.jp/aist_j/rad-accur/index.html
素人にはちょっと取っつきにくいかもしれませんが、この中のたとえばこんなページは役に立ちそうです。
ある条件でのcpm(測定値)からBq/cm2、μSv/hへの換算
http://www.aist.go.jp/aist_j/rad-accur/pdf/case_study_1_table_j.pdf
次に、ひつじさんのコメント。いつもありがとうございます。
つくばみらい市の測定データ。今日はもう出ていたそうです。元の記事も修正しておきます。
なぜ50cmと1mで測定しているのか、ということについては、茨城県ではなく文科省から文書が出ていたそうです。確かに福島県の小学校でも50cmと1mで測定していましたよね。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/04/1305174.htm
『(1)文部科学省による再調査により、校庭・園庭で3.8μSv/時間(保育所、幼稚園、小学校については50cm高さ、中学校については1m高さの数値:以下同じ)以上の空間線量率が測定された学校等については、別添に示す生活上の留意事項に配慮するとともに、当面、校庭・園庭での活動を1日あたり1時間程度にするなど、学校内外での屋外活動をなるべく制限することが適当である。 』
この話は、1mSv/年か20mSv/年かという問題に関わってくるため、いずれまとめようと思っていましたが、なかなかチャンスがありません。
取手市在住さん
「ついに文科省が重い腰を上げて、20mSv/年から1mSv/年に方向転換。
しかし…
http://garoukan.mobi/koizumi/?p=1573
>線量の低減策を講じる設置者に対し、学校施設の災害復旧事業の枠組みで財政的支援を行うこととする。対象は、土壌に関する線量低減策が効果的となる校庭・園庭の空間線量率が1μSv以上の学校とし、設置者の希望に応じて財政的支援を実施する。
茨城県の測定結果の値は、1mSv/年超えるのに1μSv/h未満なので財政支援が得られないという、なんとも歯痒いものです…」
結局、20mSv/年にしたのも金の問題なんでしょうね。1mSv/年の基準では、おそらく福島市や郡山市は避難させる必要があるでしょうし、つくば市だって、場所によっては1mSv/年を超える可能性がありますからね。なぜならば、1mSv/年=1000μSv/365日=2.73μSv/日=0.114μSv/hですから、定常的に0.114μSv/hを超える地域は1mSv/年を超えてしまうんです。私は法律まで確認していないのですが、中部大学の武田先生によれば、日本の法律では1mSv/年である、ということです。
http://takedanet.com/2011/05/post_e9db.html
実務上大変だから、あるいはお金がないから、という理由で安全を無視して基準を曲げてしまうという感覚が理解できないのですが、さすがにさんざんたたかれて方向転換してくれたのはまだ救いと考えるべきなのでしょうか。
この問題、自分の頭の中で充分に消化し切れていないため、いずれ整理して書きたいと思います。
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さて、昨日書いたつくば市の放射線データの可視化「5/29 つくば市の小中学校の環境放射線データが公表されました」、および茨城県の全市町村の一覧「5/29 茨城県における学校などの放射線測定状況のまとめ(リンク付き!)」に関連していくつかコメントがありました。自分でも忘れないために、簡単にまとめておきます。
まず、udawtrさんからいただいたコメント。
『つくば市/茨城県の発表によって放射線量がかなり違うのは自然(環境)放射線量を含む/含まないの違いではないかと思います。年間限度被爆量は自然放射線量を含まないので、除去したほうが良いと思うのですが、事前の自然放射線量の計測がないと難しいはずです。』
自然放射線量(=バックグラウンド)が確か0.05μSv/h前後ですので、0.15μSV/hの測定値だったときにバックグラウンドを差し引いてデータとして記載する(0.10μSV/h)のか、差し引いていない(0.15μSV/h)かで違ってきます。
たとえばつくば市の産総研では、「測定結果 :測定値からバックグラウンド0.06(µSv/h)を差し引いた値」とはっきりと記載してあります。
http://www.aist.go.jp/taisaku/ja/measurement/index.html
昨日ご紹介したそれぞれの発表データが、測定データからそれを差し引いているかどうかまでは確認していません。昨日「5/29 茨城県における学校などの放射線測定状況のまとめ(リンク付き!)」でまとめた各市町村のHPでは、そのあたりについての記載があるところはほとんどなかったように思います。
全体で0.2μSv/h程度なので、0.05μSv/h違うと大きく印象も異なりますよね。このあたりはよく測定条件を読まないといけないですね。
ついでに先ほど産総研のHPをみたら、こんなページがいつの間にかできていましたのでご紹介しておきます。
放射線計測の信頼性について
http://www.aist.go.jp/aist_j/rad-accur/index.html
素人にはちょっと取っつきにくいかもしれませんが、この中のたとえばこんなページは役に立ちそうです。
ある条件でのcpm(測定値)からBq/cm2、μSv/hへの換算
http://www.aist.go.jp/aist_j/rad-accur/pdf/case_study_1_table_j.pdf
次に、ひつじさんのコメント。いつもありがとうございます。
つくばみらい市の測定データ。今日はもう出ていたそうです。元の記事も修正しておきます。
なぜ50cmと1mで測定しているのか、ということについては、茨城県ではなく文科省から文書が出ていたそうです。確かに福島県の小学校でも50cmと1mで測定していましたよね。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/23/04/1305174.htm
『(1)文部科学省による再調査により、校庭・園庭で3.8μSv/時間(保育所、幼稚園、小学校については50cm高さ、中学校については1m高さの数値:以下同じ)以上の空間線量率が測定された学校等については、別添に示す生活上の留意事項に配慮するとともに、当面、校庭・園庭での活動を1日あたり1時間程度にするなど、学校内外での屋外活動をなるべく制限することが適当である。 』
この話は、1mSv/年か20mSv/年かという問題に関わってくるため、いずれまとめようと思っていましたが、なかなかチャンスがありません。
取手市在住さん
「ついに文科省が重い腰を上げて、20mSv/年から1mSv/年に方向転換。
しかし…
http://garoukan.mobi/koizumi/?p=1573
>線量の低減策を講じる設置者に対し、学校施設の災害復旧事業の枠組みで財政的支援を行うこととする。対象は、土壌に関する線量低減策が効果的となる校庭・園庭の空間線量率が1μSv以上の学校とし、設置者の希望に応じて財政的支援を実施する。
茨城県の測定結果の値は、1mSv/年超えるのに1μSv/h未満なので財政支援が得られないという、なんとも歯痒いものです…」
結局、20mSv/年にしたのも金の問題なんでしょうね。1mSv/年の基準では、おそらく福島市や郡山市は避難させる必要があるでしょうし、つくば市だって、場所によっては1mSv/年を超える可能性がありますからね。なぜならば、1mSv/年=1000μSv/365日=2.73μSv/日=0.114μSv/hですから、定常的に0.114μSv/hを超える地域は1mSv/年を超えてしまうんです。私は法律まで確認していないのですが、中部大学の武田先生によれば、日本の法律では1mSv/年である、ということです。
http://takedanet.com/2011/05/post_e9db.html
実務上大変だから、あるいはお金がないから、という理由で安全を無視して基準を曲げてしまうという感覚が理解できないのですが、さすがにさんざんたたかれて方向転換してくれたのはまだ救いと考えるべきなのでしょうか。
この問題、自分の頭の中で充分に消化し切れていないため、いずれ整理して書きたいと思います。
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