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7/30 厚労省から、牛肉のセシウムのスクリーニング方法が発表になりました!

 
厚労省は、7/29に都道府県に対して牛肉中のセシウムの測定方法について方針と方法を通知しました。

簡単に言ってしまうと、全頭検査を行って欲しいといういう要望に応えるため、これまでのゲルマニウム検出器を用いたしっかりとした測定法を行う前に、一次スクリーニングとして別の簡便な方法を用いて検体数をこなすという方法を導入するということです。

これにより、全頭検査に向けてかなりの数の牛肉をチェックできるようになると思います。

簡単にポイントを解説します。


まず、「スクリーニング」という言葉ですが、ご存じない方もいるかと思うので解説しておきます。実は私も学生の時にこの言葉に出会って、スクリーンって映画のスクリーンとかのように画面のことをいうんじゃないの?と疑問に思い、辞書を引いた経験があるので、きっと同じ「?」を持っている方もいるだろうと思っての解説です。紫外線よけのサンスクリーン(日よけ)しか知らない人もたぶん同じ疑問を持っていることでしょう。

screenという英単語にはいくつか意味があって、名詞として仕切りとか遮蔽とかふるい、という意味があります。そこから意味が転じて、動詞として仕切る、隠す、という意味以外に「ふるいにかける」も出てきたのです。紫外線よけのサンスクリーンは隠す、覆うという意味ですが、スクリーニングといったら、たいていはこの「ふるいにかける」という意味で使います。

さて本題に戻ります。多数の検体を全てゲルマニウム検出器で測定することは台数不足のため、実質的に不可能です。そこで、第一次選別として、簡便法で250Bq/kg以下であるかどうかを測定して「ふるいにかける」のです。そこで250Bq/kg以下であると判定されたらその検体についてはそこで測定終了。出荷OKとなります。もし250Bq/kg以上の可能性があると判断された場合はこれまで通りのゲルマニウム検出器を用いて測定を行います。

7/30牛肉検査法

ここでいう簡易測定機器というものは、例えばとして例示がありましたが、「NaI(Tl) シンチレーションスペクトロメータ」や「NaI(Tl)シンチレーションサーベイメータ」を使う方法です。

ゲルマニウム検出器とNaI(Tl) シンチレーションスペクトロメータ」や「NaI(Tl)シンチレーションサーベイメータ」の違いをうまく説明するのは難しいので、農水省が出している比較表を引用します。これによると、これまで測定法として記載されていない方法ですが、1検体あたりにかかる時間が短くて済み、感度もそれほど悪くありません。Cs-134とCs-137の区別はできませんが、すべてCs-137だとして計算すれば実際よりも高めに数値が出るため、実質的には問題がないという判断を厚労省はしています。

7/30NaI測定法比較

同じ農水省の資料からそれぞれの機器がどんなものかというイメージ図です。

7/30NaI比較2


これで概略の説明は終わりですが、これまでの方法との比較をしておきましょう。


新たにNaIシンチレーションスペクトロメータを用いる方法で、メリットは次の通りです。

(1)迅速に測定ができるようになるため、全体としての測定スピードが大幅にアップし、全頭検査も可能になる可能性が高い。
・これまでのゲルマニウム検出器は台数が少なかったのですが、新たに認められたNaIシンチレーションスペクトロメータやNaI(Tl)シンチレーションサーベイメータは台数が多いのでこれまでよりも処理できる数が増える。
・1検体当たりにかかる時間が1/4程度になるため、さらに多く処理ができる。

消費者の不安から全頭検査を求められているため、それに対応するためには、簡便法による篩い分けを入れるのは有効な方法だと思います。

(2)セシウム濃度の高い牛肉については、従来通りのゲルマニウム検出器での測定ができるため、暫定基準値に近い高濃度の牛肉サンプルはしっかりと測定できる。

簡易測定機器によるスクリーニングで、感度がそれほど高くないために高濃度の牛肉を見落とすことがないように、250Bq/kgと暫定基準値の半分の数値設定をしています。これにより、多少の測定誤差があっても暫定基準値を超えるような牛肉を見落とす可能性はほとんどないと言えると思います。

一方、デメリットは次の通りです。

(1)250Bq/kgを超えるような高濃度の牛肉はしっかりと数値が出るが、簡易測定機器で250Bq/kgと測定された牛肉については、正確な値がわからない可能性がある。
・これまではしっかりと数値を出してくれていたので、100Bq/kgとか200Bq/kgとかわかりました。しかし、今後は簡易測定機器による測定によって250Bq/kg以下であるということしか表示されない可能性があります。簡易測定なので、そもそも正確な数値を出すことは不可能であり、これはこの方法を取り入れる限り避けては通れないデメリットです。

つまり、今回は全頭検査をして欲しいという要求を満たすため、以下の方法を選択したということです。

1.一次スクリーニングを導入し、濃度が低い牛肉の正確な数値を出すことはあきらめた。

2.一次スクリーニングとして簡易測定機器による測定法を導入したため、処理できるサンプル数が大幅に上昇した。全頭検査も可能になる可能性がある(可能性があるとしか書かなかったのは、これでによって何倍に検査能力が上がるのか私はその数字を知らないからです)。

3.高濃度の牛肉サンプルだけをしっかりと測定して、暫定基準値を超えるかどうかぎりぎりの牛肉の測定をしっかりとできるようにした。


国民からの要望が全頭検査であったため、この選択は妥当なものであると思います。その代わりに、今までだったら30Bq/kgあるということもわかったのですが、今後は、このような低めのセシウムしか入っていない牛肉についてはどのような表示がされるかわかりません。「250Bq/kg以下です」という表示しかされない可能性もあります。あるいは、検出限界(これまでよりも検出限界値は上がって感度は落ちるはずです)以下という表示しかされないと思います。

まあ、これは現段階では仕方のないこととあきらめるしかないと思います。高感度のゲルマニウム検出器をもっと大量に国の予算で購入するようにさせて、体制が整えば全頭検査をゲルマニウム検出器で行うこともできるかもしれませんが、来年になればおそらく牛肉に関しては落ち着いていることと思います。今回のこの牛肉問題をクリアするためには仕方のない妥協策といえると思います。

中には、暫定基準値以下といっても、暫定基準値が甘いのだから、牛肉の中にいく入っているのか正しい数値を知りたい、という方もいると思います。でもこれは今回はかなえられそうにありません。簡易測定機器による測定でOKとなった場合の牛肉の表示方法が気になりますが、厚労省が要求しているのは検出限界値が50Bq/kg以下であることなので、おそらく検出限界値は上がる(感度は下がる)と思います。これまでと同じNDと表示されても、その持つ意味は違ってくるということを理解しておく必要があります。




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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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