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7/10 魚の放射能汚染 7月上旬の実態のまとめ

昨日の牛肉からの基準値を大幅に超える放射性セシウム検出と、その農場からすでに6月にも牛肉が出荷されていたという事実は我が家でも大きな話題となりました。そして、「食品の放射線検査データ」のサイトで豚肉は?トウモロコシは?トマトは?キュウリは?などとよく食卓に上がる食材の放射能データを確認し、これは大丈夫だね、これは少しは入っているよ、などと確認をしました。

そういえば、魚はどうなったかな?と思って久しぶりに調べてみることにしました。魚の放射能汚染については、勝川先生がいろいろと調べてくれているのでそれを見に行くと、水産庁のデータをダウンロードしてExcelにまとめてくれていることがわかりました。最新のデータまでしっかりと更新してくれています。ありがたくそれをダウンロードして使わせていただくことにしました。

今日ご紹介するのは、「食品の放射線検査データ」と勝川先生がExcelにしてくれたデータ(7/5更新分まで)を用いての解析です。なお、測定日と発表日は1-4日ほど異なるケースが多いのですが、水産庁の発表している表には発表日しかないのでそれを用いています(厚労省のHPをみると測定日までわかるようです)。

この「海洋放射能汚染シリーズ」の元々のタイトルは「海洋放射能汚染で魚を食べても大丈夫か?その○○」でした。今日はまさにこのタイトルがぴったりの内容です。

11/5追記 最新状況については、「11/4 魚の放射能汚染の現状 11月初旬の実態のまとめ」にありますので、そちらもご覧下さい。
(1) ヒラメの放射能汚染の実態

昨日、「7/9 環境省と福島県が海底土の放射性セシウムを発表。最新情報の解説」で海底土の汚染状態をまとめましたが、底魚の汚染状態が気になります。以前、「5/23 ヒラメの放射性セシウムが少しずつ上がってきた!一月後は・・・」でヒラメのデータをご紹介して、「このペースで行くと、あと一月(~二月)もすればいわき市沖で500Bq/kgを超えるヒラメが検出されて、「とうとう海底の魚までが汚染!」という見出しでマスコミが騒ぐでしょう。」と書きましたが、見事に外れてしまいました。まあ、これはうれしい誤算なので大目にみてもらいましょう。

7/10ヒラメ

どうして私が5/23に「あと一月もすればいわき市で500Bq/kgを超えるヒラメが現れる」と書いたのか、その理由は上のグラフを見ていただければわかると思います。7/5までの61検体のデータをプロットしてあります。5/23といえば、グラフで赤い縦線よりも左までのデータしかない時です。このデータだけをみれば、私の予想にも同意していただけると思います。

ところが、現実はその後、まるでその後から何かが変わったかのように傾向が変わってしまいました。上のグラフでは、福島県とそれ以外の県とをデータを分けて表示していますが、福島県では5月中旬をピークに、放射性セシウムは下がり気味であるかのような挙動をしています。

しかし、注目して欲しいのは、青い点の福島以外のデータです。検出限界未満の場合は便宜的に「0」としてグラフでは表現していますが、福島県以外(主に茨城県と一部千葉県、宮城県)のデータで、5/26の宮城県の「検出限界未満」を最後に検出限界未満が一切ないことです。6月以降のヒラメのデータは、福島県で14検体:平均108Bq/kg、福島県以外(茨城県)で8検体:平均34Bq/kg、全体で22検体:平均81Bq/kgです。

つまり、福島県、茨城県のヒラメは、もう確実に30-100Bq/kgの放射性セシウムを含んでいると思って食べる必要があります。

※これを書いたあとで確認したら、7/9の厚労省発表にはヒラメで可食部5.4Bq/kg、内臓部38Bq/kgというデータが発表されていました。可食部の放射性セシウムは少ないですね。念のため付け加えておきます。

(2) ヒラメの放射能汚染の実態

続いて、底魚の中でデータ数が多い魚としてマコガレイを調べてみました。マコガレイはデータ数が36あります。マコガレイも、福島県とそれ以外で大きくデータの傾向が異なるので、色を分けてあります。福島県のマコガレイは、ヒラメと同様、6月になって放射性セシウムの減少傾向がみられます。一方、福島県以外は、ヒラメと同様に6月以降は検出限界未満がなくなってしまっています。6検体平均で16Bq/kgです。ヒラメよりはやや低いですが、もうマコガレイも必ず放射性セシウムが含まれているということです。

7/10マコガレイ

(3) 底魚の放射能汚染の実態

ヒラメ、マコガレイがほぼ同様の傾向だったので、いわゆる底魚の全体の傾向を調べてみました。茨城県のHPには、どんな魚がどういう場所にいるかという分類がしてありますので、その分類に従ってみました。

『浅い海底に生息する魚介類(17種類)
アイナメ、アカエイ、アカシタビラメ、アナゴ、エゾイソアイナメ(ドンコ)、イシガレイ、サルエビ、ツマリカスベ(エイの1種、サボミヤ)、ババガレイ(ナメタガレイ)、ヒラツメガニ、ヒラメ、ヌマガレイ、ホウボウ、マガレイ、マコガレイ、マゴチ、メイタガレイ』 茨城県HPより

水産庁のデータから、上の17種類のデータを抜き出し、これまでと同様にプロットしてみました。福島県とそれ以外とでは数値のレンジが大きく異なるので、福島県は赤い点でプロットして左側の目盛りで、福島以外は青い点でプロットして右側の目盛りで読めるようにしてあります。目盛りが20倍違いますので、赤と青は比較できないことに注意してください。

7/10底魚

福島県のデータで、基準値を超える高い数値が出ているのはアイナメとエゾイソアイナメです。それを除くと、58検体で約153Bq/kgです。ヒラメやマコガレイのように6月になって下がっているような傾向はありません。

