スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

11/28 文科省が発表した最新の海底土のデータ+ETV特集の解説

 
11/2 文科省が新たに発表した30地点の海底土のデータ」の続報です。11/25、文科省から海底土のCs-134とCs-137のデータが発表されました。

新しい海底土の観測態勢(30地点)になってからは2回目の発表になります。また、一部の地点(12地点)については、過去のデータと比較できる形になっています(「11/8 海底土の汚染と海水の汚染の関係について その1」参照)。

ついでなので、関連する内容が放映された11/27にあったETV特集の内容も一部追加して解説しています。

まずは発表されたデータからご紹介します。

11/28海底土1

文科省の測定において、これまで夏場に6回測定が行われてきました。これまでの測定地点は、A1~L1のみです。上の図でいうと、G0とI0を除いた沿岸の地点で、あとは全て前回から追加された地点です。

これまでの測定があった地点のデータの推移を表で示します。Cs-134/Cs-137でBq/kgで表記しています。

11/28海底土2
(クリックで別画面に拡大)

前回急上昇していたJ1地点(あとで出てくる磯崎漁港の沖合です)は元に戻っています。これまでもそうだったのですが、同じ地点のデータを継続的に測定しているはずなのですが、ある時だけ急に上がって、一月たつと元に戻るということがあります。このメカニズムについてはよくわかりません。

おりしも、朝日新聞などの報道では、阿武隈川では毎日525億ベクレルの放射性セシウムが河口部に流れ込んでいるという報道があったばかりです。この話については別途まとめる予定ですが、河口部から沿岸部にどのように流れていくのか、そのあたりも気になるところです。

さて、ここまで書いたところで、ETV特集があって、なぜ海底土のデータが上がったり下がったりするのかについて、解説してくれていました。それを番組で使われていた一部のデータを使いながらお知らせします。

ETV特集では、いつも出てくる放射能測定のスペシャリストである岡野さんと一緒に測定をしています。今回は、岡野さんが開発した水中用の測定器を用いての測定です。(文科省の方法と若干違う可能性もあります。)9/11に測定をしたところ、福島第一原発から28kmおよび32kmの所では、水深10mと20mで下記のようになりました。数値は放射性セシウムの合計の数値です。

11/28海底土3

このことから、単純に福島第一原発から離れると海底土の汚染が下がるとか、水深が深いと下がるということではないことがわかりました。この傾向は、私がこの海底土の汚染シリーズでもずっと確認してきているところです。

次に、磯崎漁港付近の沖合(J1地点)が7月下旬の測定で330Bq/kgも出たのがなぜか考察していました。この地点は那珂川と久慈川に挟まれており、久慈川から流れてきた放射性セシウムが、北から南へ向かう沿岸流に乗って高いのではないか、という考察がなされていました。

11/28海底土5

さらに、鹿島沖(K1)と銚子沖(L1)以外にも2地点の海底土を測定しています。その結果、銚子沖のL1よりも南にある犬吠埼沖において、一番高い数値が得られたという結果でした。この結果から、沿岸流に乗って南に移動しているのではないか?という推論をしています。

11/28海底土4

ここで、金沢大学の長尾誠也教授の解説があり、沖合の黒潮とは別の沿岸流によって北から南に流れているのではないか?という解説がありました。そして、海の中でも局地的に海底土にセシウムが蓄積するホットスポットがある可能性があるという説を紹介しています。

なお、長尾教授の研究結果として、原発事故前の久慈川は0.00009Bq/L=0.1mBq/Lの放射性セシウムを含んでいたのですが、最近測定したら、0.011Bq/Lと100倍以上になったということです。長尾先生は以前からこういう研究をしていた方なのですね。

