10/15 見方を変えるとこんなにも見えるものが違う!ゴッホの絵の真実
今日はお休みなので、いつもとは違った話題を。
昨日仕入れた情報で、「これはすごい!」と感動した話題をご紹介します。
昆虫の視覚は、人間とは違って波長の短い方にずれているため、紫外線領域も見ることができる、という話はご存じだと思います。花も、人間が見ている模様とミツバチが見ている模様が実は違っているのだ、というのはたとえば埼玉県のこのページとかにも載っているので、似たような写真を見たことがあると思います。

それと似たような例ですが、見る側のフィルターが違っていると、同じものを見ていても見えるものが違うといういい例として、ゴッホの絵があるということを昨日初めて知りました。
色覚の仕組みについて、北海道カラーユニバーサルデザイン機構(北海道CUDO)のHPに解説があります。人の網膜にある視細胞には、明るいところだけで働く錐体と呼ばれるものがあり、その錐体にはL(赤)、M(緑)、 S(青)の3種類があり、どのような波長の光を主に感じるか(分光感度) が異なっています。
日本人男性の95%、女性の99%が3種類の錐体がすべて揃っていますが、L錐体が働かない人、M錐体が働かない人、S錐体が働かない人、全ての錐体が働かない人、などといくつかのタイプの色盲や色弱者、医学用語でいうと色覚異常の人が数%の割合で存在します。
P型色覚(Protanope)には、3種の錐体のうち赤い光を主に感じるL錐体が無い人(P型強度)と、L錐体の分光感度がずれてM錐体と似通ってしまっている人(P型弱度)がいます。D型色覚(Deuteranope)には、緑の光を主に感じるM錐体が無い人(D型強度)と、M錐体の分光感度がずれてL錐体と似通ってしまった人(D型弱度)がいます。
色弱者のほとんどはこの4タイプ(P型強度・P型弱度・D型強度・D型弱度)で、合計で男性のほぼ5%を占めます。(欧米では男性の8~10%、アフリカでは2~4%です。)
長々と色覚異常の話をしてきましたが、実はゴッホの絵をP型やD型の色覚で見てみると、見にくくなるどころか、かえって活き活きとした色遣いになっているという発見があったのです。このあとでご紹介するブログの話を読むのに必要な知識だったので説明を加えました。
浅田一憲さんのブログに、「ゴッホの本当のすごさを知った日」というものがあります。
この方は、北海道CUDOの色覚異常を体験できるイベントに参加した際にゴッホの絵を見て、いつもよりも違って見えたそうです。ゴッホの絵が好きだった浅田さんは、ひょっとしてゴッホは弱度の色覚異常だったのではないか、と気がつきます。そして浅田さん自身が開発していた色のシミュレータというアプリを手直しして、P型弱度の色覚異常でゴッホの絵を見たらどうなるか?ということをシミュレーションしてみました。
その結果は、「ゴッホの本当のすごさを知った日」で実際に見てください。左と右に並べられた2枚の絵を比べたら、ゴッホが弱度の色覚異常だという説が正しく、また、ゴッホの絵が実は多くの人が見ているよりももっと素晴らしいものだったということがわかると思います。
なお、「ソラノイロ の ブログ」によると、2007年にすでにこのことに気がついていた方がいたそうです。確かに、以前に誰かが気がついていたからこそ、北海道CUDOにゴッホの絵があったのですね。
しかし、それを実際にシミュレーターを作ってオリジナルと比較して示してくれた浅田さんの功績は大きいと思います。体験ルームに行った人がフィルターを通してみたゴッホの絵のすばらしさをいくら口で説明しても、「ふーん」で終わってしまいます。頭では理解できても、実感できないからです。でも、こうやって絵として並べて示されて、自分の目で見ることで、多くの人は初めて理解できるのです。
文字通り「見る」ということは錐体という色フィルターを通して見ているのですが、フィルターの違いによって、同じものを見ていても全く違って見えるといういい実例でした。いずれは人とミツバチの見え方の違いと同じように、視細胞の働きを説明する時にゴッホの絵が取り上げられるようになると思います。
同じ物事を見ていても、その人の持っているフィルター(ここでいうフィルターは意識上のフィルターのこと)を通しているため、見え方が全く違って見える事があることはよく体験します。原発事故の話でも、人によって同じ現象のとらえ方が全く違ったりします。これはその人の頭の中で情報をフィルタリングする際に、フィルターのかかり方が違うからです。
