7/8 お茶に関して農水省の情報などの追加
先週末に「7/2 お茶からの放射能(放射性セシウム)検出について最終的なまとめ」を書いて、お茶に関してはまとめてもうこれ以上は書く必要はないと思っていたのですが、その後、栃木県や千葉県で、規制値を超えたりしています。
また、7/4には農水省からも今後の対応策が発表されました。これは、「管理の方針」がまだ示されていないと「7/2 お茶からの放射能(放射性セシウム)検出について最終的なまとめ」で書いてあって内容がやっと出てきたということです。
今日は、最新の状況のフォローを含めてお茶の続きを書きます。
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また、7/4には農水省からも今後の対応策が発表されました。これは、「管理の方針」がまだ示されていないと「7/2 お茶からの放射能(放射性セシウム)検出について最終的なまとめ」で書いてあって内容がやっと出てきたということです。
今日は、最新の状況のフォローを含めてお茶の続きを書きます。
まず、お茶のデータから。
7/1には千葉県の勝浦市で、一番茶の荒茶で2300Bq/kgの放射性セシウムが検出されました。
7/7には栃木県の栃木市で、二番茶の荒茶で1810Bq/kgの放射性セシウムが検出されました。
どちらも、原子力災害対策本部から出荷制限がかかっています。
1810Bq/kgとか2300Bq/kgというのはかなり高いのですが、元の生葉で400Bq/kg程度あったとすれば、荒茶ではそれくらいの数値が出るのは当然かもしれません。この数値をみていると、やはり関東北部は神奈川や静岡よりも汚染が激しかったのだということがよくわかりますね。
続いて、農水省が7/4に発表した「東日本大震災について~お茶に含まれる放射性セシウム濃度の低減に向けた対応について」です。
静岡県島田市にある独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所の協力を得てお茶の樹の中でどの部分に放射性セシウムが多いのかを調べました。
その結果、葉が展開している部分の含有が比較的多く、逆に根の部分の量は極めて少ないことが明らかになりました。

上の図のように(1)お茶の樹の上部、(2)中部、(3)下部、(4)根の部分と分けてそれぞれの放射能を測定しました。その結果、下にあるように、(1)が約38%、(2)も約38%、(3)が約20%で、(4)の根にあたる部分は約3%しかありませんでした。このことからも、当初予想されたように、古い葉に付着して吸収された放射性セシウムが新芽に移行したということが確かめられました。

このようなことから、農水省は下記のような指導をしています。
『(ア)二番茶の荒茶の放射性セシウム濃度が500Bq/kg以下の茶園
この茶園においては、すでに放射性セシウム濃度が生葉、荒茶ともに基準値以下であることから、通常どおりの茶園管理を行ってください。
(イ)二番茶の荒茶の放射性セシウム濃度が500Bq/kg超の茶園
この茶園においては、二番茶の刈取り終了後に、深刈りを行って、茶樹における放射性セシウム濃度の低減を図ってください。
なお、今回の野菜茶業研究所内の茶園における調査結果では、深刈りにより除去される放射性セシウムの量は、茶樹全体の4割程度でありました。より深く剪枝を行う中切りや台切りについては、除去される割合はさらに大きくなるが、二番茶の刈取り後に行うと、樹体が衰弱し葉層の再生が出来なくなり、次年産の生産に支障を来たすおそれがあります。
(ウ)一番茶の摘採後に、深刈り、中切り等を行った茶園
一番茶の摘採後に、すでに、深刈りや中切りの剪枝を行った茶園においては、通常年の深刈り又は中切り後に行う茶園管理を行ってください。 』
ここに書いてあるように、農水省としては深刈りを薦めています。中切りまですると、約8割の放射能を除去できるのですが、来年の一番茶の生産量は平年の70~80%になってしまうので、生産量を落とさなくて、4割の放射能を削減できる深刈りを薦めています。
今回、深刈りとか中切りというものがどういうものか、初めてわかりました。こうやって図で説明してくれると素人にもわかりやすいですね。
台切りまでしないのは理解できますが、栃木市のように、2番茶でも1800Bq/kgの放射性セシウムが検出されたお茶の場合は、中切りくらいはしておいた方がいいと思います。中切りすれば80%の放射能が除去できます。1800Bq/kgの80%減ならば360Bq/kgに減りますが、40%減ならば1080Bq/kgにしかなりません。もちろん、今年の一番茶、二番茶でかなり放射能を出してしまったので、来年は何もしなくてもさらに下がるとは思います。
500Bq/kg以上の場合、と一律にするのではなく、実際にどれくらいの数値が観測されたのか?という視点も必要だと思います。来年になれば、現在の暫定基準値が変わっている可能性はありますが、低い方がいいのに越したことはないので、上記のような計算をしてどこまで刈るのかは考えた方がいいと思います。
7/1には千葉県の勝浦市で、一番茶の荒茶で2300Bq/kgの放射性セシウムが検出されました。
7/7には栃木県の栃木市で、二番茶の荒茶で1810Bq/kgの放射性セシウムが検出されました。
どちらも、原子力災害対策本部から出荷制限がかかっています。
1810Bq/kgとか2300Bq/kgというのはかなり高いのですが、元の生葉で400Bq/kg程度あったとすれば、荒茶ではそれくらいの数値が出るのは当然かもしれません。この数値をみていると、やはり関東北部は神奈川や静岡よりも汚染が激しかったのだということがよくわかりますね。
続いて、農水省が7/4に発表した「東日本大震災について~お茶に含まれる放射性セシウム濃度の低減に向けた対応について」です。
静岡県島田市にある独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 野菜茶業研究所の協力を得てお茶の樹の中でどの部分に放射性セシウムが多いのかを調べました。
その結果、葉が展開している部分の含有が比較的多く、逆に根の部分の量は極めて少ないことが明らかになりました。

