10/16 横浜市港北区のストロンチウム検出の続報-横浜市の検査結果
横浜市港北区のマンション屋上の堆積物から195Bq/kgの放射性ストロンチウムが検出されたことは「10/12 横浜市のマンション屋上からSrが195Bq/kg検出のニュースの意味は?」でご紹介しました。
このニュースを受けて、横浜市が独自に市内の調査を行ってその結果を発表しました。前回のフォローとしてお伝えします。
毎日JPによれば、同じマンションのサンプルも再測定したのですが、管理組合の了解が得られていないとして公表されませんでした。
10/14に横浜市の発表した内容によると、横浜市では、9/17に市内各地の土壌などの調査を行ってセシウムのデータを公表しています。今回は、9月に港北区大倉山と新横浜周辺の堆積物を核種分析した同じ検体でストロンチウムの測定を行いました。
その結果、次のようにSrのデータとCsのデータが揃いました。

上の表によると、港北区大倉山の道路側溝雨水桝では、
Cs-134:17627Bq/kg、Cs-137:21385Bq/kg、合わせて39012Bq/kg
Sr(Sr-89とSr-90の合計):129Bq/kg、Sr/Cs-137比率=0.60%でした。
新横浜周辺の噴水底部では、
Cs-134:14562Bq/kg、Cs-137:17008Bq/kg、合わせて31570Bq/kg
Sr:59Bq/kg、Sr/Cs-137比率=0.35%でした。
前回の港北区マンション屋上では
Cs-134:29775Bq/kg、Cs-137:33659Bq/kg、合わせて63434Bq/kg
Sr:195Bq/kg、Sr/Cs=0.3%(Sr-90/Cs-137=0.6%)
でしたから、Sr/Cs比率はほぼ変わっていないということがわかります。
なお、今回の測定は、マンション屋上のサンプルを依頼した検査機関と同じ検査機関で測定しています。詳細はわかりませんが、簡易的な方法での測定のため、Sr-89とSr-90の区別ができない方法のようです。Sr-89は半減期が50日ですので、3月時点よりも1/20程度には減少しているはずです。
追記:測定機関である「同位体研究所」のHPによれば、RadDiskと呼ばれる固相ディスクを用いた固相抽出法により、従来の方法よりも迅速に測定できるようにしているそうです。ただし、『RadDiskは、分子認識技術を用いて、ストロンチウムを選択的にディスクに吸着・回収します。 この過程では、放射性ストロンチウム89/90が同時に回収されますので、測定値は、Sr89とSr90の合算となります。』ということで、Sr-89とSr-90の区別はできません。また、3月時点ではSr-89/Sr-90=15程度だったので、現在はSr-89/Sr-90=1に近いということです。
横浜市は、以下の対応を取ることを発表しています。
『ストロンチウムの存在が確認されたことを受け、横浜市災害対策本部放射線対策部会議を開催し、次の点を確認しました。
① 国(文部科学省等)に測定結果等の情報提供を行う。
② 国が東京電力福島第一原子力発電所から半径100kmで行っている、ストロンチウム等の調査範囲を本市内も含め拡大することを要望していく。 』
今回のデータも前回のマンション屋上のデータとほぼ同じ結果になったということから、Sr/Cs比率については0.5%前後であると考えておいて間違いではないということがわかりました。
となると、前回も書いたように、Cs-137(あるいは放射性セシウム全体)がわかっていれば、そこからストロンチウムの量は大ざっぱに計算することができます。もちろん、今後多くの測定がされていけば、Sr/Cs比率が大きく違う地域が出てくるかもしれません。ですが、基本的にはこれまでの知見で目安としては充分だと思います。
今回のことを受けて、ストロンチウムの測定を増やすというやり方もあると思いますが、それよりも簡単に測定できるセシウムの測定を細かく行って、ストロンチウムの量はそこから推論するという手法でも充分と思います。今回のようにセシウムが10000Bq/kg以上もある場所があるという事の方を重要視した方がいいと私は思いました。
10/14に横浜市の発表した内容によると、横浜市では、9/17に市内各地の土壌などの調査を行ってセシウムのデータを公表しています。今回は、9月に港北区大倉山と新横浜周辺の堆積物を核種分析した同じ検体でストロンチウムの測定を行いました。
その結果、次のようにSrのデータとCsのデータが揃いました。

上の表によると、港北区大倉山の道路側溝雨水桝では、
Cs-134:17627Bq/kg、Cs-137:21385Bq/kg、合わせて39012Bq/kg
Sr(Sr-89とSr-90の合計):129Bq/kg、Sr/Cs-137比率=0.60%でした。
新横浜周辺の噴水底部では、
Cs-134:14562Bq/kg、Cs-137:17008Bq/kg、合わせて31570Bq/kg
Sr:59Bq/kg、Sr/Cs-137比率=0.35%でした。
前回の港北区マンション屋上では
Cs-134:29775Bq/kg、Cs-137:33659Bq/kg、合わせて63434Bq/kg
Sr:195Bq/kg、Sr/Cs=0.3%(Sr-90/Cs-137=0.6%)
でしたから、Sr/Cs比率はほぼ変わっていないということがわかります。
なお、今回の測定は、マンション屋上のサンプルを依頼した検査機関と同じ検査機関で測定しています。詳細はわかりませんが、簡易的な方法での測定のため、Sr-89とSr-90の区別ができない方法のようです。Sr-89は半減期が50日ですので、3月時点よりも1/20程度には減少しているはずです。
追記:測定機関である「同位体研究所」のHPによれば、RadDiskと呼ばれる固相ディスクを用いた固相抽出法により、従来の方法よりも迅速に測定できるようにしているそうです。ただし、『RadDiskは、分子認識技術を用いて、ストロンチウムを選択的にディスクに吸着・回収します。 この過程では、放射性ストロンチウム89/90が同時に回収されますので、測定値は、Sr89とSr90の合算となります。』ということで、Sr-89とSr-90の区別はできません。また、3月時点ではSr-89/Sr-90=15程度だったので、現在はSr-89/Sr-90=1に近いということです。
横浜市は、以下の対応を取ることを発表しています。
『ストロンチウムの存在が確認されたことを受け、横浜市災害対策本部放射線対策部会議を開催し、次の点を確認しました。
① 国(文部科学省等)に測定結果等の情報提供を行う。
② 国が東京電力福島第一原子力発電所から半径100kmで行っている、ストロンチウム等の調査範囲を本市内も含め拡大することを要望していく。 』
今回のデータも前回のマンション屋上のデータとほぼ同じ結果になったということから、Sr/Cs比率については0.5%前後であると考えておいて間違いではないということがわかりました。
となると、前回も書いたように、Cs-137(あるいは放射性セシウム全体)がわかっていれば、そこからストロンチウムの量は大ざっぱに計算することができます。もちろん、今後多くの測定がされていけば、Sr/Cs比率が大きく違う地域が出てくるかもしれません。ですが、基本的にはこれまでの知見で目安としては充分だと思います。
今回のことを受けて、ストロンチウムの測定を増やすというやり方もあると思いますが、それよりも簡単に測定できるセシウムの測定を細かく行って、ストロンチウムの量はそこから推論するという手法でも充分と思います。今回のようにセシウムが10000Bq/kg以上もある場所があるという事の方を重要視した方がいいと私は思いました。
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