8/20 汚染水処理システムの本命?サリーちゃんの単独稼働と汚染水処理の現状
東京電力は19日、放射能汚染水の処理システムとして新たに本格稼働させた東芝のSARRY(サリー)を単独稼働させはじめたと発表しました。
産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110819/dst11081921360037-n1.htm
「8/18 放射能汚染水処理システム サリーやっと本格始動!」でもご紹介したように、18日にはアメリカのキュリオン・フランスのアレバの装置と組み合わせ、もしトラブルがあっても全体としては稼働できるようにしていました。
それを19日には、サリーを単独で稼働させたということです。サリーの処理能力は、一時間に50トンですから、一日1200トンです。キュリオン・アレバのペアと並列に処理することにより、これまでのキュリオン・アレバのペアで出していた毎時45トンから、合計で毎時95トンまでの処理能力に高められる可能性があるということでした。
サリーの実力については、東京電力のHPに公開されています。

この発表では、キュリオンと組み合わせての使用で、10^6(10の6乗、すなわち100万の意味)/cm3の濃度の汚染水をND(1.1/cm3以下)にできたという実績が出ています。処理能力は、除染係数(Decontamination Factor: DF)として1.2×10^6を達成しています。汚染水処理システムを稼働しはじめた7月の段階で、キュリオンとアレバの組み合わせで1.3×10^6でしたから、ほぼそれに匹敵する能力があるということです。
単独処理で、10^6/cm3の汚染水をNDにまで下げられるかどうかというテストを今やっていると思いますので、いずれその結果が出てくると思います。
国産の処理システムがしっかりと稼働できることを見せつけて欲しいです。ちなみに、SARRYとは「7/17 放射能汚染水の最新状況は?」でもご紹介していますが、(Simplified Active Water Retrieve and Recovery System)の略だそうです。ちょっと強引じゃない?という略号の作り方ですが、名前は呼びやすい方がいいですからね。
8/21追記:サリー単独での処理結果が出てきました。除染係数(Decontamination Factor: DF)として5×10^4、すなわち5万分の1にしかできませんでした。キュリオン・アレバでDF=10^6(100万分の1)ですから、5%程度の能力しかなかったということです。やはり一つだけではダメなのでしょうか?でも、東電はこのままサリー単独とキュリオン・アレバのペアと並列処理をするということですが、処理水の放射能汚染の濃度をどれくらいに目標をおいているのでしょうか?

(追記ここまで)
さて、汚染水処理システムはいいけど、現状はどうなの?12万トンとか言われていた汚染水は減ったの?という疑問をお持ちの方が多いでしょう。
実は、毎週東京電力は汚染水処理の現状をまとめて報告しています。最新の報告は17日にありました。

上の図を見てもさっぱりわからない!という方は、一度「6/19 福島原発の放射能汚染水の全容を紹介します!その1」と「6/19 福島原発の放射能汚染水の全容を紹介します!その2詳細編」を読んでみてください。おおざっぱな流れはわかるようになるはずです。
さて、上の図において、いくつかの数字が出ています。8/17の発表データは8回目なので、これまで8回の発表から、主な数値を抜き出してきました。それが下の表です。

皆さんが興味のある、汚染水の量と、処理システムで処理した量をグラフにすると下記のようになります。

こうやってみると、汚染水は6月下旬から約12万トンのままでほとんど変化していません。ただし、これまで2ヶ月弱の間で約50000トンの処理をしていますので、その効果はあったはずです。つまり、大雨などの影響で流れ込んだ水が5万トン弱あり、その分をなんとかこれまで処理していたということになります。これを汚染水処理システムなしに過ごしていたら、またトレンチなどから水が海にあふれ出すという事態になっていたかもしれません。
この一月ぐらいは徐々に処理量が増加しています。これでサリーとの併用によって処理量が上がれば、今後はトータルの汚染水の量を減らすことができる可能性があるということです。
今後、毎週発表される汚染水のデータはチェックしていきたいと思います。
それを19日には、サリーを単独で稼働させたということです。サリーの処理能力は、一時間に50トンですから、一日1200トンです。キュリオン・アレバのペアと並列に処理することにより、これまでのキュリオン・アレバのペアで出していた毎時45トンから、合計で毎時95トンまでの処理能力に高められる可能性があるということでした。
サリーの実力については、東京電力のHPに公開されています。

この発表では、キュリオンと組み合わせての使用で、10^6(10の6乗、すなわち100万の意味)/cm3の濃度の汚染水をND(1.1/cm3以下)にできたという実績が出ています。処理能力は、除染係数(Decontamination Factor: DF)として1.2×10^6を達成しています。汚染水処理システムを稼働しはじめた7月の段階で、キュリオンとアレバの組み合わせで1.3×10^6でしたから、ほぼそれに匹敵する能力があるということです。
単独処理で、10^6/cm3の汚染水をNDにまで下げられるかどうかというテストを今やっていると思いますので、いずれその結果が出てくると思います。
国産の処理システムがしっかりと稼働できることを見せつけて欲しいです。ちなみに、SARRYとは「7/17 放射能汚染水の最新状況は?」でもご紹介していますが、(Simplified Active Water Retrieve and Recovery System)の略だそうです。ちょっと強引じゃない?という略号の作り方ですが、名前は呼びやすい方がいいですからね。
8/21追記:サリー単独での処理結果が出てきました。除染係数(Decontamination Factor: DF)として5×10^4、すなわち5万分の1にしかできませんでした。キュリオン・アレバでDF=10^6(100万分の1)ですから、5%程度の能力しかなかったということです。やはり一つだけではダメなのでしょうか?でも、東電はこのままサリー単独とキュリオン・アレバのペアと並列処理をするということですが、処理水の放射能汚染の濃度をどれくらいに目標をおいているのでしょうか?

(追記ここまで)
さて、汚染水処理システムはいいけど、現状はどうなの?12万トンとか言われていた汚染水は減ったの?という疑問をお持ちの方が多いでしょう。
実は、毎週東京電力は汚染水処理の現状をまとめて報告しています。最新の報告は17日にありました。

上の図を見てもさっぱりわからない!という方は、一度「6/19 福島原発の放射能汚染水の全容を紹介します!その1」と「6/19 福島原発の放射能汚染水の全容を紹介します!その2詳細編」を読んでみてください。おおざっぱな流れはわかるようになるはずです。
さて、上の図において、いくつかの数字が出ています。8/17の発表データは8回目なので、これまで8回の発表から、主な数値を抜き出してきました。それが下の表です。

皆さんが興味のある、汚染水の量と、処理システムで処理した量をグラフにすると下記のようになります。

こうやってみると、汚染水は6月下旬から約12万トンのままでほとんど変化していません。ただし、これまで2ヶ月弱の間で約50000トンの処理をしていますので、その効果はあったはずです。つまり、大雨などの影響で流れ込んだ水が5万トン弱あり、その分をなんとかこれまで処理していたということになります。これを汚染水処理システムなしに過ごしていたら、またトレンチなどから水が海にあふれ出すという事態になっていたかもしれません。
この一月ぐらいは徐々に処理量が増加しています。これでサリーとの併用によって処理量が上がれば、今後はトータルの汚染水の量を減らすことができる可能性があるということです。
今後、毎週発表される汚染水のデータはチェックしていきたいと思います。
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