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10/23 お米の放射能データのまとめ(2) 福島県のセシウムの平均値は?

 
10/12 福島県の米、二本松市も含めて本調査では暫定基準値越えなし!」で速報としてお伝えしましたが、福島県のお米(玄米)の本調査の結果がまとまりました。全48市町村において、放射性セシウムは暫定基準値(500Bq/kg)を超えませんでした。

予備調査で500Bq/kgの放射性セシウムを検出した二本松市旧小浜町では、同じ田んぼから470Bq/kgの放射性セシウムが検出されました。福島県は、この田んぼ付近9アールの米を研究用に全て買い上げて、市場には出荷させないことを決めました。従って、市場に出回る米で、放射性セシウムの最高値は、伊達市(旧小国町)の163Bq/kgです。

一方、河北新報によると、全農福島県本部は不検出の米のみを出荷するという方針を決めました。福島県の調査においても、定量下限値未満で不検出(福島県の調査ではCs-134とCs-137を合わせて約20Bq/kgが定量下限値です)の米が全体の約82%でしたので、多くの米が出荷可能となる予定でした。ところが、その後で福島県知事の横やり(?)が入って、結局二本松市の一部を除いて全ての米が出荷可能ということになったようです。18日には二本松市のお米が出荷された、というニュースもありました。

10/10 お米の放射能データのまとめ(1) 福島県以外のセシウムの平均値は?」において米のセシウムの平均値を算出しましたが、福島県のデータも基本的にはそれと同じ方法で計算しようと思います。

福島県の場合、早場米(早期出荷米)101件一般米の予備調査449件一般米の本調査1174件があります。今回は、まずは全てまとめて1724件で計算します。

福島県のデータは、定量下限値がCs-134:10Bq/kg、Cs-137:10Bq/kgです。従って、ND(不検出)のデータを、0Bq/kgの場合、10Bq/kgの場合、定量下限値の半分で5Bq/kgの場合の3通りで計算してみます。

Cs-134:NDが1499件、残りは226件で、最大が220Bq/kg、最小が7.2Bq/kgでした。
Cs-137:NDが1425件、残りは300件で、最大が280Bq/kg、最小が6.3Bq/kgでした。

NDのデータを0Bq/kgとすると、放射性セシウム(Cs-134+Cs-137)の量は、平均6.2±23.3Bq/kgになります。
NDのデータを10Bq/kgとすると、放射性セシウム(Cs-134+Cs-137)の量は、平均23.2±19.9Bq/kgになります。
NDのデータを5Bq/kgとすると、放射性セシウム(Cs-134+Cs-137)の量は、平均14.7±21.4Bq/kgになります。

従って、福島県の玄米の放射性セシウムは、最小6.2~最大23.2Bq/kgの間(平均として14.7Bq/kg)ということになります。前回「10/10 お米の放射能データのまとめ(1) 福島県以外のセシウムの平均値は?」において、定量下限値の合計が40Bq/kgだった6県の加重平均を出したところ、最小0.59~最大40.0Bq/kgの間(平均として20.3Bq/kg)でしたので、それよりも定量下限値が低い分だけ福島県のお米の最大値は低くなっています。

一般米の本調査結果について見ると、1174件です。その中でも、予備調査において500Bq/kgの放射性セシウムを検出した二本松市の旧小浜町は470Bq/kgでしたが、この田んぼの付近のお米は県が研究用に買い上げて出荷しません。それを抜いて計算すると、1173件で最小4.9~最大22.1Bq/kgの間(平均として13.5Bq/kg)ということになります。平均ではあまり変わりませんね。

福島県のデータを他県と比較してみます。原子力災害対策本部によって指示が出ていたのは17都県でした。

10/16米比較表

最小値はあまり比較しても意味がないので、「最大値」(ND=定量下限値とした場合)と、「定量下限値(最大値)の1/2」(ND=定量下限値の1/2とした場合)で比較します。その結果、福島県の定量下限値は茨城県、千葉県、宮城県などの半分のため、数値としても他の都県より高いわけではないことがわかります。

