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6/14 遅くなりましたが、海水のSrのデータについてです。

このブログでの紹介が少し遅くなりましたが、東京電力のHPでは12日に海水中(取水口近くの沿岸)のSrのデータサブドレン水のSrのデータが発表になっています。

今日は久しぶりにSr(ストロンチウム)の話です。


1.Srについて

これまで、Srについてはあまりデータが発表されてこなかったため、私はあまりSrについて調べてきませんでした。とはいえ、発表されたSrの海洋中、あるいは汚染水のデータは、「5/22 2号機のSrのデータがやっと公開!」や「5/31 東京電力の発表(Sr)は大嘘つき!正しいデータを出せ!」で紹介してきました。

Srについては、三重大学の勝川先生が魚介類への影響について、「海洋の放射性ストロンチウムの放出について」と「魚を骨ごと食べたときに、心配なのはセシウム。ストロンチウムじゃないよ」、および「過去50年の水産物のストロンチウムのトレンド」に詳しくまとめてくれています。なので、ここではあまり詳細にはご紹介しません。

魚介類のSrのデータがまだどこからも出てきていないようなので、魚介類への影響、ということでは論じられる段階ではありません。(勝川先生が調べてくれたところでは、過去のデータでは海水から魚介類へのSrの濃縮率は約3倍ということです。Csの場合は50-100倍ですから、濃縮率がだいぶ違いますね。)従って、現状では、福島第一原発付近、および海水中のSrのデータがどうなっているか、ということだけです。

放射性セシウムには、主にCs-134(半減期2年)とCs-137があり、放射性ストロンチウムには、Sr-89(半減期51日)とSr-90(半減期29年)があります。従って、特に長期的な影響を考慮する必要があるのは、Cs-137とSr-90と思います。Srはベータ線しか出さないために測定が大変で、毎回データが出てくるわけではないので、CsとSrの放射能の比率を求めておいて、CsのデータからSrのデータを類推するということが行われています。

2.生のデータの紹介

東京電力が5/22に発表した時はタービン建屋のたまり水などのデータでした。

5/22Srデータ

3/24―27に取ったサンプル
1号機 タービン建屋 たまり水
Cs-137 160,000Bq/ml Sr-90 21Bq/ml

2号機 タービン建屋 南東階段大物搬入口側(大量に海に流出した)
Cs-137 2,800,000Bq/ml Sr-90 140,000Bq/ml

3号機 タービン建屋 侵入水(一部海に流出した)
Cs-137 160,000Bq/ml Sr-90 15,000Bq/ml

4号機 タービン建屋 たまり水
Cs-137 22Bq/ml  Sr-90 <0.13Bq/ml

5/31に発表したとき(間違っていたために翌日に訂正が出ました)は、沿岸と沖合15kmの海水のデータです。5/9にサンプリングした海水で、Sr-90はCs-137の約1/100というデータでした。

6/14_5/31のSr表

今回のデータは、一つは5/16にサンプリングした沿岸の海水です。従って、1週間しか違っていませんので、5/31に発表したデータと比較してもほとんど問題がないと思います。(3/27にサンプリングしたタービン建屋のデータ(4/13時点に換算)と比較するときは、Sr-89のデータは7割近くになっているので注意が必要です。)

6/14Srデータ

もう一つは、5/18のサブドレンからサンプリングしたデータです。

6/14Srデータサブドレン

3.今回のデータの解釈

今回のデータは、海水(沿岸)のデータとして初めて出てきたもので、しかも法的な規制値(Sr-89で300Bq/L、Sr-90で30Bq/L)を超えていましたので、ニュースになっていました。しかし、専門家が見ていたのは違うところでした。

twitterより
http://twitter.com/#!/katukawa/status/80583022214262784

これまで、海水でのCsとSrの比率は100:1くらいでしたが、今回の5/16のデータでは、約10:1、2号機のシルトフェンス内側ではCs-137:Sr-90で3.7:1、Cs:Srならば3:2と非常に高くなっています。これまでのデータでは、あまりSrは海水には出ていないだろうということになっていましたが、今回のデータを見ると、思っていたよりもSrが海に流れている可能性があります。

この理由を私なりに分析しましたが、データが少なすぎて、あまり多くのことはわかりませんでした。

まずデータを見ていくと、1号機関係はタービン建屋のデータ(5/22発表)でも、今日のデータ(サブドレン)でもCs/Srは>100です。次に2号機関係です。5/22発表タービン建屋(4/13時点:Cs/Sr=6.4)、今日発表の海水(5/16時点:1.5)、今日のサブドレン(5/18時点:2)です。3号機関連は、5/22発表タービン建屋(4/13時点:Cs/Sr=3)、今日発表の海水(5/16時点:4)です。Cs-137/Sr-90で見るとそれぞれ比率は3倍ほど上がります。

ここからわかることは、1号機からの排水と、2号機、3号機の排水は放射性物質の成分が違う可能性があるということです。

また、5/31発表の時の沿岸のデータでは、5/9時点で、Cs/Srで50前後(Cs-137/Sr-90で100前後)でした。

5/15平面図当初

上の図で黄色いラベルのところが5/31発表の時の沿岸のデータの場所です。緑のラベルの近くが今日の海水データの場所(2号スクリーン)です。距離的にはわずかにしか違わないので、Cs/Sr=50だったのが1週間後にすぐ近くでCs/Sr=1.5になるのは4つしか要因は考えられません。

(1)CsよりもSrの方がシルトフェンスや、シルトフェンス外側に設置されているゼオライトに吸着されやすい。
(2)CsよりもSrの方が沈殿しやすい。(遠くに行けばいくほどCs/Srの比率は上がる)
(3)5/11に起こった3号機からの汚染水の漏れの影響。(今日のデータは、3号機からの海水へ漏れた汚染水の影響を強く受けていることに注意)
(4)5/15頃に2号機のシルトフェンス内側ではI-131が異常に増えているため、何か新たに核分裂が起こったために比率が変わった。

(4)についてはたとえ核分裂が起こっていたとしてもそれでCs/Srが下がるかどうか私は知らないので、間違っている可能性も高いです。

時期的に、(3)の可能性も結構あると考えているのですが、だとすると3号機シルトフェンス内側よりも2号機シルトフェンス内側の方がCs/Srが低くならないといけないので、矛盾します。となると、(1)や(2)かもしれません。再度5/31に発表したのと同じ場所でサンプリングして、経時的な比較をして欲しいです。

もう少しデータが出てきたらまた考察したいと思います。

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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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