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9/11 EUは日本産食品の輸入措置を年末まで延長と決定

YOMIURI ONLINEによると、『欧州連合(EU)加盟27か国は9日、3月の福島第一原子力発電所の事故後に発動した日本産食品や飼料に対する輸入規制を12月31日まで継続することを決めた』ということです。

これを機会に海外において、日本産の食品に対する輸入規制がどうなっているのか、少しだけ調べました。

各国の輸入規制について

まず、農水省のHPには、「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う各国・地域の輸入規制強化への対応」というページ(これは主に一般消費者むけではなく輸出をする業者向け)があって、いろいろな情報が入手できるようになっています。

その中でも、「諸外国・地域の規制措置(PDF)」には、各国がどのような規制をしているのか、一覧にまとめてくれています。こういうことをまとめるのは国の仕事なので当然のことですが、よくまとまっています。しかもこまめに更新があるようです。非常に小さい字で書いてあるのでここには表は載せませんが、リンク先を一度開いてみることをお勧めします。

それによると、いくつかのパターンに分かれるようです。

(1)日本のすべての又は一部の食品につき輸入停止/他の食品につき証明書を要求:韓国、中国、ブルネイ、ニューカレドニア、アラブ首長国連邦、イラク、クウェート、サウジアラビア、レバノン、エジプト、モロッコ

(2) 日本のすべての食品につき証明書を要求:インドネシア、タイ、マレーシア、ブラジル、EU、スイス・リヒテンシュタイン、ノルウエー、アイスランド、仏領ポリネシア、オマーン、カタール、バーレーン、コンゴ民主共和国

(3) 日本の一部食品につき輸入停止又は証明書を要求:シンガポール、香港、マカオ、台湾、フィリピン、ベトナム、米国、エクアドル、チリ、ロシア

(4) 検査強化:インド、ネパール、パキスタン、ミャンマー、豪州、ニュージーランド、ウクライナ、イラン

(5) その他(規制措置の完全解除):カナダのみが6/13に完全解除しました。


(1)と(3)の違いが微妙でよくわからないのですが、輸入禁止、というのは厳しい措置だと思います。輸入量が多くなくて、日本との外交関係をあまり気にしなくていいならば、これが一番楽です。
(2)の証明書を要求、というのは日本政府の証明書があればいい、というので、書類の手続きは煩雑ですが、実はあまり厳しくないのかな?という印象があります。
(4)の検査強化、というのは、日本の検査は信用しないで、自国の検査でサンプル検査で確認する、というスタイルです。その国の当局では、自国民を守るために相手側の言い分を信用せずに検査するというのは当然の措置だと思います。
(5)カナダは、なぜか一国だけ規制を全て解除しました。

また、一部の都県の輸入については他の都道府県とは別枠にしている国が多いのですが、その設定も国によって異なります。同じ13県としても、その県の選択の仕方は異なります。どこかの国の規制をそのまままねしているのではなく、その国の実情に応じてそれぞれが考えて決めていることを伺わせる事例です。なお、製品によって都県の数を変えている国もありますので、これが全てではありません。数字がいくつあるだろうか、と思って抜き出しているだけですから。こんなにバリエーションがあるのに、11都県というのはなぜかありませんでした。惜しいなあ。

韓国:   1県(福島)
フィリピン:2県(福島、茨城)
アメリカ: 3県(福島、栃木、茨城)
シンガポール:4県(福島、群馬、栃木、茨城)
香港:   5県(福島、群馬、栃木、茨城、千葉)
ベトナム: 6県(福島、茨城、栃木、群馬、新潟、山形)
マレーシア:7県(福島、群馬、茨城、栃木、宮城、神奈川、千葉)
豪州:   8都県(宮城、山形、新潟、長野、埼玉、東京、神奈川、静岡)
タイ:   9都県(福島、群馬、栃木、茨城、宮城、東京、千葉、神奈川、静岡)
中国:   10都県(福島、群馬、栃木、茨城、宮城、新潟、長野、埼玉、東京、千葉)
EU:   12都県(福島、群馬、栃木、茨城、宮城、長野、山梨、埼玉、東京、千葉、神奈川、静岡)
ノルウエー:13都県(福島、群馬、栃木、茨城、宮城、山形、新潟、長野、山梨、埼玉、東京、千葉、神奈川)
韓国:   13都県(福島、群馬、栃木、茨城、千葉、宮城、山形、新潟、長野、埼玉、神奈川、静岡、東京)

農産物の輸出

日本の農産物の輸出って、どこの国へ何を一番多く輸出しているんでしょうね?
今回は、JETROのHPでそれを調べられることが発見したのでその紹介にとどめます。財務省のHPにも情報があるようです。

JETROの貿易統計データベースというページで、「国別品目別表」というページを選択します。品目コード:食料品、動植物生産品(A00000)、輸出入:輸出、年月:2010年年計を選択して「検索」すれば
9/11JETRO3


