スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

12/15 福島第一原発の施設運営計画について保安院は妥当と評価、16日の冷温停止宣言に合わせたドタバタ劇

 
12/4の水漏れの後も細かい水漏れがあった濃縮蒸発装置ですが、その事故の再発防止策も含めて原子力安全保安院は東京電力が提出した「東京電力株式会社福島第一原子力発電所第1~4号機に対する「中期的安全確保の考え方」(その1)」を受理し、12日に『「中期的安全確保の考え方」に示す基本目標及び要件に対して妥当な措置が講じられていることを確認しました。

このあたりの流れを簡単にまとめます。

東京電力のHPだけを見ていても全貌がなかなかわからないのですが、保安院のHPにはまとめて経緯が書いてありました。10月にさかのぼってそこから確認してみます。

10/3、保安院が東京電力に対して指示
『「事故収束の道筋」のステップ2終了後、廃炉作業開始までの期間(中期;3年間程度)における安全確保の基本目標及び要件について、「東京電力株式会社福島第一原子力発電所第1~4号機に対する「中期的安全確保の考え方」」(以下「中期的安全確保の考え方」という。)を示し、それに適合するよう指示しました。』

中期的安全確保の考え方

12/15中期計画1
(クリックで別画面に拡大)

この内容を詳細に文章で書いてある文書がこれ(リンク先)です。つまり、保安院が「中期的安全確保の考え方」を提示して、それに適合するようにしなさいと東京電力に求めました。

そして、本当に適合できるような計画かどうか確認したいのでその具体的な計画を10/17までに提示せよ、という文書を経済産業大臣の枝野さんの名前でと東京電力に対して指示をしました。これは法律で定められた報告徴収命令と呼ばれる法的措置です。

10/17 東京電力が報告書(その1)を保安院に提出
『本日、東京電力から報告を受理しました。今後、報告内容について、その妥当性について評価するに当たり、専門家からの意見を聴取するために、意見聴取会を開催することといたします。』

東京電力が提出した報告書=施設運営計画を受けて、保安院は10/17に、10/22にいわき市で意見聴取会を開催することと、次の日の現地視察会を開くことを決めました。

12/15中期計画2

その意見聴取会の結果のコメントを東京電力にフィードバックし、要は書き直せ、と言ったわけです。

11/9 東京電力が保安院に報告書(その1)(改訂)を提出
『本日、東京電力から当院に対し、当院の見解及び専門家からの意見(以下「意見等」という。)を踏まえた報告書(その1)(改訂)が提出されましたのでお知らせします。今後、当院は再度意見聴取会を開催し、提出された報告書(その1)(改訂)について、意見等への対応等を確認し、慎重に評価して参ります。』

12/15中期計画3

その意見聴取会の結果はまた東京電力にフィードバックされました。もう一度書き直せ、というものだったようです。

また、11/9には枝野経産大臣と細野原発事故収束・再発防止担当担当大臣から東京電力、資源エネルギー庁及び原子力安全・保安院に対して、東京電力福島第一原子力発電所1~4号機の廃炉措置等に向けた中長期ロードマップの策定について指示がありました。

1. 東京電力福島第一原子力発電所の事故原因の徹底的な究明、その状況の把握と安全対策の実施に継続的に取り組むとともに、同発電所1~4号機の廃止措置終了までの合理的かつ具体的な工程を策定すること。
2. 事故収束及び廃止措置のための研究開発計画を策定すること。
3. 事故収束及び廃止措置のために従事する東京電力内外の現場作業員について、その処遇の向上を図りつつ十分に確保し、中長期措置の実現を担保すること。このために必要な人員計画を策定するとともに、その裏付けと
なる事業実施体制を整備すること。
4. 循環注水冷却システムなど設備の信頼性を向上するとともに、建屋内に滞留する高レベル放射性汚染水を速やかに処理すること。このための計画を策定すること。
5. 発電所全体から新たに放出される放射性物質等による敷地境界における被ばく線量について、1ミリシーベルト/年未満をできるだけ早期に達成すること。その後も、合理的に達成できる限り、当該被ばく線量を低減すること。このための計画を策定すること。
6. オンサイトにおける廃棄物管理や除染を的確に実施すること。そのための計画を策定すること。
7. 原子炉建屋内使用済燃料プールからの使用済燃料の取出しを2年以内を目途に開始すること。このため、共用プール分も含む使用済燃料の早期移送に必要な措置を明確化し、作業計画を策定すること。
8. 使用済燃料の移送と並行して、水張り等のための準備を進め、10年以内に溶融した燃料の取出しに着手すること。このために必要な計画を策定すること。

