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4/6 海洋放射能汚染で魚を食べても大丈夫か?その6

昨日から今日の一日も結構あわただしく動きがありました。

1.東電は、2号ピットからの高レベルの放射性物質の流出を止めることに成功したと発表しました。確かに、じゃーじゃー漏れていたのは止まりました。でも、本当にもれていたのはここからだけ?という疑問はまだ残ります。しばらくの間はモニタリングのデータから目を離せません。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11040603-j.html

2.5日の放射性セシウムの検出を受けて、茨城県漁協の多くが操業停止の判断をせざるを得なくなりました。これは完全に東京電力の責任ですね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110406-00000942-yom-soci

3.河北新聞のWebページ(元は共同通信の記事?)によると、フランスの放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は福島第1原発から流出する高濃度の放射性物質を含む水などが海洋に与える影響予測を発表したということです。
http://www.kahoku.co.jp/news/2011/04/2011040601000151.htm

このIRSNのサイトはフランス語だったので手こずりましたが、一応見てみました(日本のメディアはろくに理解しないで嘘を書くことがあるので自分の目で確認しました)ので、これのデータも一部含めて考察を加えました。


初めて読む方のために、これまでの私の解釈をまとめておきます。

・放射性セシウム、特にCs-137のデータは、半減期が30年と長いこともあり、長期的な観測データが残っていて比較がしやすい。
・今回の原発事故前のCs-137のデータは、海水中の濃度に変動はあるものの、だいたい2-5mBq/L=0.002-0.005Bq/kgである。これをバックグラウンドデータと考える。
・魚中のCs-137のデータは、魚の種類にもよるが、0.15-0.3Bq/kgである。
・従って、魚/海水の濃縮度は、50-100倍であること。


が、水産庁の資料にも載っていますし、全然別の日本語文献にも載っています。
水産庁資料
http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/Q_A/pdf/110331suisan.pdf
海産生物と放射能
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=radioisotopes1952&cdvol=48&noissue=4&startpage=266&lang=ja&from=jnlabstract

ですから、今回の放射線汚染騒動においても、該当する海域の海水中のCs-137のデータがわかれば、その海域の魚介類のCs-137の濃度はほぼ100倍(50-100倍ですが、高い方をとっています)と考えればよいということがわかります。

そのため、東京電力や文科省が発表している海洋からの海水のサンプリングデータを元に、茨城県などの近海での海水中のCs-137の濃度を見ながら魚介類中の濃度を予想しようとしてきています。昨日の記事(「その5」)を参考にしてください。
http://tsukuba2011.blog60.fc2.com/blog-entry-49.html

なお、海水濃度の100倍という数値についてですが、河北新聞社のWebページからの引用ですが、IRSNの分析では、下記のような濃縮率だとしています。
「放射性物質が魚介類の体内に蓄積され濃縮される可能性については、セシウムの場合、軟体動物や海藻の濃縮率が50倍であるのに対し、魚類は400倍と危険性が高まることを指摘。放射性ヨウ素の場合は逆に、魚類で15倍だが、海藻で1万倍になるなど、物質と生物種の組み合わせで、汚染の状況が多様になるとの見解を示した。」
これについてはIRSNの元のデータを読んでいないので、コメントできませんが、日本の文献では400倍にまで行くようなケースは報告されていませんでした。再度この文献(3ページ目)を参照のこと。
http://www.journalarchive.jst.go.jp/jnlpdf.php?cdjournal=radioisotopes1952&cdvol=48&noissue=4&startpage=266&lang=ja&from=jnlabstract

