9/28 環境省が示した除染すべき土壌の量 東京ドーム23杯分って?
各種報道でご存じの方も多いと思いますが、環境省は、9/27の有識者検討会において、除染する際にいったいどれくらいの量が出てくるのか試算し、その試算値を示しました。
除染する範囲を、年間の総被曝量と森林の除去率に合わせて9パターンに分けて提示しています。最大で2808万立方メートル=28,080,000m3で、これは東京ドーム23杯分に当たるということです。
なお、この数値は25日の読売オンラインから取ってきたものですが、28日のNHKオンラインでは2879万m3となっており、微妙に数値が違います。24日に事前に報道陣に示した数値と27日の公開した数値が違っていたのか、正式な資料が環境省HPに見つからなかったのでわかりませんが、これくらいの数値は正確に報道してほしいものです。
NHKオンラインによると、『対象とする地域は、最も広い場合で、被ばく線量が年間5ミリシーベルト以上の地域と、1ミリシーベルト以上5ミリシーベルト未満でも側溝など線量が局所的に高い地点を加えた範囲と想定しました。さらに、こうした地域で建物の敷地内や農地の土を深さ5センチまで削り取るほか、森林については全域で枯れ葉などを取り除く方法で除染を行った場合を計算しました。その結果、除染する面積は最大で、福島県をはじめ、宮城県や山形県、栃木県、茨城県で合わせて2419平方キロメートル、取り除く土の量は東京ドームおよそ23杯分に相当するおよそ2879万立方メートルに上るとしています。』
今日は除染の本題からはそれますが、あまりにも大きくてわかりにくい2419km2という面積の数値と、2879万m3という体積について考えてみます。
まず体積から。よく使われる東京ドーム何杯分という数値ですが、東京ドーム23杯分といわれても「めちゃくちゃ多いなあ」という印象しかないのではないかと思います。でも、そこで思考を止めてしまっては意味がないのです。
よく例えに使われる東京ドームの体積はどれくらいなのか確認しましょう。東京ドームのHPによると、124万m3だそうです。
ちなみに面積は46755m2です。200m×200m=40000m2なので、200m四方の正方形と考えるとイメージしやすいですよね。東京ドームは両翼が100mでセンターで122mですから、観客席その他の分を考えて200mというのは、野球場の広さを知っていればイメージしやすいと思います。
(東京ドームHPより引用)
ところが体積になると、124万m3となって、いきなりわかりにくくなります。でも、面積が約40000m2なので、その面積に高さ30mをかけたら120万m3です。下のように考えたらわかりますよね。ちなみに、東京ドームの最高部の高さは地上から56.19m(グラウンドからは61.69m)だそうです。

