スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

10/28 食品安全委員会の最終答申 内部被曝で「生涯おおよそ100mSv」を目安に

 
10/27、食品安全委員会はパブリックコメント(通称パブコメ)の結果をふまえた最終答申を厚労省に対して通知しました。これを受けて、厚労省では来週31日から新たな基準値作りに入ることになります(以前の厚労相の発言からすると、基本的には厳しくして基準値を引き下げる方向になると思います)。

まず、食品安全委員会の位置づけを確認しておきます。それにはこの図がわかりやすいでしょう。

10/28食品安全委員会2

食品安全委員会というのは、内閣府の中にある機関です。食品の安全ということについては、厚労省が「リスク管理機関」、つまり基準値を作ったりして実際の行政を行う機関です。そして食品安全委員会は「リスク評価機関」です。つまり厚労省が作った基準が問題ないかどうか、評価する機関です。

厚労省は原発事故直後の3/17に暫定規制値を定めました。しかし、この基準でいいのかどうか、厚労大臣がリスク評価を3/20に諮問しました。食品安全委員会では3月下旬に5回の委員会を開催して、緊急とりまとめを3/29に通知しました(このあたりの詳細については「6/11 食品の暫定基準値の考え方についてまとめました」参照)。これを受けて厚労省は暫定規制値を維持することにしました。

ただ、食品安全委員会も3/29に緊急とりまとめをしたものの、諮問を受けた内容については継続して議論を重ねてきました。その結果、下の図に示すように、「放射性物質の食品健康影響評価に関するワーキンググループ」を設置して検討し、7月下旬にワーキンググループの見解をまとめました。

その後、このワーキンググループの見解を元にパブリックコメントの募集(パブコメ)を行い、その結果をふまえて最終的なまとめを厚労省に通知しました。今後は、通知を受けた厚労省がその通知を元に新たな基準値を制定することになっています。

10/28食品安全委員会1


ちょっと難しかったかもしれませんが、基本的な枠組みについては以上のような流れになります。食品安全委員会が基準を作る機関ではない(基準を作るのはリスク管理機関の厚労省)ということを理解しておくことは重要です。

では、食品安全委員会が出した最終的なまとめについて見ていきましょう。

食品安全委員会のHPには、概要をまとめた資料や、200ページ以上に及ぶpdf資料からなる「評価書」、「食品安全委員長談話」、そして3089通もの意見があったパブコメの結果基本的な事から記載してあるQ&Aが掲載されています。

一番簡単にまとめてある「概要」を見ると、食品安全委員会の結論が書いてあります。

10/28食品安全委員会概要1

1.食品健康影響評価として、生涯における追加の累積の実行線量がおおよそ100mSv以上で放射線による健康影響が出る可能性がある。
2.そのうち、小児の機関については、感受性が成人より高い可能性(甲状腺がんや白血病)がある。
3.100mSv未満の健康評価について言及することは現在得られている知見からは困難である。

そして、これらのことから、『今後のリスク評価(規制値の設定)については、評価結果が生涯における追加の累積線量で示されている事を考慮し、食品からの放射性物質の検出状況、日本人の食品摂取の実態等をふまえて行うべき』としています。

3月29日に出した緊急とりまとめとの比較は下の図のようになっています。3月時点ではあくまで緊急事態における基準値のあり方ということでまとめましたが、今回は、平常時も含めて生涯の追加の累積線量ということで100mSv以上という数値を出してきています。

10/28食品安全委員会概要2

なお、7月にワーキンググループがとりまとめた時には、空気中の放射性物質による外部被曝も含めて「生涯100mSv」を目安にしていました。しかしその後に寄せられたパブコメの結果を踏まえ、現状では外部被曝の影響は小さいとして、食品による内部被曝に限定(リンクは読売オンライン)しました。

つまり、外部被曝も含めて生涯で100mSvという、かなり踏み込んだワーキンググループの案を、最終的なまとめにおいては外部被曝を除く形にして、そちらについては厚労省や環境省に判断をゆだねる形にしました。そこが7月からは大きな修正になります。

それでも、日本人の平均で80年生きるとすると1年に1.25mSvという事になり、3月の時点で出していたようなセシウムで年間5mSvとかヨウ素で年間2mSvという緊急時の基準からは大幅に厳しい基準を設定することになる可能性があります。これについては、厚労省は『小宮山洋子厚生労働相は「さらに安全性を確保する必要があり、(暫定規制値を)厳しくする」との方針を示しており、同省は31日に薬事・食品衛生審議会を開き、見直し作業を開始する。(日経新聞Web)』ということで、来週から見直しの作業に入るようです。

なお、NHKオンラインによると、厚労省は来年4月から年間1mSvに引き下げる方向で検討しているということです。現在の1/5に引き下げる方向のようです。単純に1/5になったと仮定すると、例えばお米の放射性セシウムの基準値が500Bq/kgだったのが、100Bq/kgになるということです。

本当ならば、食品安全委員会の検討した内容にまで踏み込んで紹介できるといいのですが、答申の資料、パブコメの資料がそれぞれ200ページを超える膨大なものであるため、全体像をしっかりと把握するには時間が足りません。今回は省略させていただきます。もし機会があれば後日ご紹介したいと思います。

関連資料にはリンクを貼ってありますので、興味のある方はぜひお読み下さい(まずはQ&Aから読んでみたらいいかもしれません)。食品と放射能に関してかなり広範囲の文献を調査して引用していますし、客観的に分析されています。わからないことがあった時に調べるのには、かなり分厚いですが非常にいい資料だと思います。

関連記事
にほんブログ村 科学ブログへ ブログランキング・にほんブログ村へ
↑日本ブログ村ランキングに参加しました。よかったらクリックお願いします。

コメント

パブコメは?

流石、仕事はやいです。
パブリックコメントに関して言えば、3,000通7,000件以上の意見が寄せられたとの事ですが、募集結果のPDF220ページにある様に「今回の評価結果に影響するような情報は確認できず」との事で、実質ワーキンググループの意見をそのまま採用といった所でしょうか。

プロフィール

TSOKDBA

Author:TSOKDBA
twitterは@tsokdbaです。
3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

FC2カウンター
ブログランキング
にほんブログ村 科学ブログへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
↑日本ブログ村ランキングに参加しました。よかったらクリックお願いします。
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
ふくしまの恵み(全量全袋検査の結果)

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

検索フォーム
カテゴリ
RSSリンクの表示
カレンダー
03 | 2017/03 | 04
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
こちらにもぜひご記入を!
読んだ感想を是非お聞かせください。
無料アクセス解析
おすすめのリンク
QRコード
QR
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。