上の図のように(1)お茶の樹の上部、(2)中部、(3)下部、(4)根の部分と分けてそれぞれの放射能を測定しました。その結果、下にあるように、(1)が約38%、(2)も約38%、(3)が約20%で、(4)の根にあたる部分は約3%しかありませんでした。このことからも、当初予想されたように、古い葉に付着して吸収された放射性セシウムが新芽に移行したということが確かめられました。

このようなことから、農水省は下記のような指導をしています。
『(ア)二番茶の荒茶の放射性セシウム濃度が500Bq/kg以下の茶園
この茶園においては、すでに放射性セシウム濃度が生葉、荒茶ともに基準値以下であることから、通常どおりの茶園管理を行ってください。
(イ)二番茶の荒茶の放射性セシウム濃度が500Bq/kg超の茶園
この茶園においては、二番茶の刈取り終了後に、深刈りを行って、茶樹における放射性セシウム濃度の低減を図ってください。
なお、今回の野菜茶業研究所内の茶園における調査結果では、深刈りにより除去される放射性セシウムの量は、茶樹全体の4割程度でありました。より深く剪枝を行う中切りや台切りについては、除去される割合はさらに大きくなるが、二番茶の刈取り後に行うと、樹体が衰弱し葉層の再生が出来なくなり、次年産の生産に支障を来たすおそれがあります。
(ウ)一番茶の摘採後に、深刈り、中切り等を行った茶園
一番茶の摘採後に、すでに、深刈りや中切りの剪枝を行った茶園においては、通常年の深刈り又は中切り後に行う茶園管理を行ってください。 』
ここに書いてあるように、農水省としては深刈りを薦めています。中切りまですると、約8割の放射能を除去できるのですが、来年の一番茶の生産量は平年の70~80%になってしまうので、生産量を落とさなくて、4割の放射能を削減できる深刈りを薦めています。
今回、深刈りとか中切りというものがどういうものか、初めてわかりました。こうやって図で説明してくれると素人にもわかりやすいですね。
台切りまでしないのは理解できますが、栃木市のように、2番茶でも1800Bq/kgの放射性セシウムが検出されたお茶の場合は、中切りくらいはしておいた方がいいと思います。中切りすれば80%の放射能が除去できます。1800Bq/kgの80%減ならば360Bq/kgに減りますが、40%減ならば1080Bq/kgにしかなりません。もちろん、今年の一番茶、二番茶でかなり放射能を出してしまったので、来年は何もしなくてもさらに下がるとは思います。
500Bq/kg以上の場合、と一律にするのではなく、実際にどれくらいの数値が観測されたのか?という視点も必要だと思います。来年になれば、現在の暫定基準値が変わっている可能性はありますが、低い方がいいのに越したことはないので、上記のような計算をしてどこまで刈るのかは考えた方がいいと思います。
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