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4/9 海洋放射能汚染で魚を食べても大丈夫か?その11:まとめ2

今日は休日で少し時間があったので、まとめました。
毎日見ていただいている方には重複になる部分もありますが、ご容赦ください。

4/9 海洋放射能汚染で魚を食べても大丈夫か?その10:まとめ1
http://tsukuba2011.blog60.fc2.com/blog-entry-58.html
も合わせてお読みください。今日発表されるデータは、間に合えば考察に加えますが、基本的には昨日までのデータにもとづく考察になります。

今、NHKの特集番組を見ていたら、海洋汚染の参考になる話もありましたので、それも付け加えました。


放射性物質による海洋汚染について私が考える、現在までの不明な点や未解決の課題です。

(1)放射性物質の漏出はいつから始まったのか?
(2)放射性物質の漏出は一カ所だけなのか?
(3)これまで、総量としてどれくらいの放射性物質が漏出したのか(意図的に放出した「低レベル」排水も含めて)
(4)放射性物質の漏出は完全に止まったのか?
(5)海洋での広がりはどのくらいの距離まで行っているのか?
(6)食物連鎖、生物濃縮を考慮すると、どれくらいの濃度だと危険なのか?


このうち、(6)については「4/9 海洋放射能汚染で魚を食べても大丈夫か?その10:まとめ1」
http://tsukuba2011.blog60.fc2.com/blog-entry-58.html
で考察しました。ここでは、データを元に、その地域がどれくらいの広さなのかをわかる範囲で補足するにとどめます。

関連する定期的な観測です。
・東京電力が一日2回、沿岸と15kmの沖合で行っているモニタリング
・文科省が2日に1回(実際には4日に一回)、沖合30kmで行っているモニタリング
・文科省が新たに設置したブイ(海流などの測定)
・ひたちなか市の沖合15kmで4/8から定期的に行っている魚からの放射性物質の検出
(これらのサイトは「その10:まとめ1」に記載)


これから主に東京電力が発表したデータを元に上記の問題について考えていきます。

(0)位置関係の確認
まず、全体的な位置関係を再度確認しておきましょう。これを頭に入れておかないと、全体的な理解は難しいのですが、こういうまとめをしてくれているメディアは他にないので、自分でやらざるを得ません。

モニタリング地点は、今日の午前中の記事(4/9 海洋放射能汚染で魚を食べても大丈夫か?その10:まとめ1:)にも載せましたが、再度ここに掲載します。文科省の資料を改変して、東京電力のモニタリング地点も加えたものです。
海洋サンプリング地点4/8


続いて、福島第一原発の近くの平面図です(これを探すのに苦労しました)。
http://twitpic.com/4gqo7u
福島第一平面図

上の図では、北が左になっていますのでご注意ください。

これまで紹介してきた東京電力のモニタリング地点で、1番の1F南放水口付近というのは、地図では右の方の1-4号機の放水口よりも右側に330m行ったところ(①)です。また、2番の1F5-6放水口北側というのは、左側の5-6号機の放水口の30m北側(②)です。
ついでに、1週間ほど前に750万倍の放射性ヨウ素が検出されたと大騒ぎになった場所も比較のために提示しておきます。物揚場前海水(物揚)、2号機スクリーン海水(2号)、4号スクリーン海水(4号)です。

この地図も比較するとわかりやすいかと思います。東京電力の4/5のプレスリリースより。
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110405ab.pdf
スクリーン海水4/4

また、4/2から漏れ出した2号機のピットというのも、先ほどの平面設置図でいうと、「2号」と書いた2号機スクリーンの近くです。下図では、#2のシルトフェンスという印がついているところです。ここが、高濃度の放射能を含む水が大量に漏れだしていて、4/6に一応止まったという地点です。もしここだけから漏れていたとすると、2号機周辺から漏れ出した放射性物質が拡散していったということになります
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110405ad.pdf
2号機ピットを含む図面

実は今日こうやってまとめるまで私も気がつかなかったのですが、津波で下図の堤防が破壊されていなければ、原発の2号機から漏れた放射性物質は東波除堤や、北防波堤、南防波堤を通って外海に出て行くため、そう簡単には出て行かないということがわかります。極端な話、水深も10m程度のようですので、北防波堤と南防波堤の間を埋めてしまって、完全に封じ込めたら、他に漏れがない限りは、素人考えですが拡散を押さえ込めるのではないかと思いました。
平面図作図

また、上の図で放射性物質が青い矢印に沿って出て行くと仮定するならば(堤防が津波で破壊されていないという前提)、海流によって、南(図では右)に行くか、北(図では左)に行くかが大きく影響されます。特に強い海流がなければ距離に応じて拡散していくということになります。つまり、モニタリング地点の1番と2番のデータは、2号機のピットからの漏れだけであれば、全く違う挙動をすることもありうるということです。


(1)放射性物質の漏出はいつから始まったのか?

