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4/3 海洋放射能汚染で魚を食べても大丈夫か?その3

「4/3 海洋放射能汚染で魚を食べても大丈夫か?その2」
http://tsukuba2011.blog60.fc2.com/blog-entry-44.html
の続きです。

さて、「その1」で学んだ基礎知識を復習します。過去のデータとの比較が可能な、半減期の長いセシウム137(Cs-137)に絞って話を進めていきたいと思います。

過去の文献などからのまとめ
・海水中にも、1950-70年代の核実験の名残りで、Cs-137は微量存在する。0.003Bq/L=3mBq/L=3mBq/kgがこれまでのベースライン(バックグラウンド)。
・魚内の濃度/海水中の濃度=濃縮度とすると、Cs-137の濃縮度はおおざっぱにいって100倍である。ただし、魚の種類、大きさによってもかなり幅がある。
マイワシを例に取ると、Cs-137の濃度はだいたい0.1-0.2Bq/kgであった(1980年代のデータ)。ただし、チェルノブイリ事故のあった年だけは高く、それでも0.8-0.9Bq/kgであった。

今回の事故後のデータを現時点でざっとまとめました。
ただし、海水への放出がいつの時点から起こっているのか、いつがピークなのか、など、わからない要素がかなりあるため、今後判明するデータによっては解釈が大きく変わる可能性もあることを予めお断りしておきます。

(1)海水中のデータ
・東電が示している福島第一原発の放水口付近では、47Bq/cm3=47000Bq/kgの濃度のCs-137が検出されている
・法律で定められている基準値は、0.09Bq/cm3=90Bq/L=90Bq/kgである。従って、基準値の527倍のCs-137が検出された(3/30のデータ)。
・ちなみに、ヨウ素131(I-131)の基準値は0.04Bq/cm3=40Bq/L=40Bq/kgで、このときに180Bq/cm3=180000Bq/kgのI-131が検出されたため、基準値の4385倍といってニュースになっていたと思います。
・一番気になる南放水口付近の放射能濃度の推移を示します。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110331g.pdf 3ページ目
東電放水口データ推移3/31
※まず、このグラフは縦軸が対数なので、注意してください。次に、単位がBq/cm3なので、Bq/kgに直すためには1000倍して考える必要があります。(これは東電が数字を低く見せようとしている可能性があります。)そして、26日に高くなり、一度下がった後に29日に高くなり、このまま上がっていく様相もあります。今後収まってくれるのか、まだ流れ続けているのかが一番知りたいところです。

・文科省が測定している、海洋の定点観測のデータです。まずは場所を示します。地図の中の1,3,5,7,9です。
文科省定点地図緯度経度付き

それぞれの地点のI-131とCs-137のデータの推移です。
・福島原発のやや北にあるNo.3では、23日以降下がってきています。それ以前のデータがないので、これが何を示しているのかは不明です。
・福島原発に一番近いNo.5では、No.3と同様、23日以降下がっていますが、Cs-137については28日以降また上がってきています。これも今後の推移を見守らないとわかりません。
・このあたりの海流がどうなっているのか?また、降雨の影響があるのか?など、もう少し情報を合わせて解析する必要があります。
文科省海洋グラフ4/2

・4/1時点での海洋中のCs-137濃度は、表層では単純に平均して6.7Bq/kg、下層(約100m)では4.6Bq/kgです。魚に影響するのは表層なのか、下層なのかわからないので両者の平均を取って、4/1現在で福島原発から約40Kmの沖合では、Cs-137の濃度は5.6Bq/kgとしておきます
4/2海水データ

(2)水産庁の魚の放射能汚染のデータを見ます。多くのサンプルで不検出(検出限界:約1Bq/kg)ですが、たまに検出されているサンプルを見ると、3.0、4.1、8.1Bq/kgとなっており、過去の文献にあった0.2-0.3Bq/kgよりは10倍程度高めの数値が出ています。ただし、これが東電の事故の影響を受けたものなのかどうかは断定できません。
http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/kensa/pdf/20110401datasheetr.pdf

今後の予想
非常に大ざっぱで大胆な予想をすると、下記のようになります。

・4/1現在、福島原発近辺の海洋中のCs-137の濃度はだいたい5Bq/L=5Bq/kgである。バックグラウンドと考えられる文献値の2-3mBq/kgから約1000倍に上がっている。
・これまでのデータから、Cs-137の生物濃縮(海水からの濃縮度)は約100倍である。
・今後、この海水中の濃度が変わらないとすると、5×100=500で、魚から500Bq/kg前後の放射性物質が検出される可能性がある。
・水産物の放射性セシウムの暫定基準値は500Bq/kgなので、基準値を超える検体が検出される可能性は否定できない。

ただし、この想定は現時点の最大値を予想したものと考えてください。

実際には、下記のことを考慮する必要があります。
・海洋中では海流に乗って放射性物質が拡散するため、文科省測定のデータからかなり薄まる可能性はある。実際、放水口では47000Bq/kgなのが、40km離れたら5Bq/kgと10000倍近く希釈されている。さらに離れると、もっと薄まる可能性が高い。
・一方すでに、3-8Bq/kgの放射線物質を検出している魚がいるため、100倍の濃縮度として逆算すると、海水中の濃度は0.03Bq/kg程度にまで上がっている可能性はある(過去のデータでは0.003Bq/kg程度が通常値)。
・東電原発から海水中に漏れている放射能が今後は沈静化するのか、まだ出続けるのかによって、今後の数値が上がるのか下がるのか読めない。

今後の各種データを見ながら、さらにウオッチしていきたいと思います。
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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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