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10/19 海洋プランクトンから669Bq/kgの放射性セシウム検出!

 
10/14のNHKオンラインや10/15の日経新聞Webによれば、東京海洋大が海の動物プランクトンの放射性セシウム濃度を測定したところ、沿岸では最大で669Bq/kgの放射性セシウムを検出したそうです。

東京海洋大学の石丸教授の『チームは7月上旬、いわき市の沿岸から60キロメートル沖までを船で航海し、プランクトンや小型の底生生物を採取。検出したセシウムは、沿岸近くのプランクトンが最高で1キログラム当たり669ベクレルと高く、沖合10キロメートルでは同6ベクレルと低くなった。また底生生物のクモヒトデからは同137ベクレルを検出。底生生物は海底にたまった放射性物質を取り込むため、今後濃度が高くなる恐れがあるという。』(日経Webより)

『東京電力福島第1原子力発電所事故の放射性物質が取り込まれたとみられ、プランクトンを餌とする魚類への影響が懸念される。石丸隆教授は「食物連鎖で魚にどのように濃縮されるか分からないので継続的な調査が必要だ」と話す。』(日経Webより)

プランクトンに最大で669Bq/kgの放射性セシウムがあるとなると、それを食べる魚への影響はどれくらいあるのか?というのが気になりますよね?

そのあたりについては、私は5月の段階で「まとめ4:海洋放射能汚染と魚介類への影響1:基本的な内容」と「5/22 まとめ5:海洋放射能汚染2:これを理解すれば魚介類への汚染を予想できる!」でまとめています。

半年近く前の文章なのですが、今読み返しても特におかしな所はほとんどありません。放射能による海洋汚染と魚への影響についてまだ読んでいない方は一度読んでみてください。

さて、その中でも引用させてもらった、水産庁のHPにあった図ですが、下の図の右上のグラフ(赤い線でCs-137というところ)を見てください。動物プランクトンの海水からの放射性セシウムの濃縮率が20倍くらいです。それに対して、小型魚類、大型魚類でも100倍にいっていないというデータを水産庁は出しています。つまり、10000倍とかの生物濃縮が起こる農薬とは異なり、放射性セシウムの場合は海水から見て100倍程度にしか濃縮がかからないということを示したかった図です。(なお、このスライドの表現が問題になってあとで修正されました。上のまとめ4とまとめ5で修正前の図と修正後の図をそれぞれ引用していますので、比較してみてください。)

10/19プランクトン1

この濃縮の倍率については、上の図の元になった笠松さんの文献ではプランクトンで26倍が大型魚類で48倍といっていますが、IAEAが出している資料(英語)では動物プランクトンで40倍なのが魚では100倍になるといっています。

いずれにしても、プランクトンから魚へは2-3倍しか濃縮がかからないというのが通説のようです。

次の図も5月のまとめ記事で引用したものですが、大型魚類への濃縮がいつごろ起こるか、ということを示したものです。過去のチェルノブイリのデータでは、海水の汚染のピークから半年以上遅れてから魚の汚染のピークが来るということがわかっています。実際、海水の汚染は5月にほぼ終息しましたが、カレイやスズキの放射性セシウム濃度は、徐々に上がってきていて、まだ高めの値で安定しています

10/19プランクトン2

つまり、今後も魚の放射性セシウムの汚染にはまだまだ注目していく必要があるということです。一方、669Bq/kgという数値については、詳細なデータが発表されていないことと、沖合3kmでは最高669Bq/kg(NHKオンラインより)でしたが、沖合10kmではわずか6Bq/kgということだったので、狭い地域のみが高濃度に汚染されており、注意すべき魚は限られる可能性もあります。従って、単純に669Bq/kgの3倍で約2000Bq/kgの放射性セシウムを含んだ魚が出てくる、と騒ぐのは早計だと思います(もちろんその可能性を否定はしません)。

また、東京海洋大学には、ぜひとも詳細なデータの公開をお願いしたいと思います。(もしどこかに公開されているのをご存じの方がいたら教えてください。)

また、魚の放射能データも、漁期がおわるとその魚のデータを取るのを止めてしまうことが多いため、本当の意味でのモニタリングになっていません。例えばコウナゴ(イカナゴ)のデータも、4月末に今年のコウナゴ漁は断念、となったとたんに茨城県のデータが発表されなくなりました。漁をする魚の放射能を測定するのではなく、この魚の放射能がどのように推移していくか、という視点で大型魚、小型魚などいくつかの魚を選択して、モニタリングするように水産庁は指導して欲しいと思います。

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コメント

Re: No title

> どこかに海洋汚染の鉛直方向の拡散について解説した資料はないでしょうか?

以前鉛直方向の拡散についても解説した日本語の文献を読んだことがあるのですが、だいぶ前のことなので、探してみますね。今回の汚染ではなく、核実験の時の話を理論的に解説したものだったような気がします。難しくてスルーしたような気もします。

No title

どこかに海洋汚染の鉛直方向の拡散について解説した資料はないでしょうか?

3月~5月にかけて、海水より比重の軽い汚染水は、表層を広がってゆきました。
このことは、海水のデータでも、海底土のデータでも確認できますし、この頃
最も激しく汚染されたのは、表層を泳ぐコウナゴやシラス、次いで浅い海の
魚や磯根資源でした。

7月上旬のプランクトンの放射性セシウムが、沿岸近くで高かったことも、
この状況を説明するものでしょう。
(報道では、あたかも現在もプランクトンの汚染が激しくて、それが大型魚に
 濃縮されるかのような印象も受けますが、そう言えるものではありません。)

その後、海水中の放射性セシウムはどこへ向かったのでしょう?均一に薄まった
のでしょうか?それとも沈降して底泥にたまっているのでしょうか?

現在、底魚の汚染が酷いことからすると、沈降したものが多いような気もしますが、
底質のデータからは、はっきりとしたことはわかりません。

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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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