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11/8 海底土の汚染と海水の汚染の関係について その1

 
本日、文科省のHPにおいて、11/1に発表された海底土のデータに過去からの経緯を示すグラフが追加されました。

それを見て、以前のデータを表にしていたのを思い出したので、それを追加するついでに、先週末から調べている海底土のデータの読み方について、複数回に分けて記載していこうと思います。

1.先週の海底土のデータのこれまでのデータとの比較

本日更新された文科省のHPは、11/1に発表されたデータにグラフをつけただけです。ただ、これだけを見ると、これまでの観測地点がどれで、新しい体制で加わった地点がどれなのかが注釈がないためによくわかりません。

11/2文科省海底土

文科省の測定において、これまで6回測定が行われてきました。これまでの測定地点は、A1~L1のみです。上の図でいうと、G0とI0を除いた沿岸の地点で、あとは全て今回追加された地点です。これまでの測定があった地点のデータの推移を表で示します。Cs-134/Cs-137でBq/kgで表記しています。

11/8海底土1

前回の測定から大きく上がった地点は黄色で↑、大きく下がった地点は灰色で↓にしています。2回目、3回目の時は、ちょうど海水の汚染が拡大していく時であり、それにつれて海底土の汚染も南へ移動しているように見えました。(「6/25 海底土の汚染3回目の発表。海底土の汚染はどんどん南へ移動!」参照)

しかし、4回目以降は顕著な傾向はみえなくなりました。ところが今回は、半数以上の地点で上昇しています。ただ、これまでも上下の変動はありましたので、これだけで海底土の放射性セシウムが上昇した、とはいうのは危険な気がします。次回のデータも合わせて判断したいと思います。


2.海底土のデータの読み方の基本

私は、10日ほど前に発表されたフランスIRSNの海洋汚染に関する分析結果を紹介するため、一通り読みました。その結果については「10/30 フランスIRSNが10/26に発表した海洋放射能汚染(東京電力の20倍)の解説」や「10/31 フランスIRSNが発表した海洋汚染の内容の仮日本語訳」をご覧いただきたいと思います。

ちなみに、この仮日本語訳、今フランス語が得意な知り合いにチェックして直してもらっているのですが、あのボリュームをあの高品質で訳したのはすごい、とおほめの言葉をいただきました。文法的には間違った訳もいろいろとあるようですが、意味はだいたい合っているようです。1ヶ月かけたならばもっとしっかりと訳さないとだめでしょうが、土日のやっつけ仕事としては合格なのでしょう。

さて、しょうもない自慢話はここまでにして、この文章を訳している中で気になる表現がいくつもありました。

「これらの数値はセシウムの海水と海底土の分配係数が通常1000を超えることを考慮すると比較的小さいものである。つまり、海水で100Bq/Lを超えるような地域(パラグラフ1.2を参照のこと)においては、海底土は100,000Bq/kgを超えることが一般には期待される。Cs-137による海水の一時的な汚染ではおそらく海底土をサンプリングした場所が通常のバランスに達していなかったのであろう。」

海水と海底土の分配係数は通常1000を超えるって?そんなルールがあるの?

「サンプリングの条件、深さ、サンプルの粒径や性質はこれらの結果の発表時には報告されていない。これらのパラメーターは測定された海底土の濃度に影響することがあるので、日本で発表されたこれらの測定の結果の解釈は慎重に行う必要がある。」

海の深さはなんとなくわかるとして、海底土の粒径がどうして放射能の濃度に関係するの?

そう思って調べていたら、海底土について書いた資料がありました。「海洋における放射性核種の移行パラメータ」です。

分配係数(Kd)=堆積物中濃度/海水中濃度

つまりこれは、Cs-137でいえば、海底土中Cs-137濃度(Bq/kg乾燥土)/海水中Cs-137濃度で表される数値です。海底土のCs-137の数値が100Bq/kgで、海水のCs-137が0.1Bq/L=0.1Bq/kgであれば、分配係数(Kd)=100/0.1=1000になるということです。

いくつかの放射性核種について、分配係数がでていました。それによると、Csの場合(おそらくCs-137だと思います)はKdは100~1000の間、Sr(おそらくSr-90だと思います)はKd=10というのが一般的だということです。IRSNの報告で分配係数が1000だと言っていたのはこのことだったのですね。ただし、IRSNの報告では今回の汚染ではそこまで分配係数が高くはない、と書いてありました。

11/8海底土2

ちなみに、上の表で気になるのは、海岸砂の分配係数が100という数値です。茨城県の沿岸で今年の夏に海岸の砂を計測してNDでした。私はそんなもの、海水がNDならば海岸の砂もNDに決まってると思っていたのですが、あれは必要な計測だったのですね。

次に海底土の粒径と海底土のCs-137濃度の関係です。

11/8海底土3

黄色いマーカーで示した部分です。
『海底土のCs-137濃度と中央粒径Mdφの相関関係を見ると、Cs-137濃度は、中央粒径4未満の砂質(粒径が大きく比表面積が小さい)よりも、中央粒径4以上のシルト・粘土質(粒径が小さく比表面積が大きい)の方が高い濃度を示しており、その相関係数を求めると0.828となり、中央粒径が大きくなるほどCs-137濃度が高い値を示す傾向が認められている。』
(※相関係数というのは一般に0.7を超えると相関があると言っていいものだそうです。)

実際のデータがこの下の表です。
11/8海底土4
(クリックで別画面に拡大)

確かに、上の表を細かく見ると、粒径の指数が4以上(粒径φが小さく、比表面積が大きい)シルトや粘土質の海底土の方が分配係数(右から2番目の列)は1000を超えていて高くなっています。

つまり、海底土の汚染というのは、海底にたまっている砂や土の粒子にセシウムが付着してたまっていくことで高くなるので、粒径が小さく、比表面積が大きい粘土の方がCs-137の濃度が高くなるということなのです。

こうやってデータを見せられると「なるほど」と思うのですが、こういうデータの解説って見たことがないですよね。

今日はここまでにして、また明日、あるいは今週中にでも続きを書こうと思います。

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コメント

Re: No title

コンタンさん

> 分配係数Kdというのは、この比で「海底付近の海水」と「底質」が平衡状態になる、
> という理解でいいのでしょうかね?

おっしゃるとおりです。補足を「その2」に書きました。
http://tsukuba2011.blog60.fc2.com/blog-entry-474.html

No title

先日NHKニュースで海洋大・石丸隆さんの福島沖調査の様子をうつしていましたが、
海底から引き上げた泥は、かなり細かいねっとりした泥に見えました。

分配係数Kdというのは、この比で「海底付近の海水」と「底質」が平衡状態になる、
という理解でいいのでしょうかね?

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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
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