今日の話は、私にとっては二つの点で非常に興味深いものでした。今後のブログの参考にさせてもらうつもりです。
1.同じ物事を見ていても、見る側のフィルターのかかり方で物事は全く違って見えるものだということを一つのわかりやすい実例で示してもらえたこと。
2.一つの情報を人に伝えるのに、視覚に訴えるということが非常に重要であるということを改めて認識させられたこと。
日本人男性の95%、女性の99%が3種類の錐体がすべて揃っていますが、L錐体が働かない人、M錐体が働かない人、S錐体が働かない人、全ての錐体が働かない人、などといくつかのタイプの色盲や色弱者、医学用語でいうと色覚異常の人が数%の割合で存在します。
P型色覚(Protanope)には、3種の錐体のうち赤い光を主に感じるL錐体が無い人(P型強度)と、L錐体の分光感度がずれてM錐体と似通ってしまっている人(P型弱度)がいます。D型色覚(Deuteranope)には、緑の光を主に感じるM錐体が無い人(D型強度)と、M錐体の分光感度がずれてL錐体と似通ってしまった人(D型弱度)がいます。
色弱者のほとんどはこの4タイプ(P型強度・P型弱度・D型強度・D型弱度)で、合計で男性のほぼ5%を占めます。(欧米では男性の8~10%、アフリカでは2~4%です。)
長々と色覚異常の話をしてきましたが、実はゴッホの絵をP型やD型の色覚で見てみると、見にくくなるどころか、かえって活き活きとした色遣いになっているという発見があったのです。このあとでご紹介するブログの話を読むのに必要な知識だったので説明を加えました。
浅田一憲さんのブログに、「ゴッホの本当のすごさを知った日」というものがあります。
この方は、北海道CUDOの色覚異常を体験できるイベントに参加した際にゴッホの絵を見て、いつもよりも違って見えたそうです。ゴッホの絵が好きだった浅田さんは、ひょっとしてゴッホは弱度の色覚異常だったのではないか、と気がつきます。そして浅田さん自身が開発していた色のシミュレータというアプリを手直しして、P型弱度の色覚異常でゴッホの絵を見たらどうなるか?ということをシミュレーションしてみました。
その結果は、「ゴッホの本当のすごさを知った日」で実際に見てください。左と右に並べられた2枚の絵を比べたら、ゴッホが弱度の色覚異常だという説が正しく、また、ゴッホの絵が実は多くの人が見ているよりももっと素晴らしいものだったということがわかると思います。
なお、「ソラノイロ の ブログ」によると、2007年にすでにこのことに気がついていた方がいたそうです。確かに、以前に誰かが気がついていたからこそ、北海道CUDOにゴッホの絵があったのですね。
しかし、それを実際にシミュレーターを作ってオリジナルと比較して示してくれた浅田さんの功績は大きいと思います。体験ルームに行った人がフィルターを通してみたゴッホの絵のすばらしさをいくら口で説明しても、「ふーん」で終わってしまいます。頭では理解できても、実感できないからです。でも、こうやって絵として並べて示されて、自分の目で見ることで、多くの人は初めて理解できるのです。
文字通り「見る」ということは錐体という色フィルターを通して見ているのですが、フィルターの違いによって、同じものを見ていても全く違って見えるといういい実例でした。いずれは人とミツバチの見え方の違いと同じように、視細胞の働きを説明する時にゴッホの絵が取り上げられるようになると思います。
同じ物事を見ていても、その人の持っているフィルター(ここでいうフィルターは意識上のフィルターのこと)を通しているため、見え方が全く違って見える事があることはよく体験します。原発事故の話でも、人によって同じ現象のとらえ方が全く違ったりします。これはその人の頭の中で情報をフィルタリングする際に、フィルターのかかり方が違うからです。
今日の話は、私にとっては二つの点で非常に興味深いものでした。今後のブログの参考にさせてもらうつもりです。
1.同じ物事を見ていても、見る側のフィルターのかかり方で物事は全く違って見えるものだということを一つのわかりやすい実例で示してもらえたこと。
2.一つの情報を人に伝えるのに、視覚に訴えるということが非常に重要であるということを改めて認識させられたこと。
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