9/3 厚労省のお茶の抜き打ち検査で埼玉の茶の半分は暫定基準値越え!
お茶の問題は、6月に静岡県のお茶を取り上げて以来かな、と思います。
厚労省は、先月から抜き打ち検査を行っているのですが、読売ONLINEによると、その抜き打ち検査で初めて暫定基準値を超える放射性セシウムを埼玉県と千葉県の製茶から検出したそうです。
どれくらいのものなのか、見てみましょう。なぜ、タイトルに「千葉」を入れなかったのか、その理由も後ほど。
厚労省のサイトを見てみると、国立医薬品食品衛生研究所の検査結果という形でHPに結果が載っています。
卵とかベビーフードとかの結果もあるのですが、ここではお茶(製茶)の結果を抜き出してまとめてみました。

今回の抜き打ち検査による結果で、千葉県のお茶から2720Bq/kg、埼玉県のお茶から1270Bq/kg、800Bq/kg、1530Bq/kgの放射性セシウムが検出されました。
現在、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、神奈川県のお茶は出荷制限がかかっています。ところが埼玉県のお茶は出荷制限がかかっていません。静岡県も同様に出荷制限はかかっていませんが、静岡県からは今回の調査で暫定基準値を超えるものはありませんでした。
千葉県のお茶はなんで5/31に購入したものを今頃?と思ったのですが、今は流通していないからなのですね。それ以前のものをたまたま購入してあったので、念のために検査した。そうしたら暫定基準値を超える放射性セシウムが検出された、ということだと思います。千葉県のお茶は現在も出荷制限がかかっているので、出荷されていませんから、この値はあまり気にしなくてもいいと思います。
むしろ気になるのは埼玉県の結果です。ここでは埼玉県のお茶を6個買ってきて、1270,150、800、<50、1530、420Bq/kgでした。<50を0(ゼロ)として計算しても、6個の平均で695Bq/kgです。平均として暫定基準値越えなんですよね。これらは全て流通しています。埼玉県のお茶は、高めの放射性セシウムが含まれているという認識を持っていた方がいいです。
「7/2 お茶からの放射能(放射性セシウム)検出について最終的なまとめ」でも一番最後の項目で指摘したのですが(もともとはコンタンさんが教えてくれたことです)、埼玉県のお茶のデータについては疑問があります。再度見てみましょう。
5/14 生葉の測定 『5月13日に茶葉を採取し、分析を行ったところ、生茶葉については全ての検体で放射性セシウムの暫定規制値を下回る結果が出ました。』

今気がついたのですが、私が抜き出してきた厚労省のHPでは、埼玉県が発表したデータを勝手に有効数字二桁に丸めて数字を変えていますね。こういうことを勝手に行っていいのでしょうか?このときだけみたいですけど。
6/20 製茶の測定 『6月16日に入間市、所沢市、狭山市、飯能市、日高市、鶴ヶ島市の茶商から製茶を採取し分析を行ったところ、全ての検体で暫定規制値を下回っていました。』

この6月の時の製茶のデータでは、放射性セシウムの合計で平均して259Bq/kgです。ところが5月の生葉の時は、平均で353Bq/kg(厚労省の丸めた数字での平均)です。対応する生葉をそのまま荒茶なり製茶にしたデータで比較しないといけないのですが、サンプリングが適切に行われて代表的なサンプルを選択しているとすれば、通常は生葉よりも荒茶や製茶の方が4倍程度に放射性セシウムは濃縮されて高い値になります。そこで、お茶の放射性セシウムを生葉で測定するのか荒茶で測定するのか、ということが大きな問題となり、静岡県は荒茶の測定はしない、などという騒ぎを起こしたこともありました。
この埼玉県のデータは、生葉では平均して353Bq/kg程度のお茶が、荒茶(または製茶)にすると4倍の1400Bq/kgにならずに逆に259Bq/kgに下がるという不思議な現象がありました。これは不思議だ、と思っていたのですが、今回の抜き打ち検査のデータを見ると、1270Bq/kgとか、1530Bq/kgというデータがあるため、これが一番茶由来であるとすれば納得です。
7/12 生葉(二番茶) 『7月11日に検体(生茶葉)を採取し分析を行ったところ、全ての検体で暫定規制値を下回っていました。』