だとすると、東京ドーム23杯分というのは、この直方体が23個並んだものというように考えたらいいと思います。横に並べたとしましょう。200m×200mの箱を25個、5×5に並べると1km×1kmになります。実際には23個なのでそれよりは少し狭いくらいです。1km2の面積で高さ30mの巨大な箱です。
少しはイメージしやすくなったでしょうか?
次に面積です。2419km2という面積をどうとらえるか?こちらは、県の面積を知っていたらわかりやすいですよね。
日本の面積が37万km2というのは小学校で習った記憶があります。家に地図帳がある方は引っ張り出してみたらわかると思いますし、そうでなくてもこういう基礎データは今はWeb上に転がっています。例えばWikipediaでは、広い順に並べてくれています。37万km2のうち、北海道が8万km2もあるので、残り29万km2を46都道府県で占めるとすると、単純平均で約6000km2。平均的な県の広さは6000km2前後と覚えておけばいいことになります。
環境省が示した5つの県の面積は以下のようになっています。合計で106493km2です。この中で2419km2なので、5つの県の面積の合計に対して2.27%の広さになります。
福島県:17382km2
山形県:9323km2
宮城県:7285km2
栃木県:6408km2
茨城県:6095km2
2419km2という面積は、東京都の面積が2187km2ですのでそれよりちょっと広いくらいです。東京都とほぼ同じ面積、と言ってもらえればわかりやすいのに、と思いました。
最後に、この面積と先ほどの体積を組み合わせて考えてみます。先ほどの体積は、1km×1kmの面積(1km2)で高さ30mに相当するといいました。一方で、面積は2419km2です。2419km2に東京ドーム23杯分の土壌を敷き詰めたらおよそどれくらいの高さになるのか?30m÷2419=1.2cmです。東京都の面積の2187で割ると1.39cmです。東京都の面積にある土を約1.2-1.4cmの深さで削る、というイメージが一番とらえやすいのではないでしょうか?
今日は、大量の体積を表現するのに使われる東京ドーム何杯分という表現について考えてみました。
土壌の除去の話については、もう少し詳細な資料が公開されてからまた取り上げたいと思います。
今日は除染の本題からはそれますが、あまりにも大きくてわかりにくい2419km2という面積の数値と、2879万m3という体積について考えてみます。
まず体積から。よく使われる東京ドーム何杯分という数値ですが、東京ドーム23杯分といわれても「めちゃくちゃ多いなあ」という印象しかないのではないかと思います。でも、そこで思考を止めてしまっては意味がないのです。
よく例えに使われる東京ドームの体積はどれくらいなのか確認しましょう。東京ドームのHPによると、124万m3だそうです。
ちなみに面積は46755m2です。200m×200m=40000m2なので、200m四方の正方形と考えるとイメージしやすいですよね。東京ドームは両翼が100mでセンターで122mですから、観客席その他の分を考えて200mというのは、野球場の広さを知っていればイメージしやすいと思います。

ところが体積になると、124万m3となって、いきなりわかりにくくなります。でも、面積が約40000m2なので、その面積に高さ30mをかけたら120万m3です。下のように考えたらわかりますよね。ちなみに、東京ドームの最高部の高さは地上から56.19m(グラウンドからは61.69m)だそうです。

だとすると、東京ドーム23杯分というのは、この直方体が23個並んだものというように考えたらいいと思います。横に並べたとしましょう。200m×200mの箱を25個、5×5に並べると1km×1kmになります。実際には23個なのでそれよりは少し狭いくらいです。1km2の面積で高さ30mの巨大な箱です。
少しはイメージしやすくなったでしょうか?
次に面積です。2419km2という面積をどうとらえるか?こちらは、県の面積を知っていたらわかりやすいですよね。
日本の面積が37万km2というのは小学校で習った記憶があります。家に地図帳がある方は引っ張り出してみたらわかると思いますし、そうでなくてもこういう基礎データは今はWeb上に転がっています。例えばWikipediaでは、広い順に並べてくれています。37万km2のうち、北海道が8万km2もあるので、残り29万km2を46都道府県で占めるとすると、単純平均で約6000km2。平均的な県の広さは6000km2前後と覚えておけばいいことになります。
環境省が示した5つの県の面積は以下のようになっています。合計で106493km2です。この中で2419km2なので、5つの県の面積の合計に対して2.27%の広さになります。
福島県:17382km2
山形県:9323km2
宮城県:7285km2
栃木県:6408km2
茨城県:6095km2
2419km2という面積は、東京都の面積が2187km2ですのでそれよりちょっと広いくらいです。東京都とほぼ同じ面積、と言ってもらえればわかりやすいのに、と思いました。
最後に、この面積と先ほどの体積を組み合わせて考えてみます。先ほどの体積は、1km×1kmの面積(1km2)で高さ30mに相当するといいました。一方で、面積は2419km2です。2419km2に東京ドーム23杯分の土壌を敷き詰めたらおよそどれくらいの高さになるのか?30m÷2419=1.2cmです。東京都の面積の2187で割ると1.39cmです。東京都の面積にある土を約1.2-1.4cmの深さで削る、というイメージが一番とらえやすいのではないでしょうか?
今日は、大量の体積を表現するのに使われる東京ドーム何杯分という表現について考えてみました。
土壌の除去の話については、もう少し詳細な資料が公開されてからまた取り上げたいと思います。
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