これを受けてだと思いますが、本日(12/15)のニュース(リンク先はNHKオンライン)にあったように、40年程度かけて廃炉にするという計画が出されました。

12/6 東京電力が保安院に対して報告書(その1)(改訂2)を提出
『昨日(12月6日)、11月11日に開催した意見聴取会での専門家からの意見及び当院の見解を踏まえた報告書(報告書(その1)(改訂2))を東京電力から受理しました。今後、当院は、専門家に改めてお集まりいただき、意見等への対応等を確認した上で、厳正にその内容の妥当性について評価して参ります。』

私のブログでも、「12/9 放射能汚染水の処理は1年で終わらず、実は炉心取出完了までかかる!」にそのあたりの内容を記載してあります。実はあの記事を書いた頃はこのような全体の流れをあまり理解できていませんでした。

12/8 東京電力は保安院に対して報告書(その2)を提出
この日東京電力が提出したのは報告書(その2)です。(その1)に対して(その2)は、循環冷却システム及び関連する設備以外の項目が記載されています。形の上ではこれで報告書が揃ったことになります。

<(その2)の掲載項目>
・原子炉格納容器
・放射性物質に汚染された瓦礫等の放射性固体廃棄物の管理
・使用済燃料プールからの燃料取りだし
・使用済燃料共用プール等
・使用済燃料乾式キャスク仮保管設備
・監視室・制御室

そして12/12、12/9に行った専門家の意見聴取の結果をふまえて、保安院は報告書(その1)に関する評価結果を原子力安全委員会に報告しました。一言で言ってしまうと妥当だ、という評価です。2回も書き直しさせたのだから大丈夫、ということなのでしょうか。

そして、12/12、今度は東京電力の報告書(その1)=施設運営計画が「中期的安全確保の考え方」に適合しているので、発電所の保安規定を変更しろ、と東京電力に命じました

『当院では、当該施設運営計画の妥当性について評価を実施し、本日、妥当であるという評価結果を公表しました。
以上を踏まえて、当院では、循環注水冷却システムに関連する設備等の保安管理に万全を期し、公衆及び作業員の安全の確保をより実効性のあるものとするため、同発電所の保安規定を速やかに変更することを指示しました(別添)。
 また、今後、その他の部分に係る施設運営計画が東京電力から報告された場合及び既に報告された施設運営計画を変更する場合についても同様に、当院の評価結果を踏まえ、同発電所の保安規定の変更を速やかに行うことを求めています。』

12/13、東京電力が提出した保安規定の変更を受理しています。

報告書(その2)に対する評価結果がどうなったのか、保安院のHPを見ていてもはっきりしません。まだ評価中なのか、あるいはその1と合わせて評価したのでもうOKとしたのか、曖昧です。

実は、この間に12/4に蒸発濃縮装置からの海への水漏れがあったため、その報告書の提出も入っており、保安院のHPを見ても非常に複雑になっています。念のためその流れも簡単にリンクのみ示します。

12/5 福島第一原子力発電所における蒸発濃縮装置からの放射性物質を含む水の漏えいを踏まえた対応について(指示)
12/8 東京電力株式会社福島第一原子力発電所における蒸発濃縮装置からの放射性物質を含む水の漏えいに係る報告書の受領について
12/8 東京電力株式会社福島第一原子力発電所における蒸発濃縮装置からの放射性物質を含む水の漏えいに係る報告書の受領について(すぐ上のリンクとの違いは不明です。関係ない資料のリンクもあるのでおそらくはタイトルのつけ間違いです。)
12/12 福島第一原子力発電所における蒸発濃縮装置からの放射性物質を含む水の漏えいに係る東京電力からの報告に対する評価及び指示について
12/13 福島第一原子力発電所における蒸発濃縮装置からの放射性物質を含む水の漏えいに対する対策の実施について

