8/28 環境省が新たに焼却灰を10万ベクレル/kgまで埋め立て認める方向へ
セシウムで汚染されたゴミを焼却した後の処理や、汚染された土壌の処理について、いくつか動きが出ているので紹介します。
8/27、環境省は各地で問題となっている焼却灰の処理について、これまで8000Bq/kgを超えるものは一時保管するように求めていたものを、10万Bq/kgまで一定の条件の下で埋め立てを認めるという方針を決めました(NHKオンライン)。
また、各自治体での廃棄物焼却施設の焼却灰を測定した結果、8000Bq/kgを超える都県が岩手、福島、茨城、栃木、群馬、千葉、東京の7都県にある42の施設であるということも明らかにしました(毎日オンライン)。
一方、菅総理は福島県を訪れて、汚染物質を一時保管するための中間施設を県内に設置したい考えを伝えました(毎日オンライン)。福島県の佐藤知事は突然そんなことをいわれても困る、と反発しています。
環境省が固めた方針の内容は、8000-10万Bq/kgまでの焼却灰については、一定の条件の下で埋め立てを認めるというものです。これは、これまでは8000Bq/kgを超える焼却灰は一時保管するように求めていたのですが、後に示すように、7都県42の施設で8000Bq/kgを超える焼却灰を保管していることが明らかになったこともあり、いつまでも一時保管できないことから、このような方針に踏み切ったものと思います。
今回の指針案においては、asahi.comによると、埋め立てる際の条件として、地下水への流出を防ぐ措置として
(1)セメントで固める(2)耐久性のある容器に入れる(3)隔離層を設けて水の浸入を防止(4)施設に屋根を付ける、などの方法で放射性物質の流出を防ぐことを求めることにしています。
なぜこのように緩和することにしたかというと、福島県で最高95300Bq/kg、千葉県で最高70800Bq/kgなどの高い焼却灰が出てきているという実態があるからです。毎日オンラインによれば、469の施設の測定結果で、42の施設から8000Bq/kgを超える焼却灰があることがわかっています。残念ながら、環境省でまとめたデータがHPでまだ発表されていないようなので(見つけられませんでした)、8000Bq/kgを超えて一時保管している焼却灰の量まではわかりませんが、かなりあるのではないかと思います。いずれわかったらまたまとめますが、なんとか早く方針を決めて欲しい、という地方の意見もふまえてこの方針を出すことにしたようです。
周囲への影響がない形での埋め立てはかまわないと思うのですが、どこにどれだけ埋め立てたのかを環境省がまとめて随時HPに発表するという形を取って欲しいと思います。そうでないと、どこに放射性セシウムが埋め立てられているのか10年、20年後にわからなくなってしまうと問題です。また、本当に周辺への環境に問題がないということを住民が確認できるように、情報公開をしっかりとして欲しいと思います。
最後の話題としてあげた、福島県に汚染物質の一時保管のための中間施設を、というのは、「福島県」という言い方が問題があると思うのですが、福島第一原発のすぐ近くに作るのであればやむを得ないと思います。もともと福島原発から出てきた放射性物質なのですから、福島第一原発の敷地内に戻せるのであればそれが一番ですし、5,6号機も含めて廃炉をさっさと決定して、あそこは事故の収束を行いながら放射性廃棄物置き場にするのがいいのではないかと考えます(東京電力は、5号機6号機を再稼働できるように準備しているようですが、とんでもないことだと思います)。
こういうことを書くと、周辺の大熊町、双葉町に住んでいた人たちの反感を買うかもしれませんが、他の県に置き場を作るというのはもっと理解が得られません。少なくとも大熊町、双葉町などには交付金などで過去にたっぷりとお金が交付されていたのですから、このあたりは当分住める環境にはないということもあり、現実的には原発の付近に設置するしかないと思います。
双葉町の住民などは、今回の原発事故によって一番大きな被害を受けた被害者であるのは間違いないのですが、同時に原発設置によって自治体が潤って過去にいい思いをしてきたのも確かであり、何も恩恵を受けずに単に被害だけ受けた、少し離れた自治体の住民とは分けて考えてもいいと思います。
でもそういう自治体ってどこ?と思い、交付金を何らかの形で受けた自治体を探してみると、この資料にあるように、大熊町、双葉町だけではないんですね。いわき市、田村市、南相馬市、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村が対象になっています(電源立地地域対策交付金事業)。例えば、この表にあるようにいろいろな事業が対象になっているようです。電源三法などといって、他にもあるようです。
