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12/7 粉ミルク「明治ステップ」の放射性セシウム混入と自主的交換の話

 
12/6、株式会社明治(旧明治乳業:今年4月から社名変更)は、製造・販売した乳児用の粉ミルク、「明治ステップ」から最大で30.8Bq/kgの放射性セシウムが検出されたことを発表しました。これは、乳製品に対する国の暫定基準値(200Bq/kg)を下回っていますが、会社では該当する製品のおよそ40万缶を対象に無償で交換することにしています。

実は今回の話、どういうスタンスで紹介したらいいのかいまだに迷っているところがあります。今回もいつものようにいろいろな情報を提示しますので、このニュースの持つ意味は読んだ方に判断していただこうと思います。

1.事実関係・経緯の整理

まず、いつものように事実関係の整理から。

二本松市にTEAM二本松というNPO法人があります。このNPO法人は、募金を募って放射能測定器を購入し、自発的にいろいろな食品の放射性物質を測定して公表してきました。これまでにも、「明治おいしい牛乳」や、みちのくミルク本社工場製造の「メグミルク」の放射能を測定してその結果を公表してきています。ここの測定方針は、11/22に下記のような記載があります。

『試測定の【測定結果報告】は、一度セシウムが検出された商品の、製造年月日の違うモノをいくつか集め、数回にわたり、同じ商品を測定していくことにしました。
今回、「明治おいしい牛乳」の二回の測定結果を掲載しておりますが、今後も数回、継続的に測定していきます。
また、次の試測定の予定は、「明治ステップ(粉ミルク)」と「メグミルク(みちのくミルク製造のもの)」です。』

これを受けて明治ステップの測定を行ったところ、放射性セシウムを検出したので、12/6の発表では、『当測定室での測定結果を基に、共同通信社の記者さんが動いて下さいました。』ということです。この詳細はわかりませんが、共同通信社の記者が明治に確認し、それを受けて明治でも独自に検査を行い、その結果を追認したというのが実態です。

株式会社明治の発表では、TEAM二本松「市民放射能測定室」の話は一切出てきません。ネットを見ている人はわかると思いますが、この事実関係は知っておくべきと思います。

12/7朝追記:NHKオンラインにもこの事実が報道されました。

一方、明治の動きです。明治のHPに掲載された「明治ステップ」の検査結果です。これを見ると、賞味期限が10月のロットの検査を、土曜日に誰かを休日出勤させて12/3から行い、12/5以降は念のためにさらに前後の9月や11月のロットについても検査を行っています。その結果が全て出た時点で本日発表に踏み切ったということがわかると思います。TEAM二本松の測定予告と合わせて考えても、12/2頃に情報を入手し、検査を開始したということですね。

12/7明治ステップ1

12/6(火)の発表により、株式会社明治の株価が急激に下がりました。発表の時間が確認できないのですが、下の図から見ると、おそらく午後2時前に発表があったものと思います(あるいはどこかの報道?)。この情報を事前に知っていた人でもし空売りした人がいたら・・・

12/7明治ステップ2
(Yahoo ファイナンスより引用。)

明治の対応としては、法的に何か対応しなければいけないレベルではないが、自主的に該当する製品の交換に踏み切ったということは評価されるべきと思います。おそらく何も対応しないという選択肢もあったでしょうが、そういう対応をすることにより外部から報道されるよりは自主的に発表という形をとることを選択したということだと思います。共同通信社の記者が動いていたということで、たんなる市民団体の訴えだけではなくマスコミが動いたことで対応を迫られたのでしょう。

さきほど検査結果の日付を出しましたが、これまでもたまにサンプリングしての検査は行っていたようですが、12月にあわてて全ロットの検査をやっていることからわかるように、製品ロットごとの検査は行っていませんでした。しかし、今後は全てのロットについて検査を行っていくということです。これまでの情報は、日本乳業協会のHP(8/26)にも少しだけあります。

12/7明治ステップ3

2.なぜセシウムが混入したのか?原因は?

さて、10月に賞味期限が来るロットの製造年月日は3/14-20の間に春日部にある埼玉工場で作られたものと発表されています(リンクは読売)。原料となる乳製品は北海道又は海外からの調達であり、北海道のものが汚染されているとは思えませんし、輸入品は輸入時のチェックが一応あるので、セシウムが混入したとすると、製造過程の可能性があります。明治の広報担当者は、粉ミルクの製造過程において噴霧乾燥というステップがあるのですが、そこで用いる熱風の中に空気中のセシウムが混入したのではないか?という説を出しているそうです。

確かに、3/15には都内にも放射性物質が一時的に大量に飛散していたので、その可能性もないとは言えません。ただ、同じ明治の「ほほえみ」は影響がなかったということで、本当にこれが理由なのか、現段階では断定できません。他社が追随して検査するかどうか不明ですが、他のデータがあればもう少し理由もはっきりすると思います。

セシウムの粒子がどれくらいの大きさで飛んだのか私は知らないのですが、食品工場ですから、当然取り入れる空気についてはフィルターがあるはずですので、そこで除去されているはず(このあたりは要確認)だと思います。もし製造プロセスが問題だというのであれば、おそらく震災直後ということで、計画停電対応などもあったような気がします。その時だけはいつもと違ったプロセスが何かあって(空気中のセシウムもその一つ)、その結果がこのセシウム混入になったということしか考えられません。今後情報が出てくるかどうかも不明ですが、その解明がない限り、回収・交換で終わってしまうと思います。

3.最大30Bq/kgの意味は?

6月のお茶の時には、静岡県の発表の仕方が放射能汚染を小さく見せるような発表の仕方だったのでずいぶん大げさに取り上げました。今回はもう少し冷静に数値を見てみたいと思います。

この粉ミルクは、日経によれば200mlに30mlを溶かして使うものだということです。だとすると、実際にミルクにした時には、最大の30.8Bq/kgであっても、30/200=0.15倍されますので、30.8×0.15=4.62Bq/kgになります。

ここで思い出していただきたいのですが、5月頃に関東でも母乳から放射性ヨウ素や放射性セシウムが検出されたという話がありました。このブログでも「5/21 母乳からの放射性物質検出 市民団体の発表のその後」などで取り上げましたが、その時の数値が、検出限界の問題もあったのですが、検出された人で5-10Bq/kgでした。その時に取り上げた「母乳調査・母子支援ネットワーク」では、その後も継続的に調査をしているようです。7月くらいまでは時々母乳からもセシウムが検出される人が都内にもいたようです。

それと比較すると、数値として特別大きな数値ではありません。ただ、摂取しなくても済んだはずのセシウムを赤ちゃんに与えていた、となると、そのお母さんは当然心配しますよね。

最初に書いたように、今回のニュースに対する私自身のスタンスを決めかねているところがあるため、あまりコメントは多くしないでここまでにします。

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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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