別画面で数字が出てきます。
9/11JETRO5

食品では、2010年の1年間で、4038億円(46億ドル)の輸出があり、一番の輸出国は香港で24.9%、次がアメリカで13.8%というようにわかります。「内訳へ」を押してさらに細かく見ると、

9/11JETRO4
加工食品類(AF0000)は2447億円
その他の動植物生産品(AG0000)は1699億円
魚介類(AB0000)は1097億円
穀物、加工穀物(AD0000)は890億円
野菜、果実類(AC0000)は122億円
コーヒー、茶、香辛料(AE0000)は61億円
肉類(AA0000)は50億円
です。これ以上調べるのは大変なのでこのくらいにしておきます。特定品目に興味があれば、簡単にわかります。

4038億円といってもあまりピンと来ない数字ですが、日本の総輸出金額が67兆円なので、輸出の中のわずか0.6%しか占めていないんですね。

9/11JETRO6


EUのニュース

今回のニュースは、(2)の分類にあたるEUが、その措置を年末の12/31まで延長したという話です。

EUの公式なアナウンスはここ(英語です)にあります。下の方にこういうパラグラフがあります。
Food safety: EU measures on imports from Japan to be prolonged until the end of the year

なお、参考として、3月に定めた「Food safety: the EU reinforces controls on imports from Japan(英語です)」や「Questions and Answers: Safety of food products imported from Japan(英語です)」も興味のある方はどうぞ。

といってもおそらく大多数の人は英語のリンクと聞いたらクリックしないだろうと思うので、少しだけ補足します。

今回の措置は、単に4月に正式決定した内容を見直したが、状況はかわらないので年末まで延長しましょう、ということです。最初に紹介したYOMIURI ONLINEを読んでもらえればわかるはずです。

EUの基準の話はご存じの方も多いと思うのですが、実はEUの基準は福島原発の事故の前はもっと高かったのです。しかし、日本の暫定基準値がEUの基準よりも一部の核種では低く設定されたので、それに合わせないとおかしいよね、ということで、I-131やCs-134やCs-137については日本の基準に合わせて暫定的に下げました。

こう書くと、日本の暫定基準値は高すぎる、と思っている人はEUはもっと高いのか?と疑問に思うことでしょう。私もここをうまく説明しきれる自信がないので、日本貿易振興機構(JETRO)のHPを読んでみてください。一部を引用します。
『<現行規則の見直しの必要性>
EUがウェブサイトで8日に公開した日本からの輸入食品のQ&Aによると、輸入食品の放射能に関するEUの現行基準は、1986年のチェルノブイリ原発事故翌年の1987年に定められたもので、24年間変えられてこなかった。基準値は年間の個人の食品の消費の10%がこの値の汚染レベルにある場合を想定しており、放射線への暴露が年間で1ミリシーベルトを超えないように設定されている。また、基準値は国際機関(WHO、FAOなど)のガイドラインに沿って作られている。

欧州委員会のバローゾ委員長は5日、欧州議会で、食品の安全基準が高い日本では、上限がEUよりも低く設定されていることから、EUもさらなる科学的分析の結果がでるまで、暫定的に日本の基準を適用すると説明した(9. Question Hour with the President of the Commission)。そのうえで同委員長は、この変更はあくまで慎重を期した決定で、予防的な措置であることを強調した。EUは、6月30日までに科学専門家委員会(EURATOM条約31条)への諮問を行う予定で、さらなる科学的分析の結果を踏まえ、3954/87の基準値を正式に改定する見込み。』(JETROのHPより。原文はEUのQ&A

赤字のところがポイントだと思います。全ての食品が汚染されているものを食べるわけではないでしょう。ここでは全食品の10%が汚染されているという仮定でこの数値を設定しているのです。だから、地域によってはこの設定値は10%ではないかも(もっと高いかも)しれません。EU全体として、という考え方になるのだと思います。

一方で、EUにとって日本は食品の貿易という意味ではマイナーな相手だということも書かれています。これも自分で和訳するのが面倒なのでJETROの訳を引用させてもらいます。
『<食品輸入に関しては日本はマイナーな貿易相手国>
欧州委によれば、日本からの食品輸入は多くない。2010年のEUの日本からの農産品の輸入をみると、農産品は1億8,700万ユーロ、水産品は2,900万ユーロだった。日本からの農産品の主要輸入国は、オランダ(3,800万ユーロ)、英国(3,700万ユーロ)、フランス(3,400万ユーロ)、ドイツ(3,200万ユーロ)、の順となっている。水産品は、オランダ(1,300万ユーロ)、フランス(700万ユーロ)、ドイツ(400万ユーロ)、英国(300万ユーロ)、イタリア(100万ユーロ)の順となっている。また、2010年の野菜・果物の日本からの輸入は9,000トンで非常に少量であった。』(JETROのHPより)

こういう措置をとっても大したインパクトをEUに与えない、ということをQ&Aで示したかったのでしょう。

最後になりましたが、各国の規制値を含めた話を詳しく知りたい方はこちらのコンタンさんのブログを読んでみてください。どこかに知りたい情報があるのではないかと思います。

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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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