続いて福島県以外のデータです。青い点をみていただきたいと思います。目盛りは右側なのです。5月中旬にヒラメが50-90Bq/kgで高めに出たのを除くと、全体的に6月になってから上昇傾向にあるのがわかると思います。この上昇が、海底土で放射性セシウムの汚染が南側に移動している事と関係するのかどうか、このあたりはまだ不明です。

底魚全体としても、ヒラメやマコガレイのように、6月に入ってから放射性セシウムのデータが少しずつ上昇していることがデータで確かめられました。ただし、その値はまだ大騒ぎするレベルではありません。

(4) マイワシの放射能汚染の実態

底魚は終わったので、「食品の放射線検査データ」でデータ数の多い魚についていくつか調べてみました。まずはマイワシです。

マイワシの場合、茨城県、千葉県と神奈川県の3県が測定していますが、海流の流れや距離から考えて神奈川県と茨城県、千葉県は別に扱うべきと考えたので色を分けました。その結果、神奈川県のマイワシはまだ検出限界未満もありますが、茨城県、千葉県のマイワシは少なくても5Bq/kg、25検体の平均で12Bq/kgが検出され、6月に入ってからは少しずつ上昇傾向にあることがわかりました。

7/10マイワシ

(5) カタクチイワシの放射能汚染の実態

カタクチイワシは、茨城県と千葉県、神奈川県の3県で測定しています。比較的高めの数値が出た茨城県と、千葉県、神奈川県の色を分けてみました。

茨城県は全て20Bq/kgかそれ以上の放射性セシウムが検出されています。そそて千葉県、神奈川県でも5月中旬以降は、7検体で約20Bq/kgの放射性セシウムが検出されています。カタクチイワシも今では20Bq/kg程度の放射性セシウムが含まれているものと思って食べた方がよいということがわかります。

7/10カタクチイワシ

(6) シラスの放射能汚染の実態

シラスは福島県と茨城県が主で、神奈川県と千葉県が一部測定しています。福島県とそれ以外を色分けしました。

福島県以外はほとんどが検出限界未満ですが、6月始めまでしかデータがありません。福島県では6月以降も測定されていますが、ヒラメやマコガレイでみられたように、5月中旬をピークに下がりつつあるように見えます。

福島県の魚は、なぜ5月中旬をピークに6月に入って放射性セシウムの濃度が低下傾向にあるように見えるのでしょうか?これはおそらく、5月に測定された魚のデータが、4月のかなり高濃度(沖合15kmでも海水の放射性セシウムは100Bq/kg以上でした)に汚染された海水を泳いでいた魚を測定していたためと思います。

5月以降は海水の汚染が徐々に薄まりながら海流に乗って拡散して行ったため、海水の放射性セシウム濃度は20Bq/kg以下に落ち着いていきました。従って、福島県の魚の放射性セシウムについては、このままいったん下がると思います。その後また徐々に上昇する(6ヶ月後にピークが来るとされているので)かどうかはわかりません。おそらく、今後は下がりながらあるところで下げ止まり、数ヶ月後に最終的に下がっていくというパターンではないでしょうか?

一方で福島県以外の魚は、福島県のような4月の海水の放射能汚染のピークがなく、徐々に海水や海底土の汚染が広がっているため、6月になってから徐々に放射性セシウムが上がってきているのだと思います。

7/10シラス

(7) マアジの放射能汚染の実態

マアジについては、ほとんどが検出限界未満なのに、6月中旬以降に福島県と茨城県で2検体200Bq/kgを超える放射性セシウムが検出されているため、今後は注意が必要です。たまに高いアジがいるのかもしれません。アジなんかよく食べるのに、放射性セシウム含量の高いアジに当たりたくないです。

7/10マアジ

(8) カツオの放射能汚染の実態

最後はカツオです。カツオについてはほとんどが検出限界未満なので、当面は問題ないと思われます。

7/10カツオ

(9) 7月上旬の魚の放射能汚染の実態まとめ

さて、長々と分析してきましたので、最後にまとめをしておきましょう。「食品の放射線検査データ」でデータ数が多い魚のいくつかについて、データの傾向を分析しました。その結果わかったことは、以下の通りです。

・全体として、6月以降は多くの検体で放射性セシウムが検出されるようになり、少しずつその濃度が上がってきている傾向にある。

・底魚について(福島県、茨城県、千葉県、宮城県):現在では、ヒラメでは30Bq/kg程度、マコガレイは16Bq/kg程度の放射性セシウムを含んでいるものと考えておいた方がよい。それ以外の底魚も少ない(10-20Bq/kg)ながらも放射性セシウムが入っているという前提で食べた方がよい。

・マイワシ、カタクチイワシ(茨城県、千葉県):6月以降は10-20Bq/kg程度の放射性セシウムが検出されるようになった。神奈川県のマイワシは今のところ大丈夫。

・マアジのように、ほとんどが検出限界未満なのに、たまに200Bq/kgを超える放射性セシウムが検出される魚は今後要注意である。

・カツオのような遠距離を回遊する魚は今のところ問題なさそうである。


また1-2ヶ月経ったら、比較のためにも分析してみたいと思います。なお、元のデータの場所は示してありますので、Excelでグラフさえ書ければ、私が行ったような分析は誰にでもできるということはお伝えしておきます。

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ありがとうございます

知識のない私にも はっきりとした数値がでてるので とてもわかりやすく読ませていただきました。 常に口にする食べ物の不安といったら計り知れないものがあります。これからも参考にさせていただき 冷静な対応をしていきたいと思っております。

プロフィール

TSOKDBA

Author:TSOKDBA
twitterは@tsokdbaです。
3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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