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8/8 東京電力から海水などのSrのデータ発表(8/4,5)。

少し遅くなりましたが、先週、東京電力かストロンチウム(Sr)のデータがいくつか発表になっています(沿岸沖合スクリーン海水サブドレン)のでご紹介します。

私のブログでは、Srについてはあまり取り上げてきていません。「6/28 Srのデータがいくつかでてきたのでご紹介します。」以来だと思います。Srは、内部被曝すると骨に取り込まれるため、骨のがんなどになりやすいと言われていますが、測定に手間がかかって難しいためにほとんどデータが出てこないからです。出てきたデータに関してはできるだけ取り上げていますが、セシウムに比べてフォローが弱いのは否めません。

チェルノブイリの時の実績では、Sr/Cs=0.1程度でした。なので、今回の福島における、Sr/Cs比を把握しておけば、Csの濃度からSrの濃度を類推できます。そういう視点でこれまでもご紹介してきています。土壌についてはだいたいSr/Cs=0.01以下のようですが、海水については、あとでも述べますが、もう少し高い可能性があります。

なお、それ以外のウランやプルトニウム、トリチウム、アメリシウムなども時々発表されていますが、これらについては不勉強で、データの解釈の仕方がわからないためにご紹介していません。申し訳ありませんが、これらの情報について知りたい方は他のサイトをあたってください。


8/4―8/5に発表された、7/11時点でのSrの測定データをこれまでのデータと比較できるように表にしました。Sr/Csの比率がいくらであるかということと、同じポイントで一月おきに測定していますので、数値が下がってきたかどうかということがポイントです。順番に見ていきましょう。

8/8スクリーン海水

まずは海に漏れ出した場所に一番近いスクリーン海水のデータです。皆さんご存じのように、4/1―4/6に2号機から大量の放射能汚染水が海に漏れました。また、5/11には3号機から放射能汚染水が海に漏れました。取水口付近のSrのデータは5月からしかないので、5月、6月、7月で比較してみます。5/16は、3号機の汚染の影響がまだ強く残っている時で、3号機由来の汚染水が多かったと予想されます。そのせいか、取水口北(場所は下図参照)のデータで比較すると、Sr/Csの比率も5月で0.28、6月で0.44、7月で0.67と徐々に上がってきています。しかし、海水中において新たな核反応が起こるわけがないので、これはゼオライトやセシウム除去装置などのセシウム除去効果が徐々に出てきているため、とみた方がいいと思います。

8/8取水口図面

次に、この取水口北の海水が外海に流れ出していった時の沿岸のデータです。5,6号機放水口北と1-4号機放水口南の位置関係は上の図のようになっています。

8/8沿岸沖合

Csは4月から5月、6月と徐々に減ってきています。6月から7月にかけては上がったというよりはこの範囲で落ち着いているとみた方がよいでしょう。ところが、Srは4月から5月にかけて下がったものの、6月は少し増加し、7月になってまた少し下がりました。Csと挙動が違うせいで、Sr/Csの比率は、4月から5月は0.02~0.05だったのに、6月から7月は0.15~036と10倍近く上がっています。おそらく、5月は5/9の測定なので2号機の汚染水の成分を反映しており、6月以降は3号機の汚染水の成分を反映していると考えるのが一つの解釈です。

しかしこの解釈は5月のスクリーン海水のデータをみると整合性がとれません。5月のスクリーン海水のデータは、2号機と3号機のシルトフェンスの内側のサンプルが比較できます。ところが、Sr/Csの比率は2号機の方が0.68と3号機よりも3倍近く高く、先ほどの説を支持しません。残念ながら、2号機と3号機のデータはその後取られていないので、その後の推移がわからないのが残念です。

Sr/Csの比率が0.68というのはかなり高いです。それはゼオライトやセシウム除去装置の効果とみることもできますが、もう一つの説明は全く別の発想から生まれてきます。「みまもりファームの日記」というサイトに、メルトダウンした核燃料がどこへ行ったか?という推論をしています。そこでは、地下に溶け出しているはずだ、という推論があるのですが、そこで面白い記述がありました。Iの融点は14℃、Csの融点は28℃なので液体で流れる。ところがSrの融点は777℃なので、常温では固体になってしまう。だからSrの地下水での流れ方は遅いはずだ、というような記述です。サブドレンは地下水をくみ上げているものなのですが、水に溶けるCsはすぐに検出できても、融点の低いSrは固体で移動するのでゆっくりと流れている、という主張です。これであれば、2号機のサブドレンにおいて、Sr/Csの比率が5月の0.5から6月の2.9にあがっているのも説明できないことはありません。

