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7/26 NHKニュースオンラインの報道とスクリーン海水の実態

 
NHKニュースオンラインで、先週23日には沿岸の海水の放射性セシウムの濃度が4日続けて上昇したと報道されました。実はこのサイトでは、福島第一原発付近の沿岸の放射能濃度についてのニュースは毎日のように報道されています。

毎日、新しい数値を入れて、微妙に表現を変えながら記載してあるのですが、この書き方を読むと、何か起こっているのでは?と誤解すると思いました。

どんな報道があって、実態はどうなのかを確認してみましょう。ついでに「7/13 海洋汚染防止のための東京電力の新たな施策を解説します」からの進捗も少し解説します。


NHKオンラインのサイトは、一週間たつと記事が消えてしまう(あるいはアーカイブに移行してしまう)ようなので、リンクが切れる前に23日夜の記事をそのまま引用します。

『東京電力が福島第一原子力発電所周辺で行っている海水の調査結果です。21日に採取した海水の放射性物質の濃度に大きな変動はありませんが、最も高い値を示した3号機の取水口付近のセシウム134は4日続けて上昇し、基準の30倍となっています

福島第一原発周辺では、東京電力が、原発の取水口付近のほか沿岸や沖合で海水を採取し、放射性物質の濃度を調べています。21日に3号機の取水口付近で採取した海水からは、1cc当たりでセシウム134が国の基準の30倍に当たる1.8ベクレル、セシウム137が基準の22倍に当たる2ベクレル検出され、いずれも4日続けて上昇しました。この場所では、5月に高濃度の汚染水が流れ込み、直後に国の基準の2万倍に当たるセシウム134が検出されましたが、その後、値は減少傾向が続いています。一方、4月に基準の750万倍の濃度が検出された2号機の取水口付近の海水のヨウ素131は、20日まで5日連続で検出されませんでしたが、21日は基準を下回る1cc当たり0.031ベクレルでした。また、沿岸の2か所で行った調査では、いずれの場所でも放射性セシウムが検出されましたが、基準は下回っていました。東京電力は「海の荒れが落ち着いてきて数値は横ばいになりつつある。今後も引き続き調査していく」としています。』

いつも思うのですが、「基準値の何倍」という表現はわかりにくいので、実際の数値を書いて欲しいです。そうでないと、基準値の30倍にもなったのはすごいことが起こっているのか?しかも4日続けて上昇しているとなると、また新たな放射能が海へ流出か?と早とちりする人が続出すると思います。

また、東京電力の発表はBq/Lで記載してあるのに、わざわざわかりにくい「1ccあたり」という表現に直して見かけ上の数値を下げるという細かい技まで使っています(1800Bq/Lと書くのと、1.8Bq/cm3=1.8Bq/ccと書くのでは印象が違いますよね)。

もちろん、法令上は1cm3あたり何Bq以下でないといけないという基準があるので、その表現にあわせているのですが、一般にBq/LやBq/kgが使われるようになっているのにわざわざ1000倍しないとわからないような単位に変換して報道するというのはわざとわかりにくくしているとしか思えません。

結局、上の文章は最初のパラグラフの赤字の部分が伝えたいことなのだと思います。後半のパラグラフは普通の人には数字の羅列でわけがわからないです。

この一連のニュース、19日から24日まで毎日同じような文章で書かれていましたので、特に出だしのパラグラフを比較してみてみましょう。


3号機取水口付近 前日上回る」7月19日 22時36分 (すいません、もうリンク切れです)
『18日採取した海水の放射性物質の濃度に大きな変動はありませんが、最も高い値を示した3号機の取水口付近のセシウム134は前の日を上回り、基準の6.8倍となっています。』

海水の放射性物質 前日上回る」7月20日 21時10分
『19日に採取した海水の放射性物質の濃度に大きな変動はありませんが、最も高い値を示した3号機の取水口付近のセシウム134は、前の日を上回り、基準の17倍となっています。』

海水の放射性物質 一部で上昇」7月21日 20時45分
『20日、採取した海水の放射性物質の濃度に大きな変動はありませんが、最も高い値を示した3号機の取水口付近のセシウム134は3日続けて上昇し基準の22倍となっています。』

3号機取水口付近 濃度が上昇」7月22日 23時49分
『21日に採取した海水の放射性物質の濃度に大きな変動はありませんが、最も高い値を示した3号機の取水口付近のセシウム134は4日続けて上昇し、基準の30倍となっています。』

海水 濃度に大きな変動なし」23日21時32分
『22日に採取した海水の放射性物質の濃度に大きな変動はありませんが、最も高い値を示した3号機の取水口付近のセシウム134は、前の日をやや下回り、基準の27倍となっています。』