7/15 荒茶(二番茶) 『二番茶の荒茶及び飲用茶については7月13~14日に8検体、麦については6月29日~7月7日に産地の集荷施設等から9検体を採取し分析を行ったところ、下記のとおり、全ての検体で暫定規制値を下回っていました。』

二番茶の場合は、生葉では3検体で平均48Bq/kgですが、荒茶では4検体の平均で87Bq/kgです。他県の二番茶、産番茶のデータを比較していないのでわかりませんが、荒茶にしたときに2倍くらいの上昇であれば特におかしくはないかもしれません。今回の抜き打ち検査で、150Bq/kgとか<50Bq/kgのお茶が二番茶とすれば話は合います。
こうやって考えてみると、6月に発表された一番茶の製茶のデータは、本当に埼玉県の製茶のものだったのか?疑問が残ります。関東の近縁の県では全てお茶の出荷制限がかかる中、生葉のデータを見ればおそらく荒茶にした場合に暫定基準値を超えることは容易に予想がついたはずです。何が真実かはわかりませんが、こうやって抜き打ち検査の結果を見る限り、一番茶の製茶は実は暫定基準値越えをしていたのではないか?という疑問が残ります。
おそらくこの問題については調査が行われると思うのですが、埼玉県はこの機会にしっかりと情報公開をして欲しいと思います。
9/4追記:TBS Newsiによれば、『埼玉県は3日、この茶葉が日高市と鶴ヶ島市などで収穫された「狭山茶」であることを明らかにした上で、販売している県内の2つの業者に対し埼玉県産の全ての商品の出荷を自粛し、すでに流通している商品も回収するよう要請しました。』ということです。
なお、ここから飲用茶にした場合、以前「6/13 静岡県HPでのお茶の放射性セシウムの表記について補足」で書いたように、300Bq/kgの製茶でも4Bq/kg程度になります。これは、抽出率が50-60%(農水省HPより)であることに加え、体積が40倍程度に希釈されるからです。1500Bq/kgのお茶の場合、その3-4倍ですので10Bq/kg程度です。
卵とかベビーフードとかの結果もあるのですが、ここではお茶(製茶)の結果を抜き出してまとめてみました。

今回の抜き打ち検査による結果で、千葉県のお茶から2720Bq/kg、埼玉県のお茶から1270Bq/kg、800Bq/kg、1530Bq/kgの放射性セシウムが検出されました。
現在、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、神奈川県のお茶は出荷制限がかかっています。ところが埼玉県のお茶は出荷制限がかかっていません。静岡県も同様に出荷制限はかかっていませんが、静岡県からは今回の調査で暫定基準値を超えるものはありませんでした。
千葉県のお茶はなんで5/31に購入したものを今頃?と思ったのですが、今は流通していないからなのですね。それ以前のものをたまたま購入してあったので、念のために検査した。そうしたら暫定基準値を超える放射性セシウムが検出された、ということだと思います。千葉県のお茶は現在も出荷制限がかかっているので、出荷されていませんから、この値はあまり気にしなくてもいいと思います。
むしろ気になるのは埼玉県の結果です。ここでは埼玉県のお茶を6個買ってきて、1270,150、800、<50、1530、420Bq/kgでした。<50を0(ゼロ)として計算しても、6個の平均で695Bq/kgです。平均として暫定基準値越えなんですよね。これらは全て流通しています。埼玉県のお茶は、高めの放射性セシウムが含まれているという認識を持っていた方がいいです。
「7/2 お茶からの放射能(放射性セシウム)検出について最終的なまとめ」でも一番最後の項目で指摘したのですが(もともとはコンタンさんが教えてくれたことです)、埼玉県のお茶のデータについては疑問があります。再度見てみましょう。
5/14 生葉の測定 『5月13日に茶葉を採取し、分析を行ったところ、生茶葉については全ての検体で放射性セシウムの暫定規制値を下回る結果が出ました。』

