8/1 集中廃棄物処理施設で見つかった700トンの汚染水について
YOMIURI ONLINEによれば、東京電力は本日、サイトバンカ建屋にあらたに高濃度汚染水が700トン見つかったと発表したそうです。
同時に、その水はどこから来たかということについて、主プロセス建屋から来たのではないか?という推論を出しています。理由は、放射性セシウムの濃度がCs-134で19,000,000Bq/L、Cs-137で22,000,000Bq/Lと、プロセス主建屋の約1/100だからということです。プロセス主建屋ではCs-137で1,700,000,000Bq/Lですので、確かに元の1/100程度です。
ここではこの解説をします。
まず、プロセス主建屋とかサイトバンカ建屋といってもわかる人はほとんどいないでしょうからそこから解説を始めます。汚染水処理の全体像をつかみたい方はぜひ「6/19 福島原発の放射能汚染水の全容を紹介します!その2詳細編」を読んでみてください。
これらは、集中廃棄物処理施設と呼ばれる、4号機の南側に設置されている建物群なのです。下の図で、左が北、上が東で海です。

ここに書いてあるように、集中廃棄物処理建屋の中には、プロセス主建屋とサイトバンカー建屋が隣接しています。そして、6月まではこの二つはホースでつないであったということです。具体的には、今日発表された下の図のように二つの建屋の地下部分は、ホースを介してつながっていたのです。

サイトバンカー建屋の水位についてはこれまで一度も報告書に出てきていません。プロセス主建屋の水位は、毎日記者会見配布資料で報告されています。そして、その水位は2号機、3号機の目標水位をOP4000mm(OPとは海抜と考えてかまいません)に設定しているのとは異なり、OP5100mm以下で運用すると6/8のプレスリリースには書いてあります。ただ、先週の大雨などでプロセス主建屋の水位はOP5100を超えてしまい、7/29には一時的にタービン建屋からの移送をストップしました。
上の図を見る限り、サイトバンカー建屋の水位はOP4000mm程度でしょう。一方、プロセス主建屋の方はOP5100を超える位の水位が続いていました(8/1でOP5280)ので、1m近く高低差があった可能性があります。それが、ホースを伝って水がサイフォンの原理で流れていったのではないでしょうか?
私はプロセス主建屋の目標水位はOP5100mmだと思っていたので、なぜOP5100mmを超えても東京電力がそれに言及しないのかわからないのですが、6/8の資料にもOP5610でも大丈夫と書いてあるので、それで特に説明していないのか、マスコミが単に伝えていないのかわかりません。でも、7/29にあふれる可能性が出てきたといってプロセス主建屋への移送を中断したので、やはりOP5100mmを超えるのは望ましくないということがわかります。ただ、ここの水位は移送を止めることによってコントロールできますので、トレンチとは違います。
また、ついでなので、汚染水処理システムにおいて(前からアナウンスがあったように)8月になったので淡水化処理装置が追加されたことをご紹介しておきます。東芝のセシウム処理施設であるSARRYも加わり、ようやく本来目指していた形に近づいてきました。

マスコミは稼働率が50%程度で低いということを問題にしていますが、こんな複雑なシステムを2ヶ月の突貫工事で組み上げたのですから、当初から順調に稼働できたら神業だと思います。とにかくこれが順調に動いてくれないことには、タービン建屋や原子炉建屋の中に入れないので、見守っていくしかないと思います。
これらは、集中廃棄物処理施設と呼ばれる、4号機の南側に設置されている建物群なのです。下の図で、左が北、上が東で海です。

ここに書いてあるように、集中廃棄物処理建屋の中には、プロセス主建屋とサイトバンカー建屋が隣接しています。そして、6月まではこの二つはホースでつないであったということです。具体的には、今日発表された下の図のように二つの建屋の地下部分は、ホースを介してつながっていたのです。

サイトバンカー建屋の水位についてはこれまで一度も報告書に出てきていません。プロセス主建屋の水位は、毎日記者会見配布資料で報告されています。そして、その水位は2号機、3号機の目標水位をOP4000mm(OPとは海抜と考えてかまいません)に設定しているのとは異なり、OP5100mm以下で運用すると6/8のプレスリリースには書いてあります。ただ、先週の大雨などでプロセス主建屋の水位はOP5100を超えてしまい、7/29には一時的にタービン建屋からの移送をストップしました。
上の図を見る限り、サイトバンカー建屋の水位はOP4000mm程度でしょう。一方、プロセス主建屋の方はOP5100を超える位の水位が続いていました(8/1でOP5280)ので、1m近く高低差があった可能性があります。それが、ホースを伝って水がサイフォンの原理で流れていったのではないでしょうか?
私はプロセス主建屋の目標水位はOP5100mmだと思っていたので、なぜOP5100mmを超えても東京電力がそれに言及しないのかわからないのですが、6/8の資料にもOP5610でも大丈夫と書いてあるので、それで特に説明していないのか、マスコミが単に伝えていないのかわかりません。でも、7/29にあふれる可能性が出てきたといってプロセス主建屋への移送を中断したので、やはりOP5100mmを超えるのは望ましくないということがわかります。ただ、ここの水位は移送を止めることによってコントロールできますので、トレンチとは違います。
また、ついでなので、汚染水処理システムにおいて(前からアナウンスがあったように)8月になったので淡水化処理装置が追加されたことをご紹介しておきます。東芝のセシウム処理施設であるSARRYも加わり、ようやく本来目指していた形に近づいてきました。

マスコミは稼働率が50%程度で低いということを問題にしていますが、こんな複雑なシステムを2ヶ月の突貫工事で組み上げたのですから、当初から順調に稼働できたら神業だと思います。とにかくこれが順調に動いてくれないことには、タービン建屋や原子炉建屋の中に入れないので、見守っていくしかないと思います。
- 関連記事
-
- 8/18 放射能汚染水処理システム サリーやっと本格始動! (2011/08/18)
- 8/1 集中廃棄物処理施設で見つかった700トンの汚染水について (2011/08/01)
- 7/20 東京電力の新工程表発表に伴う新しい情報 (2011/07/20)


↑日本ブログ村ランキングに参加しました。よかったらクリックお願いします。