4/2 海洋放射能汚染で魚を食べても大丈夫か?
福島原発問題ですが、この数日で海洋への放射能汚染が明らかになりつつあります。
となると、一番心配なのは、魚は食べても大丈夫か?ということです。すでに、ホウレンソウ、水、食肉、と放射線検出が問題にされています。風評被害もかなりあるようです。
となると、やはり正確な知識が必要です。ひとたび日本近海の魚から放射線物質検出という話になると、また大騒ぎになることは見えています。大騒ぎになる前に海洋産物と放射能汚染について少し調べてみました。
11/5追記:最新の情報は「11/4 魚の放射能汚染の現状 11月初旬の実態のまとめ」をご覧下さい。
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となると、一番心配なのは、魚は食べても大丈夫か?ということです。すでに、ホウレンソウ、水、食肉、と放射線検出が問題にされています。風評被害もかなりあるようです。
となると、やはり正確な知識が必要です。ひとたび日本近海の魚から放射線物質検出という話になると、また大騒ぎになることは見えています。大騒ぎになる前に海洋産物と放射能汚染について少し調べてみました。
11/5追記:最新の情報は「11/4 魚の放射能汚染の現状 11月初旬の実態のまとめ」をご覧下さい。
みんなが一番知りたいのはいわゆる「生物濃縮」についてだと思います。これについては下記のリンクにわかりやすい日本語の解説があるのでご一読ください。(農水省のQ&Aのページ)
http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/Q_A/pdf/110331suisan.pdf
上のリンク資料を全部読まない人もいるでしょうから、資料の中で後半の水産庁増殖推進部研究指導課の森田貴己さんの発表が非常にわかりやすい説明なので、重要なところをそのまま転載、引用します。
これによると、食物連鎖による魚への生物濃縮は農薬のような形では起こらない、ということがわかっています。

その理由は、セシウム(Cs)は、カリウムと同じ種類の一価の陽イオンなので、カリウムと同じような挙動を示し、体外に排出されやすいということです。そのため、下記のように海水の濃度が魚内の濃度を反映するということです。Cs137の生物学的半減期は約50日だそうです。

別の資料で、海水中のセシウム137がどれくらいあるのかを調べた文献がありました。
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=radioisotopes1952&cdvol=48&noissue=4&startpage=266&lang=ja&from=jnlabstract
それによると、実は、これまでにも1950年代から1970年代の米ソの地上核実験の影響で、セシウム137は海水中及び魚類中に微量ですが検出されています(Cs137の半減期は約30年であることを思い出してください。)。海水中には、常に約3mBq/L=0.003Bq/kg(1リットル=1kgとして)のセシウム137が含まれているようです。魚の体内のセシウム137が0.04-0.67Bq/kgということなので、海水と比べて10-200倍程度の濃縮がかかっているとのデータがあります。魚の種類によって、濃縮度も異なるようです。
再び農水省の資料(下記)に戻りますが、マイワシ中のセシウム137の経年的なデータを見ても、1986年のチェルノブイリ事故の影響で昭和61年(1986年)は0.8Bq/kgとなっていますが、翌年にはすぐにその前年と同レベルの0.2Bq/kg程度に低下しています。
ホウレンソウなどや水道水で検出されて報道されているため、もうこの数値の意味はわかると思いますが、チェルノブイリの時でも0.8Bq/kgです。一方、現状では、水道水では検出されるときには2-3Bq/kgのセシウム137が検出されています。ホウレンソウにしても、つくば市の3/30の測定では、69Bq/kgのセシウム137がすでに検出されています(暫定基準値は500Bq/kg)。それと比較すると、遙かに低い数字です。
今回の事故で、高濃度の放射性物質が原発から直接海の中に大量に流出したら絶対値としては高くなると予想されますが、基本的には1年以内にその被害は収まると考えていいと思います。

その他詳細は、実際にリンク先のページを読んで見てください。
この資料を読んで、少し安心しました。今後は、実際の測定データをもう少しフォローしながら、影響を考えてみたいと思います。実際のデータをまだ見ていないので、何倍という数値に踊らされないようにしたいと思います。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/Q_A/pdf/110331suisan.pdf
上のリンク資料を全部読まない人もいるでしょうから、資料の中で後半の水産庁増殖推進部研究指導課の森田貴己さんの発表が非常にわかりやすい説明なので、重要なところをそのまま転載、引用します。
これによると、食物連鎖による魚への生物濃縮は農薬のような形では起こらない、ということがわかっています。

その理由は、セシウム(Cs)は、カリウムと同じ種類の一価の陽イオンなので、カリウムと同じような挙動を示し、体外に排出されやすいということです。そのため、下記のように海水の濃度が魚内の濃度を反映するということです。Cs137の生物学的半減期は約50日だそうです。

別の資料で、海水中のセシウム137がどれくらいあるのかを調べた文献がありました。
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=radioisotopes1952&cdvol=48&noissue=4&startpage=266&lang=ja&from=jnlabstract
それによると、実は、これまでにも1950年代から1970年代の米ソの地上核実験の影響で、セシウム137は海水中及び魚類中に微量ですが検出されています(Cs137の半減期は約30年であることを思い出してください。)。海水中には、常に約3mBq/L=0.003Bq/kg(1リットル=1kgとして)のセシウム137が含まれているようです。魚の体内のセシウム137が0.04-0.67Bq/kgということなので、海水と比べて10-200倍程度の濃縮がかかっているとのデータがあります。魚の種類によって、濃縮度も異なるようです。
再び農水省の資料(下記)に戻りますが、マイワシ中のセシウム137の経年的なデータを見ても、1986年のチェルノブイリ事故の影響で昭和61年(1986年)は0.8Bq/kgとなっていますが、翌年にはすぐにその前年と同レベルの0.2Bq/kg程度に低下しています。
ホウレンソウなどや水道水で検出されて報道されているため、もうこの数値の意味はわかると思いますが、チェルノブイリの時でも0.8Bq/kgです。一方、現状では、水道水では検出されるときには2-3Bq/kgのセシウム137が検出されています。ホウレンソウにしても、つくば市の3/30の測定では、69Bq/kgのセシウム137がすでに検出されています(暫定基準値は500Bq/kg)。それと比較すると、遙かに低い数字です。
今回の事故で、高濃度の放射性物質が原発から直接海の中に大量に流出したら絶対値としては高くなると予想されますが、基本的には1年以内にその被害は収まると考えていいと思います。

その他詳細は、実際にリンク先のページを読んで見てください。
この資料を読んで、少し安心しました。今後は、実際の測定データをもう少しフォローしながら、影響を考えてみたいと思います。実際のデータをまだ見ていないので、何倍という数値に踊らされないようにしたいと思います。
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