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6/25 大洗町の海水データ発表方式変更の謎 圧力がかかったのか?

 
海水浴場の放射能汚染の目安について書いていて、大洗町のデータを紹介しようと思ったのですが、書き出したら大洗町の話は長くなりそうなので、別に分けることにしました。

茨城県大洗町は、原発から130km離れたところにあり、茨城県では年間約50万人が来るほど有名な海水浴場の一つです。大洗町のHPでの情報公開の姿勢は非常にすばらしいもので、このブログでは紹介しようと思いつつできなかったのですが、2週間前から情報の開示方法が変わってしまいました。貴重なデータが得られていたので、ぜひ元のやり方に戻して欲しいと思い、大洗町にエールを送る意味で取り上げさせていただきます。


なお、大洗町の海岸の空間線量率測定結果も下記に発表されていますが、特に問題ありません。先の「6/25 新しい海水浴場の放射能汚染基準について 海水浴場は問題なしです。」と合わせて、大洗町で海水浴をしても問題ありません。
http://www.town.oarai.lg.jp/~kankouka/asobu/info_g_6_1135.html

1.海水の放射能検出における検出限界はどれくらい?

現在、多くのところで海水の放射能を測定して発表しています。ですが、多くは「不検出」というデータになっています。しかし、この「不検出」というデータには注意が必要です。

たとえば、「6/22 文科省と福島県の海水モニタリング、どちらがいいと思いますか?」でもご紹介したように、文科省の測定は検出限界がヨウ素が約4Bq/L、セシウム134が約6Bq/L、セシウム137が約9Bq/Lで、それ以下の場合は全て「不検出」になります。東京電力の発表しているデータもほぼ同様です。しかし、「不検出」=「0(ゼロ)Bq/L」かというと、それは間違いです。特に東京電力が測定しているような海域では、検出感度さえ上げれば2-5Bq/Lの数値が出ることは間違いありません。そういうデータこそしっかりととる必要があるのに、文科省の姿勢は相変わらずの無責任です。

現状では、多くの海において放射性セシウムの濃度は5Bq/L以下、場合によっては1Bq/L以下だと思います。ですから、文科省や東京電力が行っているような測定では意味がないのです。私がこれまで主張してきているように、文科省は「不検出」というデータを出すことが目的でこの検出感度を設定したとしか思えません。本当に観測データをしっかりと取りたいのならば、測定に時間がかかっても検出限界を下げて測定するはずだからです。では、1Bq/Lを測定することが非常に難しいのかというと、2Lの海水サンプルがあれば1時間の測定で1Bq/Lを測定することができます。(ひょっとすると、測定装置によっては2Lのサンプルを測定できる仕様になっていないのかもしれません。このあたりは実際に測定した方に聞かないとわかりません。)

2Lの海水サンプルで1Bq/Lを測定できるという実例を高知県室戸市のHPからご紹介します。
室戸市のHPより(測定:高知県衛生研究所)
http://www.city.muroto.kochi.jp/hopweb/joho/information/00000590/20110614142328930.pdf

上の測定結果では、2Lの海水を3600秒=1時間測定し、検出限界としてCs-134で0.35-0.43Bq/L、Cs-137で0.40-0.49Bq/Lという検出限界が出せています。このサンプルの場合、その検出限界以下でした。高知県の海にまで0.5Bq/Lもの濃度で拡散するとは思えないので、当然の結果です。このデータからも、測定に10時間もかけなくても(ひょっとしたら測定装置の性能の問題はありますが)2Lの海水サンプルで測定したらわずか1時間の測定でこれだけの検出感度は出せるということが証明されています。

福島県の測定においても、Cs-137が0.90Bq/Lという低い値を検出しています。また、「5/30 海水の放射能を「0.1mBq/Lの感度で測定」はやはり本当だった!」でご紹介したような、北大の渡邊先生のようなやり方だと、0.1mBq/L=0.0001Bq/Lまで測定可能ですが、そこまでしなくても2Lの海水サンプルを用いれば福島県や室戸市のように1Bq/Lを測定可能だということです。

2.大洗町の測定結果について(6/9まで)

