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7/14 相馬港、小名浜港の海水1Bq/kgをどう解釈するか:海から?川から?

 
昨日、コンタンさん(右側のおすすめリンクからいけます)から宿題をもらってしまいました。

『相馬港及び小名浜港内の海水中の放射線量
http://bit.ly/kRYoM0

これは、どう解釈されますか?
陸地や川から来たものでしょうかね…?』


なかなか興味深い宿題なので、コメントに対する返答ではなく、一つの記事にさせてもらいます。

福島県の港湾課のHPには、小名浜港と相馬港の海水の放射能データが出ています。また、港湾のデータへのリンク集は国土交通省のHPにあります。

さて、今回は、小名浜港と相馬港の港湾内の放射能のデータをどう解釈するか?ということです。もっと具体的にいうと、
(1)原発事故で流れ出した海からの汚染なのか
(2)雨や下水処理場、浄水処理場など様々なルートを経て川に流れ込んだものが海に注ぎ込んだのか?

どちらなのか?ということです。

まずは実際のデータをみてみましょう。

7/14小名浜港データ1

これは福島県の測定なので、東京電力や文科省の測定よりも検出感度が高いです。従って、Cs-134やCs-137でも1Bq/L程度の放射能を検出できています。検出限界を記載していませんが、約1Bq/Lだと思います。まずこの検出感度が東京電力や文科省の測定とは大きく異なるため、両者の単純な比較をできないことにご注意下さい。このブログを前から読んで来られた方はわかると思いますが、私が主張しているのはまさにこの感度での測定をして欲しいということなのです。現在、東京電力がほとんどの海水データをND(不検出)としていますが、場所によっては1-3Bq/L程度の放射性セシウムはあると私は考えています。

では、その場所です。福島県港湾課のHPに地図が載っているのですが、Google Mapと照らし合わせて場所を特定しました。河川からの影響を考えるためには、近くに川があるかどうかを調べる必要があるからです。

小名浜港です。小名浜港は原発よりもずっと南にあります。小名浜港で海水のデータを測定しているのは4号ふ頭と大剣ふ頭ですが、大剣ふ頭は藤原川の河口近くであるということがわかります。ですから、川から流入してくる放射性セシウムが検出されているならば、大剣ふ頭の方が4号ふ頭よりも少し高いとか、何か違いがあってもいいと予想できます。

7/14小名浜港の図1


相馬港です。相馬港は原発よりもずっと北にあります。ここには小泉川と宇田川という二つの川が流れ込んでいますが、海水の測定場所は2号ふ頭で河口からはかなり離れているので、川の影響というよりも海の影響の方が大きいのではないかと予想できます。

7/14相馬港の図1

念のため、相馬港と小名浜港、原発の位置関係も再度示しておきます。小名浜港の近くの海水データとしては、小名浜沖合3kmという地点、相馬港の近くの海水データとしては相馬沖合3kmという地点があります。ただし、どちらも途中で追加された地点で、東京電力の検出限界ではほとんどNDです。ただ、私は福島県が同じサンプルを測定したら、おそらく1-3Bq/L程度の数値は検出できていると思っています。

7/14小名浜と相馬の位置

小名浜港に比較的近いサンプリング地点としては、先ほどの小名浜沖合3km以外に、江名沖合3km、沼の内沖合3km、夏井川沖合3km、豊間沖合3kmの5つの地点があります。上の図でいうと17-21に当たります。

このあたりのデータをわかりやすくまとめて示すことが時間の関係でできないのですが、これまでのデータを見る限り、5月末まではこの5地点の付近は10Bq/kg近くのCs-137が検出されています。検出限界が10Bq/L程度なので、NDとなっていても次の日に8.3Bq/Lと出たのであれば、その日のNDは0(ゼロ)ではなく8Bq/L前後であったと考えるべきだと思います。

5月下旬の小名浜港のデータが測定されていないのでわかりませんが、おそらく5月下旬に福島県が測定していたら10Bq/L近くのCs-137が検出されていたと思います。