以上が海底土に関する話で、それ以外にも海水の放射性セシウムは40Bq/kgの地点で海藻のアラメは421Bq/kg、ウニは2017Bq/kgと生物濃縮がかかっているという調査結果とか、アワビを採取すると、予想外に銀(Ag110m)が416Bq/kgも検出されたという結果が紹介されていました。Ag-110mについては、アワビの肝が1850Bq/kgとかなり高かったということです。ちなみに、海水中のAg-110mは検出限界以下でした。


このETV特集は、文科省が発表した6回目(7/25-31)のデータと、独自調査の結果を基に考察しています。ですが、今回の最新の結果がせっかく発表されていて、それが10/13-26とETV特集の時期(10/26)と同じなので、比較しておく必要はあります。

鹿島沖のK1は、今回の文科省の結果では合計55Bq/kg(ETV特集では7月下旬の218Bq/kgを紹介していました)に対して、ETV特集の調査では33Bq/kgです。

また、銚子沖のL1は、今回の文科省の結果では合計17Bq/kg(ETV特集では7月下旬の26Bq/kgを紹介していました)に対して、38Bq/kgです。従って、サンプリングの違いによる多少のブレはあるものの、両者の測定方法はかけ離れていないことは確認できました。

沿岸流に乗って南に移動しているという説ですが、それは同じことを私も考えました。「6/25 海底土の汚染3回目の発表。海底土の汚染はどんどん南へ移動!」ですでにその傾向を見いだしています。ただ、その後の傾向が南下だけでは説明できないような挙動だったので、なぜだろう?と思っていました。

今回のETV特集をみると、河川からの流入があり、それが南下する沿岸流に乗って南に行くということでした。

ですから、一つの可能性として、4月に流出した2号機由来の海水が海底に沈着して南下する流れが6月頃にあり、その後は台風などがあると、新たに河川から放射性セシウムが河口に供給されて、それが沿岸流に乗って南(場所によっては北)に流れていくということがイメージできます。上のA1~L1の表における上がり下がりは、そう考えるとある程度説明できるような気がします。

また、今回の岡野博士の特殊な装置のおかげで、海水中の放射性セシウムの垂直分布がある程度わかりました。海面ではほとんど放射性セシウムはないのですが、もぐって行くにつれて放射能が高くなり、海底になるともっと高いという情報がありました。また、海中を浮遊しているものに放射性セシウムが付着している可能性も示唆していましたので、やはり沿岸部においても、「11/21 JAMSTECのシンポジウム(海底土の汚染と海水の汚染の関係について その3)」で述べたようなマリンスノーによる海底への沈着ということが考えられるのではないかと思います。浮遊物が放射性セシウムに汚染されているとすると、その海域を泳いでいる魚や、底性の魚はまだ汚染される可能性が高いということです。

今夜のETV特集、期待に違わぬいい番組でした。後半部分は見たばかりのTV番組の話を書いていますので、若干おかしな部分もあるかもしれません。おかしな点があればご指摘下さい。修正します。

関連記事
にほんブログ村 科学ブログへ ブログランキング・にほんブログ村へ
↑日本ブログ村ランキングに参加しました。よかったらクリックお願いします。

トラックバック


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

いま一番怖い福島原発4号機―むき出し燃料プール崩壊なら首都壊滅

衝撃的な記事のタイトルに思わず熟読してしまいましたが、米国の原子力技術、アニー・ガンダーセン氏による指摘だそうです。4号機に貯蔵されている燃料プールには、15000本以上の使用...

コメント

プロフィール

TSOKDBA

Author:TSOKDBA
twitterは@tsokdbaです。
3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

FC2カウンター
ブログランキング
にほんブログ村 科学ブログへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
↑日本ブログ村ランキングに参加しました。よかったらクリックお願いします。
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
ふくしまの恵み(全量全袋検査の結果)

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

検索フォーム
カテゴリ
RSSリンクの表示
カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
こちらにもぜひご記入を!
読んだ感想を是非お聞かせください。
無料アクセス解析
おすすめのリンク
QRコード
QR
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。