12/16 政府はステップ2完了=原子炉の低温停止状態を宣言。
12/16、野田首相は全閣僚が出席して開催して政府の原子力災害対策本部であいさつし、東京電力福島第一原子力発電所の事故について、「原子炉は『冷温停止状態』に達した」と述べ、事故の収束に向けた工程表の「ステップ2」を完了したことを宣言しました(リンクはNHKオンライン)。
夕方7時から始まった合同記者会見は、最近はいつもはガラガラなのですが今日はほぼ満席で、4時間を超えました。とはいっても、3時間を超えるとまた人数は減ってきて、いつもの人数に戻ってしまいました。細野大臣が記者会見の途中でNHKの9時のニュースに出演するために退席したら、そのどさくさに紛れて東京電力の西山社長が記者会見をぬけだした、というハプニングもありました。
今日の「冷温停止状態」の宣言は、だいぶ前から予定されていました。
7月19日にはステップ1「放射線量が着実に減少傾向となっている」が達成されたとして、ステップ2に移行したことが宣言されました。そして、ステップ2の完了「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられている」はステップ2の3-6ヶ月後ということで、ステップ2の完了は当初は1月を予定していました。
ですが、9月のIAEAの会議において、ステップ2達成の前倒しを細野豪志原発事故担当大臣が表明しました。従って、これはある意味国際的な公約であり、それに合わせて全ての行動が行われてきたと言ってもいいと思います。
11月末に東京電力が発表した内容では、少なくとも1号機では原子炉圧力容器からは燃料がほとんど溶け出していて、格納容器にまで達していることが確認されています。ステップ2完了の基準の一つとしてあげてきた「圧力容器底部の温度が概ね 100℃以下になっていること」という定義にもとづく「冷温停止状態」は、そうなると圧力容器の中にはほとんど燃料がないために意味がないことになります。
にもかかわらず、政府はその定義を変えず、意味がどこまであるかどうかわからない定義に従って「冷温停止状態」が達成したとしました。実際、本日の記者会見では、2号機では4ヶ所で100℃を超えている観測点もあると言っていました。
今回の冷温停止状態の宣言に合わせて、これまで出てこなかった資料がこの1-2週間で大量に出てきました。東京電力だけでも、「12/15 福島第一原発の施設運営計画について保安院は妥当と評価、16日の冷温停止宣言に合わせたドタバタ劇」でご紹介したように今後の施設運営計画を提出しています。また、15日にはこれまでの(その1)(その2)に続く「福島第一原子力発電所第1~4号機に対する「中期的安全確保の考え方」に基づく施設運営計画に係る報告書(その3)」が発表されています。
また、本日の東京電力のHPにも、「「福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」の進捗状況(12月16日)について」として大量の資料が発表されています。まだ読めていません。
ここに載っている資料の中には、「モニタリングデータ(PDF 678KB)」という資料のように、これまでの資料のまとめをグラフにしてくれているものもあります。
また、原子力委員会(これは原子力安全委員会とは違いますので注意)に設置された原子力委員会の東京電力(株)福島第一原子力発電所中長期措置検討専門部会が提出して12/13に決定された「東京電力(株)福島第一原子力発電所における中長期措置に関する検討結果」も参考になる資料です。
内閣官房の低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループも、12/15に作業部会の提言をまとめました。
ここには載せられませんでしたが、他にもいくつかこの日に向けてまとめられた資料があると思います。
今回の冷温停止状態の宣言を受けて、政府・東電統合対策室は解散し、中長期対策会議が設置されました。それに伴い、「政府・東京電力統合対策室合同記者会見」も本日でいったん終了し、新しい会議体の決定に基づいて何らかの形で記者会見が行われるようです。本日の記者会見の後半においては、フリーの記者も参加できるのか?という問いに対して新しい会議体で決めることだとして明確な回答がないため、新しい会議体の記者会見ではまたフリーの記者が閉め出される可能性があるのではないか、などの疑心暗鬼を呼んでいます。
いつまでも続く記者会見を見ながら書いていたので、うまくまとめることができませんでしたが、原発の実態がどう変わったかは別として、会議体や記者会見のあり方も変わりますので、今日が一つの区切りとなるようです。
今日の記者会見は、ニコニコ動画、IWJ2を合わせて65000人が見ていたということです。かなりの数ですね。
7月19日にはステップ1「放射線量が着実に減少傾向となっている」が達成されたとして、ステップ2に移行したことが宣言されました。そして、ステップ2の完了「放射性物質の放出が管理され、放射線量が大幅に抑えられている」はステップ2の3-6ヶ月後ということで、ステップ2の完了は当初は1月を予定していました。
ですが、9月のIAEAの会議において、ステップ2達成の前倒しを細野豪志原発事故担当大臣が表明しました。従って、これはある意味国際的な公約であり、それに合わせて全ての行動が行われてきたと言ってもいいと思います。
11月末に東京電力が発表した内容では、少なくとも1号機では原子炉圧力容器からは燃料がほとんど溶け出していて、格納容器にまで達していることが確認されています。ステップ2完了の基準の一つとしてあげてきた「圧力容器底部の温度が概ね 100℃以下になっていること」という定義にもとづく「冷温停止状態」は、そうなると圧力容器の中にはほとんど燃料がないために意味がないことになります。
にもかかわらず、政府はその定義を変えず、意味がどこまであるかどうかわからない定義に従って「冷温停止状態」が達成したとしました。実際、本日の記者会見では、2号機では4ヶ所で100℃を超えている観測点もあると言っていました。
今回の冷温停止状態の宣言に合わせて、これまで出てこなかった資料がこの1-2週間で大量に出てきました。東京電力だけでも、「12/15 福島第一原発の施設運営計画について保安院は妥当と評価、16日の冷温停止宣言に合わせたドタバタ劇」でご紹介したように今後の施設運営計画を提出しています。また、15日にはこれまでの(その1)(その2)に続く「福島第一原子力発電所第1~4号機に対する「中期的安全確保の考え方」に基づく施設運営計画に係る報告書(その3)」が発表されています。
また、本日の東京電力のHPにも、「「福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋」の進捗状況(12月16日)について」として大量の資料が発表されています。まだ読めていません。
ここに載っている資料の中には、「モニタリングデータ(PDF 678KB)」という資料のように、これまでの資料のまとめをグラフにしてくれているものもあります。
また、原子力委員会(これは原子力安全委員会とは違いますので注意)に設置された原子力委員会の東京電力(株)福島第一原子力発電所中長期措置検討専門部会が提出して12/13に決定された「東京電力(株)福島第一原子力発電所における中長期措置に関する検討結果」も参考になる資料です。
内閣官房の低線量被ばくのリスク管理に関するワーキンググループも、12/15に作業部会の提言をまとめました。
ここには載せられませんでしたが、他にもいくつかこの日に向けてまとめられた資料があると思います。
今回の冷温停止状態の宣言を受けて、政府・東電統合対策室は解散し、中長期対策会議が設置されました。それに伴い、「政府・東京電力統合対策室合同記者会見」も本日でいったん終了し、新しい会議体の決定に基づいて何らかの形で記者会見が行われるようです。本日の記者会見の後半においては、フリーの記者も参加できるのか?という問いに対して新しい会議体で決めることだとして明確な回答がないため、新しい会議体の記者会見ではまたフリーの記者が閉め出される可能性があるのではないか、などの疑心暗鬼を呼んでいます。
いつまでも続く記者会見を見ながら書いていたので、うまくまとめることができませんでしたが、原発の実態がどう変わったかは別として、会議体や記者会見のあり方も変わりますので、今日が一つの区切りとなるようです。
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