大洗町では、6/9までは非常にすばらしい情報公開を行っていました(過去形なのが悲しいです)。
どこが「すばらしかった」か? 6/9の例をお示ししましょう。

6/25大洗1

大洗町では、夏に向けて海開きができるように、4月から町として自主的に沖合に出て海水をサンプリングし(実際には日本原子力研究開発機構に依頼しているようです)、5ヶ所の海水のデータを測定、公表してきています。

上の結果では検出限界値が示されていない点が残念ですが、放射性セシウムが2.84~3.29Bq/Lと非常に低い値であるにもかかわらず検出されています。先ほど検出限界の説明をしたので、この数値の持つ意味がわかると思います。文科省や東京電力のように、「不検出」になればいい、というようないい加減な姿勢で測定・情報公開しているのではないということがおわかりになると思います。

私は、この大洗町の姿勢を高く評価します。特に、文科省が現在主体となって行っている広域の海洋モニタリングでは無意味な「不検出」のデータの山が築かれていますので、このデータが毎週公開されることには非常に重要な意味を持っていると考えています。


3.大洗町の測定結果の公表方法が悪い方に変わった!

つぎに、最新の6/23発表のデータをご紹介します。

6/25大洗2

ところが、6/16以降の発表は、上記のような公表方法に変わってしまいました。

これまでのご説明を理解できた方はすぐにお気づきだと思いますが、3点変化がありました。

(1)検出限界値が記載されるようになったこと。
(2)放射性セシウムの測定を、Cs-134とCs-137に分けたこと
(3)これまでよりも検出限界値が大幅に引き上げられたこと。

(1)の検出限界値の記載は、望ましい変化なので歓迎します。また、(2)も分けてもらえるならばそれに越したことはありません。しかし問題は(3)です。これまで1-3Bq/Lの放射性セシウムを検出できていた測定が、急にCs-134で6Bq/L以下、Cs-137で9Bq/Lの検出限界に大幅に引き上げられてしまいました。

測定しているのは同じ日本原子力研究開発機構で変わりませんので、測定装置が変わったとは思えません。つまり、データとしては得られているけれども、発表の方法を変えたのではないでしょうか?

変わった理由について、大洗町のHPには一切記載がありません。今のところ考えられる変更の理由は二つです。

(1)この検出限界の出し方を見る限り、文科省から(茨城県を通じて?)横やりが入ったと予想されます。文科省の発表方法と全く同じ方法ですから。

(2)あるいは、多くの自治体にありがちなのですが、低い数値でも検出された、という結果を出すよりは検出限界をあげて「不検出」にしようという判断をした可能性もあります。でも、原発事故後のこの時代に積極的に情報公開をしている大洗町の姿勢を悪く受け取る人はいないと思います。もしこちらが理由ならば、ぜひとも改めていただきたいと思います。この数値ならば海水浴場にいっても問題はないということを広報することについては、私も微力ながらサポートしたいと思います。

もし大洗町がこのやり方で(今までよりも実質的に情報を制限した公開方法で)今後ずっと発表をしていくならば、これは由々しき問題と思いますので、大洗町には質問する予定です。その返事がどうなるのか、もし返事が来ないならばそれも一つの返事と思いますし、大洗町の考え方を確認しようと思います。この続きはお返事が来たらご紹介する予定です。今までの大洗町の姿勢は私は高く評価していたのですが、今後の情報公開の姿勢によってはその評価も変えないといけないかもしれないと思っています。

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No title

先日は記事内でのレス、ありがとうございました。
こちらのブログは豊富なデータと分析、そして何と言っても管理人さんの正直な感想があるので、とても安心できます。

千葉や東京で署名運動が始まっている中、茨城の人達は全く動きません(守谷を除いて)。
茨城県は農業と漁業で成り立っているので仕方ないんでしょうかね。
大洗のデータも、おそらく海水浴場で働く人達のためにそうなったのですよね。
でも、それを続けていたら子供達を被爆から守ることはできません。
そして、茨城のイメージがますます悪くなるだけだと思います。
県は、まだ気づかないのか!とあきれてしまいます。

プロフィール

TSOKDBA

Author:TSOKDBA
twitterは@tsokdbaです。
3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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