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6/26 昨日の段階での放射能汚染水の解説(テスト結果含む)

 
東京電力のHPには、まだ本日の記者会見の配付資料がアップされていないので、昨日までのデータで書きます。「6/24 汚染水の水位、下がり始める!」の続編です。

昨日の東京電力のHPには、いくつかの情報が掲載されていました。それについて解説します。

(1)25日現在の水位

(2)キュリオンとアレバを合わせた放射性物質除去能力

(3)海水の淡水化試験


(1)25日現在の水位

6/26水位表

HPの記者会見配付資料のデータから、必要なデータを抜き出して、さらに気象庁のHPから近くの浪江町の降水量を記載しました。

1、2号機のタービン建屋、トレンチは、全体で7989m2の床面積の大きな水槽と考えればいいです。
3、4号機のタービン建屋、トレンチは、全体で14870m2の床面積の大きな水槽と考えればいいです。

また、5月末の降雨の際のデータとして、
1、2号機は100mmの降雨で68mm水位が上昇する。
3、4号機は100mmの降雨で52mm水位が上昇する。
ということがわかっています。詳細を知りたい方は「6/19 福島原発の放射能汚染水の全容を紹介します!その2詳細編」を見てください。

また、24日から25日にかけては、2号機のタービン建屋そばのトレンチからは、1号機の復水器と集中廃棄物処理施設のプロセス主建屋(油分分離装置が設置されている建物)に、3号機のタービン建屋からは集中廃棄物処理施設のプロセス主建屋と雑固体廃棄物減容処理建屋に、量がわからないのですが、汚染水が移送されています。

6/26汚染水処理1

これで、計算に必要なデータはほぼ揃ったことになります。一応、1、2号機と3、4号機は地下でつながっていないという想定をしておきます。トレンチの高さは+4000mmがリミットライン、プロセス主建屋では+5100mmがリミットラインと考えられています。

さて、24日から25日までに2号機トレンチでは、25cmの水位低下があったということです。2号機のトレンチの水位を10cm下げようと思うと、7989×0.1m=798.9トンの水が減らないといけません。25cmならば1997トンで約2000トンです。これは、1号機の復水器と集中廃棄物処理施設のプロセス主建屋への移動で約2000トン移動した計算になります。

3号機トレンチでは、12cmの水位低下があったので、12cmの低下には14870×0.12=1784トンの水が減らないといけません。これは、3号機のタービン建屋から集中廃棄物処理施設のプロセス主建屋と雑固体廃棄物減容処理建屋に約1800トンを移動した計算になります。

これについては、移送の水量が公開されていないので、とりあえず信用しておくしかありませんが、これまでの10日間の水位の動きをこのような移送だけで説明できるのか、ちょっと疑問な気もしています(なお、ここでは省略していますが、移送は毎日同じ場所に移送しているわけではありません)。雨が時々降っていますので、その分の水位上昇も考慮しないといけません。本当にこれらの建屋から地下水への漏れ出しがないのか、それによる水位低下の可能性は?ということを本当は検証する必要があります。その検証をしようと思ったのですが、記者会見配付資料には重要なデータ(一日の移送量)が欠けていたので、今日は検証ができませんでした。どこかでその情報を得たら、続きをやってみたいと思います。

今日のところは、3日連続でトレンチの水位が下がっているので、今のところ順調です、とコメントするにとどめておきましょう。
不安な点:
・大雨が降ったら(たとえば一日100mmの雨)、一気にあふれてしまう可能性がまだある。
・今後いつまたトラブルがあって汚染水処理システムが止まるかもしれない。


(2)キュリオンとアレバを合わせた放射性物質除去能力

6/26汚染水処理2

当初、キュリオンは1000倍程度の放射性セシウム除去能力があるというテストデータが出ていたのですが、トラブルがあって調整を続けた結果、現在では30-50倍の除去能力(1/30~1/50)しか出ていないようです。その分、詳細なメカニズムが公開されていないアレバ社の除染装置が、1000倍程度(1/1000)の除去能力を示し、東京電力が当初もくろんでいた1/100000に低下させるという計画は、放射性セシウムについてはほぼ達成されているようです。とはいっても、この結果では、下記のようにまだまだ高濃度の放射能汚染水であることには変わりありません(上の図はBq/cm3なので1000倍しないと通常のBq/Lにならないことに注意)。けれども、処理する前の超高濃度汚染水から考えるとかなり放射能汚染が少なくなっているので、作業員の被ばくの心配も少し減って作業はしやすくなるのではないでしょうか?

処理後の汚染水の放射能濃度:
I-131:1,000,000 Bq/L
Cs-134:32,000 Bq/L
Cs-137:35,000 Bq/L

(3)海水の淡水化試験

6/26汚染水処理3

海水の淡水化のテストも行われました。RO膜(一部の浄水器にもついている、逆浸透膜のことです)を通す前の塩素濃度が13000ppm=1.3%だったのに対し、RO膜処理後は、49ppm=0.0049%に減っています(1ppmとは、1/1,000,000のことです)。処理前は、塩分1.3%ということは、海水の1/2程度の濃度ですね。それが約1/250に塩分濃度が減ったということですので、淡水化はほぼ達成できそうだということでしょう。

以上のような結果を示して、東京電力はなんとかこのままいけそうだと主張しているようです。
実際には、これだけ複雑な装置で、循環して再度炉心に注入することを考えると、下図のように大きな施設です。距離が長いので、水漏れの心配も多くの場所でしないといけません。ですから、フルに稼働して、安定して稼働するようになるまでには、まだまだ波乱があると思います。とはいえ、今のところは、この短期間によくここまで持ってきたとほめてあげてもいいと思います。

なお、前回コメントをいただいた、2500トンの水がどこへ行ったかについては、おそらく下記の図で淡水化装置のところにタンクがあるはずですので、そこに貯められているのだと思います。淡水化装置は、現段階ではRO膜しかありませんが、テストがうまくいったらそのまま炉心へ再注水できるように循環させながら処理した低濃度の汚染水を系外に貯めて少しずつ量を減らす予定です。そして8月以降には蒸発濃縮装置もつけて、本格稼働させる予定のようです。

6/19水処理装置概略図




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これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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