そういえば、南相馬市は脱原発を決めて、原発施設等周辺地域交付金の交付金5500万円も申請辞退というニュース(読売オンライン)もありました。福島第一原発から30km以内の自治体はみんな原発関係でなんらかの交付金を受けてきていたようですね。
このブログでは、これまでは主に科学的な面での解析・解説を行ってきたのですが、放射性セシウムで汚染されたゴミ処理の問題などは、対処法を考えるためには現実問題としてどうするべきか、という意見・提案も記述しないと無責任と思っています。今後は、少しずつこういう内容も増えるかもしれませんが、読者の皆さんが考えるときの参考になれば幸いです。何かご意見があればコメントなどでお願いします。
今回の指針案においては、asahi.comによると、埋め立てる際の条件として、地下水への流出を防ぐ措置として
(1)セメントで固める(2)耐久性のある容器に入れる(3)隔離層を設けて水の浸入を防止(4)施設に屋根を付ける、などの方法で放射性物質の流出を防ぐことを求めることにしています。
なぜこのように緩和することにしたかというと、福島県で最高95300Bq/kg、千葉県で最高70800Bq/kgなどの高い焼却灰が出てきているという実態があるからです。毎日オンラインによれば、469の施設の測定結果で、42の施設から8000Bq/kgを超える焼却灰があることがわかっています。残念ながら、環境省でまとめたデータがHPでまだ発表されていないようなので(見つけられませんでした)、8000Bq/kgを超えて一時保管している焼却灰の量まではわかりませんが、かなりあるのではないかと思います。いずれわかったらまたまとめますが、なんとか早く方針を決めて欲しい、という地方の意見もふまえてこの方針を出すことにしたようです。
周囲への影響がない形での埋め立てはかまわないと思うのですが、どこにどれだけ埋め立てたのかを環境省がまとめて随時HPに発表するという形を取って欲しいと思います。そうでないと、どこに放射性セシウムが埋め立てられているのか10年、20年後にわからなくなってしまうと問題です。また、本当に周辺への環境に問題がないということを住民が確認できるように、情報公開をしっかりとして欲しいと思います。
最後の話題としてあげた、福島県に汚染物質の一時保管のための中間施設を、というのは、「福島県」という言い方が問題があると思うのですが、福島第一原発のすぐ近くに作るのであればやむを得ないと思います。もともと福島原発から出てきた放射性物質なのですから、福島第一原発の敷地内に戻せるのであればそれが一番ですし、5,6号機も含めて廃炉をさっさと決定して、あそこは事故の収束を行いながら放射性廃棄物置き場にするのがいいのではないかと考えます(東京電力は、5号機6号機を再稼働できるように準備しているようですが、とんでもないことだと思います)。
こういうことを書くと、周辺の大熊町、双葉町に住んでいた人たちの反感を買うかもしれませんが、他の県に置き場を作るというのはもっと理解が得られません。少なくとも大熊町、双葉町などには交付金などで過去にたっぷりとお金が交付されていたのですから、このあたりは当分住める環境にはないということもあり、現実的には原発の付近に設置するしかないと思います。
双葉町の住民などは、今回の原発事故によって一番大きな被害を受けた被害者であるのは間違いないのですが、同時に原発設置によって自治体が潤って過去にいい思いをしてきたのも確かであり、何も恩恵を受けずに単に被害だけ受けた、少し離れた自治体の住民とは分けて考えてもいいと思います。
でもそういう自治体ってどこ?と思い、交付金を何らかの形で受けた自治体を探してみると、この資料にあるように、大熊町、双葉町だけではないんですね。いわき市、田村市、南相馬市、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村が対象になっています(電源立地地域対策交付金事業)。例えば、この表にあるようにいろいろな事業が対象になっているようです。電源三法などといって、他にもあるようです。
そういえば、南相馬市は脱原発を決めて、原発施設等周辺地域交付金の交付金5500万円も申請辞退というニュース(読売オンライン)もありました。福島第一原発から30km以内の自治体はみんな原発関係でなんらかの交付金を受けてきていたようですね。
このブログでは、これまでは主に科学的な面での解析・解説を行ってきたのですが、放射性セシウムで汚染されたゴミ処理の問題などは、対処法を考えるためには現実問題としてどうするべきか、という意見・提案も記述しないと無責任と思っています。今後は、少しずつこういう内容も増えるかもしれませんが、読者の皆さんが考えるときの参考になれば幸いです。何かご意見があればコメントなどでお願いします。
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