10/18 勝川先生の「日本の魚は大丈夫か」は漁業を全く知らなくてもよくわかる!
9月にNHK出版新書から発売された、三重大学准教授の勝川俊雄先生の「日本の魚は大丈夫か」-漁業は三陸から生まれ変わる-を読みました。
この本では、日本の漁業の実態についてわかりやすい説明で書いてあり、今後の三陸漁業の復興をどうしたらいいかという勝川先生の提言も入っています。
これまでの勝川先生のブログやツイートが役に立ったと思っている方は、ぜひ本屋に行ってみてください。漁業・水産業関係者は必読と思いますし、一般の人もパラパラとめくってみて面白そうだと思えればぜひ購入することをお勧めします。私はアマゾンで購入しましたが、平積みにされている本屋も多いようです。
勝川先生については、海洋放射能汚染を追いかけているとき、5月頃に知ったのですが、「漁業管理の専門家」というプロフィールを読んで、どういうことをするんだろう、と思っていました。でも、漁業についてはほとんど興味がなかったのと、日本の漁業の実態をほとんど知らなかったので、正直あまり細かいことは知らなくてもいいや、と思っていました。
今回、勝川先生が本を出版したということで、何かの縁だから漁業についても少し勉強してみるか、と思い、購入しました。購入して読んでみての感想は、わかりやすく、「読んでみてよかった!」の一言です。
この本を読んで、日本の漁業の抱えている課題や、ノルウエーでは実は漁業が成長産業になっているという話など、目からウロコの話がたくさんありました。しょせん日本の第一次産業なんて斜陽の産業だろう、と思っていましたが、漁業については仕組みをうまく変えることができれば(実はこれが結構難しいのですが)今からでも成長産業になれるということなのです。北欧のノルウエーでは実際に年収2千万円相当の漁師がたくさんいるということです。しかも日本のように補助金を受けていません。
今回の震災(特に津波)によって壊滅的な打撃を受けた東北の漁業。しかし、壊滅的な打撃を受けたことによって、これまでの仕組みを打ち破るチャンスが生まれたという見方もできるのだと思います。これを単にまた漁港の整備などの土木工事に金をつぎ込むだけの旧来型の復旧をしてしまったら、また今までの漁協(漁業協同組合)の仕組みが維持されたまま、儲からない漁業が残るだけです。
ここではこの本の中で書かれていることについては特に細かく紹介しません。私の不十分な理解による紹介よりも、実際に読んでもらった方がわかりやすいと思うからです。勝川先生の提言は、非常に当を得たものであり、普通に考えたら「この通りにやれば日本の漁業もうまく復興できるじゃないか!」と思える内容なのです。
しかし、そこには既得権という大きな壁があります。漁協という政治力をもった組織の力、面倒なことには首を突っ込みたくない官僚機構、これらの壁をいかにして崩せるのか?既得権益の打破というのは、原発をめぐる議論でも浮き彫りになっていますが、どこの業界にもありそうな話だと思います(これには現行の選挙制度の問題点も絡んでいると思うので、それはいずれまた改めて書こうと考えています)。
この既得権の打破は、勝川先生の提言を実現していくためのポイントだと思います。勝川先生は漁協の若手を中心とした自己改革に期待しているようです。私も163-164ページの「不毛な対立を超えて」「組合の自己改革に期待」の部分には全面的に賛成です。
今後も勝川先生は三陸の漁業の復興のために独自の活動をしていくと思いますが、我々一般市民もこの本が売れて話題になって世論を動かせれば、少しは後押しできると思います。そういう意味で、この簡単な紹介を読んで、ちょっとでも興味を持った方はぜひ本屋に行ってどんなものか見ていただければと思います。私のブログの読者ならば、違和感なく読める文体であることは保証します。
今回、勝川先生が本を出版したということで、何かの縁だから漁業についても少し勉強してみるか、と思い、購入しました。購入して読んでみての感想は、わかりやすく、「読んでみてよかった!」の一言です。
この本を読んで、日本の漁業の抱えている課題や、ノルウエーでは実は漁業が成長産業になっているという話など、目からウロコの話がたくさんありました。しょせん日本の第一次産業なんて斜陽の産業だろう、と思っていましたが、漁業については仕組みをうまく変えることができれば(実はこれが結構難しいのですが)今からでも成長産業になれるということなのです。北欧のノルウエーでは実際に年収2千万円相当の漁師がたくさんいるということです。しかも日本のように補助金を受けていません。
今回の震災(特に津波)によって壊滅的な打撃を受けた東北の漁業。しかし、壊滅的な打撃を受けたことによって、これまでの仕組みを打ち破るチャンスが生まれたという見方もできるのだと思います。これを単にまた漁港の整備などの土木工事に金をつぎ込むだけの旧来型の復旧をしてしまったら、また今までの漁協(漁業協同組合)の仕組みが維持されたまま、儲からない漁業が残るだけです。
ここではこの本の中で書かれていることについては特に細かく紹介しません。私の不十分な理解による紹介よりも、実際に読んでもらった方がわかりやすいと思うからです。勝川先生の提言は、非常に当を得たものであり、普通に考えたら「この通りにやれば日本の漁業もうまく復興できるじゃないか!」と思える内容なのです。
しかし、そこには既得権という大きな壁があります。漁協という政治力をもった組織の力、面倒なことには首を突っ込みたくない官僚機構、これらの壁をいかにして崩せるのか?既得権益の打破というのは、原発をめぐる議論でも浮き彫りになっていますが、どこの業界にもありそうな話だと思います(これには現行の選挙制度の問題点も絡んでいると思うので、それはいずれまた改めて書こうと考えています)。
この既得権の打破は、勝川先生の提言を実現していくためのポイントだと思います。勝川先生は漁協の若手を中心とした自己改革に期待しているようです。私も163-164ページの「不毛な対立を超えて」「組合の自己改革に期待」の部分には全面的に賛成です。
今後も勝川先生は三陸の漁業の復興のために独自の活動をしていくと思いますが、我々一般市民もこの本が売れて話題になって世論を動かせれば、少しは後押しできると思います。そういう意味で、この簡単な紹介を読んで、ちょっとでも興味を持った方はぜひ本屋に行ってどんなものか見ていただければと思います。私のブログの読者ならば、違和感なく読める文体であることは保証します。
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