6月になって海水の放射性セシウムの量は全体的に減ってきています。福島第二原発よりも7km近く南の岩沢海岸付近の沿岸データをみても、Cs-137が5月下旬には50Bq/Lだったのが、6月下旬から7月上旬には5Bq/L程度に減っています。おおざっぱにいって1/10の減少です。

この単純計算からしても、6月下旬の小名浜港は、10Bq/Lの1/10で、1Bq/L程度の放射性セシウムが検出されても不思議ではないと私は考えます。

そういう視点で小名浜港のデータを見ると、大剣ふ頭も4号ふ頭も1Bq/L程度です。川の影響があるとすると、大剣ふ頭の方が4号ふ頭よりも若干高めに出ると思ったのですが、特にそのような傾向はなさそうです。

以上のことから、私は小名浜港の海水データは海からの汚染であると考えます。ただし、川からの流入など、陸地からの汚染の可能性を否定するものではありません。

小名浜港の観測を今後も続けていただいて、大剣ふ頭と4号ふ頭とで何か数値に違いが出てくるようだと、川からの流入を示唆するデータになるのではないかと考えます。


一方、相馬港ですが、実は原発の北側の海域はデータがあまりありません。海底土の汚染データをみて初めて北側にも汚染が広がっていることが確認できましたが、相馬港近辺についてはNDになる前の5月のデータがほとんどないので小名浜港と同様の解析を行うことができません。少し距離は離れていますが、原町沖合3km、小高沖合3km、小高沖合8km(上の図で11、12、15です)のデータをみてみると、5月下旬はNDが多く、検出される時は10-20Bq/Lでした。そういう意味では小名浜港周辺と同程度かやや少なめの放射性セシウムがあったという推測はできます。

そうすると6月下旬の相馬港は、非常にラフな予想を敢えてすると、小名浜港と同程度かやや少ない数値が予想されるのですが、実際のデータは小名浜港よりも少し高めです。なので、これをどう評価するかは難しいのですが、相馬港も海洋からの汚染が大きいと思います。

今日は時間がなくてチェックしていないのですが、福島県は河川の汚染状態を調べて公表しています。小泉側や宇田川の上流の川底の汚染状態などがわかっていれば、川からの汚染の寄与も予想できるかもしれません。


というわけで、

(1)原発事故で流れ出した海からの汚染なのか
(2)雨や下水処理場、浄水処理場など様々なルートを経て川に流れ込んだものが海に注ぎ込んだのか?

という問いに対して、私の予想は(1)の寄与が大きいとみます。(2)はあってもそれほど多くないと思います。これをもっと調べるには、東京電力や文科省が行っている海水の観測を、全て福島県と同レベルの検出限界にすることが必要です。

というか、海水の測定は全て福島県の装置で行い(こちらの方が感度がよいから)、牛肉の測定のようにラフでよい測定を東京電力や文科省の装置で行った方が、意味のあるデータが出てくると思います。

コンタンさん、私の考えは以上です。何かコンタンさんのご意見があればぜひコメントにでも残していってください。

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コメント

No title

ていねいな説明ありがとうございます。
海からの汚染と推定してもおかしくない、ということですね。

環境省のモニタリング
によれば、相馬港の近くに流入する3つの川の底質のセシウム濃度は
  地蔵川 4,300 Bq/kg
  小泉川 1,360 Bq/kg
  宇田川 99 Bq/kg
また、小名浜港に直接流入する藤原川では、
  藤原川 1,390 Bq/kg
です。(但し河川水は、すべてND: 検出限界10 Bq/L)

まぁ、これらの小河川は、流量も少ないので、川からの汚染による影響も
少ないと思うのですが、気になるのは、もっと大きな河川のことです。

6/4に、文科省J1ポイントの海底(水深48m)の底質のセシウム濃度が、
450 Bq/kg にやや上昇しました。

これは、那珂川、久慈川という大きな川の影響かもしれないと疑っています。

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Author:TSOKDBA
twitterは@tsokdbaです。
3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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