今気がついたのですが、私が抜き出してきた厚労省のHPでは、埼玉県が発表したデータを勝手に有効数字二桁に丸めて数字を変えていますね。こういうことを勝手に行っていいのでしょうか?このときだけみたいですけど。
6/20 製茶の測定 『6月16日に入間市、所沢市、狭山市、飯能市、日高市、鶴ヶ島市の茶商から製茶を採取し分析を行ったところ、全ての検体で暫定規制値を下回っていました。』

この6月の時の製茶のデータでは、放射性セシウムの合計で平均して259Bq/kgです。ところが5月の生葉の時は、平均で353Bq/kg(厚労省の丸めた数字での平均)です。対応する生葉をそのまま荒茶なり製茶にしたデータで比較しないといけないのですが、サンプリングが適切に行われて代表的なサンプルを選択しているとすれば、通常は生葉よりも荒茶や製茶の方が4倍程度に放射性セシウムは濃縮されて高い値になります。そこで、お茶の放射性セシウムを生葉で測定するのか荒茶で測定するのか、ということが大きな問題となり、静岡県は荒茶の測定はしない、などという騒ぎを起こしたこともありました。
この埼玉県のデータは、生葉では平均して353Bq/kg程度のお茶が、荒茶(または製茶)にすると4倍の1400Bq/kgにならずに逆に259Bq/kgに下がるという不思議な現象がありました。これは不思議だ、と思っていたのですが、今回の抜き打ち検査のデータを見ると、1270Bq/kgとか、1530Bq/kgというデータがあるため、これが一番茶由来であるとすれば納得です。
7/12 生葉(二番茶) 『7月11日に検体(生茶葉)を採取し分析を行ったところ、全ての検体で暫定規制値を下回っていました。』

7/15 荒茶(二番茶) 『二番茶の荒茶及び飲用茶については7月13~14日に8検体、麦については6月29日~7月7日に産地の集荷施設等から9検体を採取し分析を行ったところ、下記のとおり、全ての検体で暫定規制値を下回っていました。』

二番茶の場合は、生葉では3検体で平均48Bq/kgですが、荒茶では4検体の平均で87Bq/kgです。他県の二番茶、産番茶のデータを比較していないのでわかりませんが、荒茶にしたときに2倍くらいの上昇であれば特におかしくはないかもしれません。今回の抜き打ち検査で、150Bq/kgとか<50Bq/kgのお茶が二番茶とすれば話は合います。
こうやって考えてみると、6月に発表された一番茶の製茶のデータは、本当に埼玉県の製茶のものだったのか?疑問が残ります。関東の近縁の県では全てお茶の出荷制限がかかる中、生葉のデータを見ればおそらく荒茶にした場合に暫定基準値を超えることは容易に予想がついたはずです。何が真実かはわかりませんが、こうやって抜き打ち検査の結果を見る限り、一番茶の製茶は実は暫定基準値越えをしていたのではないか?という疑問が残ります。
おそらくこの問題については調査が行われると思うのですが、埼玉県はこの機会にしっかりと情報公開をして欲しいと思います。
9/4追記:TBS Newsiによれば、『埼玉県は3日、この茶葉が日高市と鶴ヶ島市などで収穫された「狭山茶」であることを明らかにした上で、販売している県内の2つの業者に対し埼玉県産の全ての商品の出荷を自粛し、すでに流通している商品も回収するよう要請しました。』ということです。
なお、ここから飲用茶にした場合、以前「6/13 静岡県HPでのお茶の放射性セシウムの表記について補足」で書いたように、300Bq/kgの製茶でも4Bq/kg程度になります。これは、抽出率が50-60%(農水省HPより)であることに加え、体積が40倍程度に希釈されるからです。1500Bq/kgのお茶の場合、その3-4倍ですので10Bq/kg程度です。
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