一方、昨日は時間がないために考慮できなくて、混乱させたかもしれないと思われることは、Cs-137の濃度と「放射性セシウム」の濃度の違いです。現在は、反応停止、炉心溶融が起こって漏れ出してからまだ3-4週間しか経っていないため、半減期が約2年のCs-134も半減期が約30年のCs-137とほぼ同量検出されています。従って、放射性セシウムということを考える時は、セシウム134とセシウム137のデータを合計する必要があります。セシウム137のデータしかない場合には、現在ならば約2倍すれば放射性セシウムの量が出てきます。暫定基準値に達するかどうか、という視点で考えると、昨日のコウナゴのように、Cs-137は250Bq/kgでも放射性セシウムは500Bq/kgになってしまいますので、しばらくはCs-137が250Bq/kgに達する可能性があるかどうかで考えた方がいいと思います。つまり、100倍濃縮という仮説ならば、海水のCs-137の濃度は2.5Bq/kgになるかどうか、で判断する必要があるということです

なお、東京電力のHPは、今夜データが更新されたのですが、23時現在では大事なファイルのリンクが切れているため、このデータを用いた考察は今日はやめておきます。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/11040608-j.html

また、海流についてですが、やはり福島県、茨城県沖では北から南の海流が流れています。海流にのって流されていった時の放射性物質の拡散の様子のシミュレーションをどこかでやってくれるとありがたいのですが、現在までそのような結果はまだ発表されていないようです。河北新聞のWebページでは、フランスのIRSNがシミュレーションしたとありますが、IRSNのシミュレーションも、どれだけの量の放射性物質が、いつ海に流出したか、そしてその後どう振る舞うかがわからないので定量的なシミュレーションではないと注意書きが赤字で書いてあります。この後紹介します。

水産庁のHPより
http://www.jfa.maff.go.jp/j/kakou/Q_A/pdf/110406kairyuzu.pdf海流水産庁4/6


IRSN(フランス放射線防護原子力安全研究所)のWebサイトには、当然のことながらフランス語ですが、いろいろな情報が載っています。最近のブラウザーは、翻訳機能がついているものがあるので、そういうものの助けを借りるとある程度わかるのではないでしょうか?
IRSN
http://www.irsn.fr/FR/Documents/home.htm

Rejets radioactifs dans l'environnement au Japon(日本の環境中への放射性物質の廃棄)というところでLire(読む)というリンクを押すと、
http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Pages/20110404_Accident-fukushima_impact-rejets-radioactifs-milieu-marin.aspx
そのページの下の方にpdfへのリンクがあります。
http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN-NI-Impact-accident-Fukushima-sur-milieu-marin_04042011.pdf
7ページ目のFigure14と15の図が、河北新聞のWebページにも紹介されたものです。海洋への拡散のシミュレーションは左側のFig.14です。

この図の元になるシミュレーションは、SIROCCOというサイトにありいます。ここは英語です。どれだけの量の放射性物質が、いつ海に流出したか、そしてその後どう振る舞うかがわからないので定量的なシミュレーションではなく、データの前提を良く理解してから見るようにと注意書きが赤字で書いてあります。
http://sirocco.omp.obs-mip.fr/outils/Symphonie/Produits/Japan/SymphoniePreviJapan.htm

Tracer field 1 (emitted directly in the sea - particulate element - indicative values)というところをクリックすると、このシミュレーションの動画に行き着きます。お疲れ様でした。動かなかったら下の三角ボタンを押して再生してください。
http://sirocco.omp.obs-mip.fr/outils/Symphonie/Produits/Japan/SymphoniePreviJapan.htm#Tra1S_field

ひとつだけこのシミュレーションで気になるのは、なぜ北の方に移動するのか?ということです。海流の動きもpdfファイルには乗っていたのですが、北から南への海流でした。前提となる条件を全部読み込む時間がなかったので、今日はご紹介までにとどめます。

SIROCCO4/6


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IRSNの4/4の海洋汚染に関する翻訳

翻訳したものをブログに載せていますのでお知らせしておきます。

mixiとgooのブログと2か所に載せています。

IRSNが「福島原発事故の海洋汚染予測」を発表---不必要な風評被害を避ける意図での翻訳!

と打っていただければ出てきますので、お知らせいたします。まだ、2/3までで途中です。

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Author:TSOKDBA
twitterは@tsokdbaです。
3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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