3号機取水口付近濃度 最低に」7月24日 20時24分
『23日採取した海水の放射性物質の濃度に大きな変動はなく、3号機の取水口付近のセシウム134は調査を始めてから最も低い基準の2.7倍となっています。』

これを見てくると、23日には何とか収まったものの、22日まではなにか起こっていたのだろうか?と想像させてしまいます。でも、それに対する解説は一切ありません。海が荒れたからではないか?という東京電力の見解をそのまま乗せているだけです。

では、この4日間連続で上昇して基準の30倍という数値が実際はどれくらいなのか、データでお示しします。Cs-134ではなく、Cs-137でグラフを書きました。Cs-134もほぼ同様の動きです。

その前に、この話の前段階の解説を簡単にしておきます。そうでないと、何お話なのかわからない人がいるでしょうから。3号機というのは、5/11にタービン建屋の地下からトレンチを通じて高濃度の汚染水が海に流出してしまい、3号機のスクリーンと呼ばれる取水口の近くに高濃度の汚染水が流出したところです。その後、一ヶ月ほど経って、当初の120万Bq/Lが、5月末には10000Bq/Lを切るようになり、6月下旬には1000Bq/Lを切ることもあるようになりました。

海に続いているとはいえ、港湾の中なので、シルトフェンスというもので囲って放射性物質が流れ出にくくしたり、ゼオライトというセシウムを吸着しやすいものを含む土嚢をシルトフェンスの外側の海に大量に投げ込んでセシウムを吸着させようとしたりした成果があったのか、あるいは徐々に海に拡散していったのか、実態は明らかではありませんが、少しずつ減ってきています。このあたりの話は「7/13 海洋汚染防止のための東京電力の新たな施策を解説します」や、もっと前の話は「5/22 3号機からの汚染水流出の東京電力の保安院への報告書を解説!」に書いてありますので、興味のある方はぜひお読みください。おそらくこのあたりの詳しい解説は他では読めないと思います。

さて、3号機のスクリーン海水の変動のグラフです。シルトフェンスの内側(薄い緑)と外側(赤)のデータが毎日発表されていますので、それをグラフにしました。念のため、降水量を青で示しました。当然のことながら、シルトフェンスの外側の方が数値は少なくなっています。これはシルトフェンスの効果です。

3号機スクリーン海水グラフ1

緑の線をみてびっくりしたと思いますが、6/1には8000Bq/Lで上に振り切れていたCs-137が、一度1000Bq/L程度まで落ちた後、なんども上昇しては降下し、という変動を繰り返しています。決して7月19-23日の変動が珍しいわけではありません。東京電力は海が荒れたから(このときは確かに台風6号が来ていて、雨もけっこう降りました)という説明をしていたようですが、雨が降っていないときにもこれくらいの変動は繰り返しているのです。

また、「7/13 海洋汚染防止のための東京電力の新たな施策を解説します」でもあったように7/11頃から鋼管矢板による閉塞工事のため、作業船を港湾内に入れていますので、それによる変動の可能性も考えられます。

なぜこのような変動をするのか、その理由は私にもわかりません。一つの可能性として、まだわからない経路で微量に海に漏れ出している可能性もないとは完全には否定できません。そうは信じたくありませんが、不思議な挙動です。

3号機のスクリーン海水に変動があると報道するならば、それは今までなかったのに突然起こった珍しいことなのか、あるいはこれまでもあった普通のことなのか、ということくらいは判断した上で報道すべきです。東京電力が発表した数値と、上昇しているということだけで、いかにも何かあったような書き方をするのはやめて欲しいです。

このブログの読者の皆さんには、スクリーン海水の放射能の変動がどうなっているのか真実を知ってもらいたいと思います。7月に入ってからは、このように時々上昇しては数日経つと下がるということを繰り返していますが、全体的な傾向としては1000Bq/L以下にまで下がってきて落ち着いてきています。このまま新たな流出さえなければ、いずれはさらに下がることと思います。

もっと下がってくれれば、これまで見えなかった、地下水からの汚染水の流出があるのかどうか、というようなことも見えるようになってくると思います。今のデータでは、数値がまだ高すぎて、微量の流出が続いているのかどうかを判断することはできません。

以前「6/27 ついに解明!サブドレン放射能汚染水の変動の秘密 雨が降ると増大ということは・・・」でも書きましたが、雨が降るとサブドレンの放射性セシウムの濃度が上がるという傾向はまだ続いています。ただ、これが海に流れているのかどうなのかについては、現在の高いスクリーン海水のセシウム濃度ではわかりません。これについても、いずれ機会を改めて書きたいと思っています。

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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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