スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

12/5 放射能汚染水(蒸発濃縮装置)から水漏れ発生!ストロンチウムはどれくらいある?

 
12/4、東京電力は蒸発濃縮装置から水漏れしていると発表しました(リンク先はNHKオンライン)

この装置は、放射能汚染水の循環処理システムにおいて、最終段階にあたるもので、セシウムなどはほとんど除去されています。ですが、下記のニュースを聞いて(読んで)あれっと思う人は多いと思います。

『装置を停止したところ、水漏れは止まったとみられますが、セシウムなどの放射性物質を含む水少なくともおよそ45トンが装置から漏れ出し、一部が建物の土台のひび割れなどを経由して建物の外に流れ出ていることが分かりました。この建物の近くにある側溝は、600メートルほど離れた海につながっていて、側溝付近で、放射線の一種、ガンマ線が1時間当たり1.8ミリシーベルト測定されました。また、内部被ばくの際に問題となるベータ線も1時間当たり110ミリシーベルト計測されたということです。』(NHKオンラインより)

そうです。ガンマ線は1.8mSv/hですが、ベータ線は110mSv/hと60倍近くも高いのです。なぜでしょうか?

12/5朝追記:新しいNHKオンラインではストロンチウムについての言及(13万Bq/cm3=1.3億Bq/L)があります。
12/6追記:続報は「12/6 福島第一原発の蒸発濃縮装置からの汚染水漏れの続報」にあります。
まず、東京電力の記者会見資料にはこのように記載がありました。

12/5汚染水2

放射能汚染水の処理システムについてはここでは詳細は述べません。興味のある方は「6/19 福島原発の放射能汚染水の全容を紹介します!その1」や「6/19 福島原発の放射能汚染水の全容を紹介します!その2詳細編」を読んでください。

現在のシステムを簡単に紹介すると、下の図のようになっています。タービン建屋の地下にたまっている放射能汚染水は、プロセス主建屋という場所にポンプで送られていて、そこでセシウム除去装置にかけられます。セシウムをほとんど除去された汚染水は、今度は海水に含まれている塩分(3月当初は炉心に海水を注水していたので)を除去するために、淡水化装置(逆浸透膜(RO膜))にかけます。そこで淡水は貯められて炉心へ注水されますが、塩分を含む処理水は、さらに濃縮して、蒸発濃縮水と、濃縮排水に分けて排水の量を減らします。今回45トンの水漏れがあったというのは、この蒸発濃縮装置なのです。

12/5汚染水処理システム計画2

この水が海へ流れ出さないことを祈るばかりです。しっかりと対応してくれることを望みます。

東京電力は漏洩水のサンプリングを行い、Cs-134とCs-137がそれぞれ16000Bq/L、29000Bq/Lであることを明らかにしました。これは一度セシウムを除去して検出限界以下にまではしているのですが、その後で濃縮がかかっているためにこの濃度になっているものです。これは特に問題ではありません。

12/5汚染水1

しかし、この汚染水にはSrが大量に含まれている可能性があるのです。11/18に発表された汚染水の放射能の測定結果です。

12/5汚染水3
(クリックで別画面に拡大)

これを読むと、同じ処理をした時のデータはないのですが、Cs-137がセシウム吸着装置を通した後で720,000Bq/cm3=720,000,000Bq/Lから淡水化装置の入り口では28Bq/cm3=28,000Bq/Lにまで減少し、蒸発濃縮装置の濃排水においては54Bq/cm3=54000Bq/Lになっているというデータがあります。ですから、今回東京電力が発表したデータとほぼ変わりません。

一方で、この表の下の方でベータ核種という欄では、Sr-90が淡水化装置の入り口で29000Bq/cm3=29,000,000Bq/Lも残っており、蒸発濃縮装置の濃排水においても85000Bq/cm3=85,000,000Bq/Lも存在することが示されています。残念ながら、処理前のSr-90のデータはありませんが、蒸発濃縮装置においてはSr-90はCs-137の1000倍近くある計算になります。

今回のNHKオンラインの報道で、ガンマ線が1.8mSv/hに対し、ベータ線が110mSv/hと高かったのは、Sr以外にもベータ核種があるかもしれませんが、Srの寄与が大きい可能性があります。

この点については実際、11/14の合同記者会見(37ページ)において、フリーの木野さんが質問して、セシウム処理装置ではベータ核種は取り切れない、ということを東京電力が明言しています。合同会見の議事録より抜粋です。

12/5汚染水4
12/5汚染水5

つまり、現在の処理システムではセシウムはほとんど除去できているけれども、ストロンチウムなどのベータ核種はほとんど除去できていないということなのです。今回の45トンの水漏れで、一番心配しないといけないのは、東京電力が示したセシウムなどのガンマ核種ではなく、ベータ核種、特にほとんど除去できていないストロンチウムだということを理解してニュースを見る必要があります

本日は速報ということでここまでとします。

関連記事
にほんブログ村 科学ブログへ ブログランキング・にほんブログ村へ
↑日本ブログ村ランキングに参加しました。よかったらクリックお願いします。

コメント

プロフィール

TSOKDBA

Author:TSOKDBA
twitterは@tsokdbaです。
3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

FC2カウンター
ブログランキング
にほんブログ村 科学ブログへ
ブログランキング・にほんブログ村へ
↑日本ブログ村ランキングに参加しました。よかったらクリックお願いします。
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
ふくしまの恵み(全量全袋検査の結果)

全記事表示リンク

全ての記事を表示する

検索フォーム
カテゴリ
RSSリンクの表示
カレンダー
10 | 2017/11 | 12
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -
こちらにもぜひご記入を!
読んだ感想を是非お聞かせください。
無料アクセス解析
おすすめのリンク
QRコード
QR
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。