このブログではまだ紹介していませんでしたが、12日には同じ蒸発濃縮装置から下の図のような水漏れがありました。こちらは外部に漏れることもなく大した事故ではなかったようですが、再発防止策を指示されてとりまとめたばかりの時点での水漏れで、大丈夫かな?と思わせる出来事でした。

12/15中期計画5

今回は何があったかという書類の流れの話にとどめて、細かい内容については示しません。12/16に冷温停止を宣言するという話なので、それまでに間に合わせるように駆け込みでやっているような気がします。昨日ご紹介した原子炉建屋の放射能濃度についても、コンタンさんのコメントによれば12/16を意識しているのではないか、ということです。私もそういう気がしてきました。

12/16に向けていろいろな書類を出させて体裁を整えている中で、いきなり12/4に海洋への流出事故があったため、さらに慌てて報告書を出せ、という話になったように思います。これまで、4月の2号機や5月の3号機の時は、もっと時間をかけて報告書を出していました。今回の事故(これは3回目です)も、少なくとも漏れ出したストロンチウムの量を測定し、その結果が出てきてから報告書とするべきだと思いますが、全ベータの量から推定という形で急いで報告書を出してしまいました。このあたりも、12/16ありき、というスケジュールがあっての行動のような気がします。

スケジュールありきではなく、12月になってからこれまで予想していなかった経路からの海への流出が起きたのですから、一月くらい延期して本当に大丈夫か確認してからでもいいと思います。どうぜ廃炉に40年もかかるということなのですから、1ヶ月遅れてもあまり影響ないはずです。今年中に、と急ぐことに何か政治的意味があるのでしょうか?これで冷温停止宣言をした後で1月に何かトラブルが発生したらどうするつもりなのでしょうか?

関連記事
にほんブログ村 科学ブログへ ブログランキング・にほんブログ村へ
↑日本ブログ村ランキングに参加しました。よかったらクリックお願いします。

コメント

Re: 心配症(イルカさん遅くなってすいません)

イルカさん

確認してからと思ってコメントするのを忘れていました。遅くなってすいません。

東京電力が発表している海水データを見る限り、原発事故前から存在が確認されている量を大幅に超えるプルトニウム(Pu-239、Pu-240)は検出されていません。

プルトニウムが検出されているか?という問いに対してはYesです。
それが福島原発事故によるものか?という問いに対してはYesとは言えません(恐らくNoに近い)。
泡の中に集まっているか?という問いに対しては私は答を持っていませんが、海面の泡に集まることはないように思います。

Puに関しては、気にするレベルではないと思います。海水のデータなどは、第三者も測定して検証することができるので、東京電力もウソは言わないと思います。

> 噂で聞いたのですが、
> 沿岸の海の泡の中にプルトニウムが集まっていると聞いたのですが本当なんでしょうか?
>
> 海水は問題無くても波打ち際は砂も混じっています。

心配症

いつも拝見させてもらってます。汚染水に関する詳しい情報とても為になります。

僕はマリンスポーツをやるんで毎週、茨城の海に入っているのですが。

噂で聞いたのですが、
沿岸の海の泡の中にプルトニウムが集まっていると聞いたのですが本当なんでしょうか?

海水は問題無くても波打ち際は砂も混じっています。

今現在、週末になると沢山の人達が海に入っています。

海に入れば多少なりとも海水は飲みます。

みんな不安ながらも東京電力の発表を信じて海に入ってるのですが、問題ないのでしょうか?

プロフィール

TSOKDBA

Author:TSOKDBA
twitterは@tsokdbaです。
3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

FC2カウンター
ブログランキング
にほんブログ村 科学ブログへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
↑日本ブログ村ランキングに参加しました。よかったらクリックお願いします。
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
ふくしまの恵み(全量全袋検査の結果)

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

検索フォーム
カテゴリ
RSSリンクの表示
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
こちらにもぜひご記入を!
読んだ感想を是非お聞かせください。
無料アクセス解析
おすすめのリンク
QRコード
QR
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。