8/8サブドレン


サブドレンで検出されている放射能汚染水が、まだ知られていない経路で海水(2号機スクリーンの近く)に流れ込んでいるとすれば、5月に2号機のスクリーン海水のSr/Csの比率が3号機や取水口北よりも高かった理由は説明できますが、これには何も証拠もありません。また、もしそうならば、スクリーン海水のデータでSr/Csの比率が高いのは、3号機の汚染水の比率が高いということではなく、2号機の地下水から流れてきた汚染水によるものということになります。この考え方は特に証拠があるわけではないのでここまでにしておきますが、そうでも考えないと説明がつかないのは確かです。

なお、2号機のサブドレンというのは、他のサブドレンとは汚染物質の挙動が異なり、6月以降、ほとんど下がっていません。このことは2号機においてはどこかから恒常的に放射性物質が流れ続けていることを示唆します。「6/27 ついに解明!サブドレン放射能汚染水の変動の秘密 雨が降ると増大ということは・・・」で示したような、雨が降るとサブドレンの放射性物質の量が増えるというような挙動は1号機と3号機、4号機のサブドレンにだけ見られるもので、2号機ではみられません。この点はいずれ改めて説明しようと思いますが、2号機の地下で起こっていることは1号機や3号機とは異なっていることだけは間違いありません。

ということで、現段階では説明がうまくできない現象が起きています。今日ご紹介したように、それなりの仮説を立てることはできるのですが、観測データを全て説明できるものにはなっていません。

では、みなさんが一番知りたいであろう海水のSr/Csの比率はどうなのか?ということですが、沖合のデータで比率が求まっているのは4月のデータのみです。それによるとSr/Cs=0.13です。5月の福島第二の沖合のデータでは、Cs-134のみ検出されているので、Cs-137もほぼ同程度と考えるとSr/Cs=0.05程度となります。取水口北や放水口北のSr/Csが6月以降0.1よりも高くなっているのですが、5月に海に流出した汚染水の量は、4月に2号機から海に流れ出した汚染水の量と比較すると1/200程度なので、この影響は無視してもいいと思います。

従って、Sr/Cs=0.05~0.13、つまりおおざっぱに言って全Csの10%近くがSrであるというイメージを描いておけば問題ないとおもいます。魚介類に取り込まれる時も、ほぼ同様の比率だと仮定すると、放射性セシウムが200Bq/kgのヒラメには、最大で放射性ストロンチウムが20Bq/kg程度含まれていると考えておけばいいと思います。ちなみに、今日はデータを出しませんでしたが、海底土からのSrのデータも公開されていて、それによると6/2の測定ではSr/Cs=0.02(岩沢海岸沖合3km)、0.15(小高区沖合3km)となっていますので、海については0.1前後と思っておいたら大きくは外れないと思います。

最後になりましたが、ストロンチウムのデータについては、コンタンさんのブログに土壌のデータも含めて掲載してありますので、興味のある方は参考にしてください。


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コメント

No title

コンタンさん

コメントありがとうございました。私のブログの読者って、こういう疑問を素直にぶつけてくれる人があまり多くないので、間違いに気がつかずにそのまま過ごしていることが多いかもしれませんね。

また、Srのデータをはじめ、いつもブログやツイッターでいろいろと参考にさせてもらっています。

ご指摘いただいた件、確かにおっしゃるとおりです。私もSrの化学的形態がどういうものなのか理解していません。Sr/Csの比率が高い理由を説明できる可能性があるので取り上げてみたまでです。ここはあまり深入りしない方が良さそうですね。

ストロンチウムは水に溶けない?

お休み中とのことで、後日でよろしいのですが1点疑問を書きます。
それは、ストロンチウムの化合物には水溶性のものが多くあるので、
融点だけでは判断できないのではないか?ということです。

炉心から冷却水と共に流れ出るストロンチウムの化学的形態がよく
わかりませんが、水に溶けないと速断はできないと思います。

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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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