米の産地は多くの場合、県単位で表示されますので、県単位の平均値で考えるしかありません。そういう意味では、こういう比較が参考になると思います。心理的には福島県の米は危ない、という気持ちが強いと思いますが、冷静に見ると福島県の米が放射性セシウム量が多い、とは決して言えないことがわかると思います。

ただ、平均だけで話をしてはいけないというのも確かです。こういうデータを見る場合、分散を見る必要があります。いわゆるバラツキ具合です。また、それとも関係しますが、実際に高い値の出ている率をみるのも一つです。そこで、ND=定量下限値として、17都県のデータを平均値±標準偏差の形で表してみました。また、数値が検出されたデータの個数も書いて比較してみました。

10/17米福島4

こうやって標準偏差をつけて見ると、福島の米は標準偏差が大きい=バラツキが大きいことがわかります。でも、福島県では数値が検出されていますが、他の県ではNDになる<40Bq/kgのサンプルが260検体もあるため、同じ基準で測定すれば、約95%がNDになっていたという計算になります。今の基準でも、福島県の米も8割以上がNDなのですから、ごく一部が高いだけで、ほとんどは低い数値です。他の県が定量下限値が高いので、比較が難しいだけです。

でも、心理的には、福島県産と北海道産あるいは新潟県産を並べられたら、後者を選んでしまうのも事実です。結局実現はしませんでしたが、全農福島県本部が不検出米のみ出荷するという方針を出したというのは、個人的には正解な気がします。福島県のNDと、他の多くの定量下限値=40Bq/kgのNDとでは、福島県のNDの方が安心できますから。

でも、この違いをわかる人は少ないかもしれません。多くの人は、地名だけで判断してしまうかも。難しいところですね。

それから、二本松市の旧小浜町の予備調査で500Bq/kgの放射性セシウムが検出された件、福島県は17日に悪条件がいくつも重なったため、という中間報告(リンクはasahi.com)を出しました。

それによると、主に次の3つが複合的に作用したのではないか?ということです。

・土壌の成分で砂が75%と多く、セシウムを吸着しやすいといわれている粘土質が13%と県内の平均よりも少なかった。
・肥料として入れたK(カリウム)が3.1mg/100gで、県の平均20mg/100gよりも少なかった。
・田には常時わき水が流れ込んでいた上、イネの根が短く、水に浸る状態が続いていたため、根からセシウムを吸い上げやすかった可能性がある。

2番目のカリウムの話は、初めて出てきた情報です。セシウムはカリウムと同じアルカリ金属ですので、カリウムと同じような機構で植物体内に吸収されるといわれています。そこで、カリウムを肥料として大目に使っていれば、セシウムの吸収を抑えられるということは福島県も5月には情報を出していました。ですから、この情報を知って対応していれば少しは違ったかもしれません。

10/23米

福島県のデータのまとめだけで結構長くなったので、まとめを書いて、今回はここまでにしておきます。

1.福島県産米の放射性セシウムのデータを最終的にまとめると、意外なことに、バラツキは他県よりも多いものの、一番高く見積もっても平均23.2±19.9Bq/kgとそれほど高い数値ではありませんでした。定量下限値の設定の問題で、福島県よりも高い平均値を出している県も多くありました。

2.発表が始まった時から課題として認識していましたが、定量下限値の設定のしかたが課題として浮かび上がりました。測定器の測定時間の限界もあるのでしょうが、もっと低い定量下限値を設定した方がお米に対する不安を払拭できたと思います。

3.結局、来年につながるデータを取得できたのかどうか、疑問が残る結果となりました。おそらく農水省の研究所などで、土壌の放射性セシウム濃度と玄米の放射性セシウム濃度を比較して、移行係数を計算するような事はやっているのだと思いますが、まだ発表されていません。来年以降の事を考えるためには、今年のデータを早く公表して欲しいと思います。

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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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