6/8 Bq/kg→Bq/m2→μSv/hの変換についての簡単なまとめ
今日のtwitter情報のまとめです。
今日の東大早野先生(@hayano)のツイートの多くは、タイトルに示した土壌の放射能汚染(Bq/kg)から環境放射線量(μSv/h)に変換する話でした。
なんでこんな話が出ているのかな?と思ったら、どうやらこの記事が元になっているようでした。
save child
http://savechild.net/?p=575
ひょっとしたらきっかけは違うかもしれませんが、忘れないうちにまとめてみなさんと情報を共有しておきます。
(1)Cs-137のデータから放射性セシウムの値を求める。
杉並区の小学校の校庭で、Cs-137が344Bq/kgだったそうです。このブログでも前から何回も話をしているように、Cs-137の値を約2倍すると放射性セシウムの数値になります。というのは、放射性セシウムの主なものはCs-134(半減期2年)とCs-137(半減期30年)で、Cs-134:Cs-137=54:46=約1:1だからです。
Cs-137が344Bq/kgということは、2倍して放射性セシウムで600Bq/kg程度です。
(2)Bq/kg→Bq/m2の変換
次に、Bq/kg→Bq/m2の変換です。早野先生によると、Bq/kg→Bq/m2は50倍。保安院の記者会見では65倍すればいいという話らしいです。ただし、それは土を表面から5cm取ったときの話です。農水省の測定方法だと表土から15cmとるので、150倍くらいする必要があるそうです。
ここでは50倍とすると、600Bq/kg×50=30000Bq/m2になります。
(3)Bq/m2→μSv/hへの変換
下記の内閣府原子力委員会資料(原子力安全委員会とは別です。そんなものもあったのですね)によると、Bq/m2の数値を282,000で割ればいいそうです。
第16回原子力委員会資料
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2011/siryo16/index.htm
原子力委員会資料 5ページ
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2011/siryo16/siryo2.pdf
ですからこのケースでは、30000Bq/m2÷282000=0.106μSv/hになります。
早野先生のツイートでは、「そうして求めた値が,過去の平常値からの嵩上げ分」だそうです。
なんでこういうものを紹介したかというと、この換算式を知っていれば、自分の家の近くのμSv/hか土壌のBq/kgがわかると、Bq/m2を計算できるからなのです。Bq/m2=MBq/km2(メガベクレル/km2)ですから、チェルノブイリの時の土壌汚染図や、下の図と対応させて見ることができるのです!(もちろん、この換算式はあくまで目安ですので、数倍の幅はありうると思っていた方がいいと思います。)

この図では単位がBq/m2ですから、外側の青いところが300000Bq/m2以下ということです。
300000Bq/m2は上の式に当てはめると、300000÷282000=1.06μSv/hです。つまりだいたい1μSv/hで300000Bq/m2=300 KBq/m2になるということです。
また、チェルノブイリの時の第三汚染区分(1-5Ci/km2)というのは、下限が1Ci/km2=37000MBq/km2=37000Bq/m2ですので、上の図の青いところのさらに濃度が低い区分です。チェルノブイリと比較して、どこまでがこの第三区分になるか?ということが騒がれていましたが、今回自分の家の近くのμSv/hがわかった人も多いと思いますので、土壌のデータがわからなくても、この機会に計算してみてはいかがでしょうか?
チェルノブイリとの比較の話はいずれ書きたいと思います。
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