東京電力のモニタリング地点の1番から4番のI-131とCs-137のデータを、いつもの東京電力のデータでは対数目盛りのグラフなので、通常のグラフにしてみました。1-4_I1314/8
1-4_Cs1374/8
みてすぐにわかるように、3番と4番のデータはほとんどグラフ上では見えません。1番や2番の地点と比べると、1/10以下です。10km以上離れているため、拡散して薄くなってしまっているのでしょう。
I-131とCs-137のグラフは、絶対値はI-131の方が5-10倍大きいですが、パターンは全く同じです。

1番(1F南放出口付近:赤)と2番(1F5-6放出口北側:青)のパターンを比較すると、あまり形は似ていないことがわかります。このことは後で考察します。

さて、いつから?という問いに対しては、すでに報道もありましたし、このグラフから一目瞭然ですが、遅くとも3月25日には漏れています。4/2に報道された、例のピットからの大量の流出よりも1週間以上前のことです。

さらに、文科省のモニタリングデータでも、【1】~【8】において、3/23-24の時点でCs-137を10-20Bq/kg検出しています。これは、法定の90Bq/L=90Bq/kg以下の数値ではありますが、過去のデータでは海水中のCs-137は2-4mBq/kg=0.002-0.004Bq/kgでしたので、明らかに今回の事故によるものでしょう。沖合30kmのデータであることを考慮すると、漏れ出したものならば、3/21か3/22にはある程度の量が漏れ出していたと考えるべきと思います。
文科省沖合グラフ

しかし、文科省の30km沖合のデータでは3月23日にはすでに高くなっていますが、東京電力のデータでは21日から23日にはほとんどピークはなく、25日以降にしかありません。福島第一原発からの距離を考慮すると、矛盾します。可能性は2つです。
・実は東京電力で測定されていない20日以前にすでに漏れ出していた。
・文科省の30km沖合のデータ(23日~25日)は、今回の漏れとは違うものを検出していた。

これに関しては21日前後に降った雨の影響という可能性があります。ただし、23日はサンプリング地点で雨は降っていなかったということなので、検証は不可能です。

(2)放射性物質の漏出は一カ所だけなのか?

(1)で判明したように、3/25には(どこからかわからないが)漏れていたということはデータとして出ています。4/2に始まった2号機近くのピットからのもれは4/6に止まりました。しかし、止まった後もまだあまり下がる傾向がないことから、他にも漏れ出している可能性は十分にあると思います。それは3/25に漏れ出していた箇所の可能性があります。3/29や3/30に基準値の3000倍から4000倍のヨウ素が検出された、という時には2号機横からのピットからの流出はなかった可能性が高いです。

さきほど、1番(1F南放出口付近:赤)と2番(1F5-6放出口北側:青)のパターンを比較すると、あまり形は似ていないということを述べました。特に4月に入ってから、4/2~4/6の大量放出分が東京電力の1番の地点ではピークとして見えていません。2番の地点では4/6にピークがありますので、ひょっとしたら4月になってからこのあたりの海流が北向きになったのでしょうか?

いずれにせよ、1カ所からの漏出ではない可能性はまだ残っているということだと思います。


(3)これまで、総量としてどれくらいの放射性物質が漏出したのか(意図的に放出した「低レベル」排水も含めて)
これに関しては、全くデータがありませんのでわかりません。

(4)放射性物質の漏出は完全に止まったのか?

今までのデータを見る限り、2カ所以上漏出がある可能性があり、従って、全てを完全に止めることができたとは考えていません。

ただし、穴をふさぐことはできなくても、タービン建屋やトレンチなどにたまっている水を早く除いてしまえば、おそらくあの辺から漏れ出しているでしょうから、結果的に漏出はほぼ止められるでしょう。


(5)海洋での広がりはどのくらいの距離まで行っているのか?

今見ていたNHKの特集番組で、海流のシミュレーションをやってくれました。
東京大学の早稲田卓爾 准教授のシミュレーションによると、福島沿岸を流れ出た後、5日後には沿岸を南下して、茨城県の南にまで来る潮流があるようです。その後、黒潮とぶつかって東に流れていきますが、一部は茨城県などの沿岸にしばらくと止まるというシミュレーションがありました。これから考えると、漏れ出した放射性物質は、もう茨城を通り越して太平洋に拡散を始めている可能性もあります。どこかでこの映像をアップしてくれるとわかりやすいのですが、言葉ではここまでしか表現できません。

海流については全く知識がありませんでしたので、タイムリーな情報でした。


(6)食物連鎖、生物濃縮を考慮すると、どれくらいの濃度だと危険なのか?

これもまたNHKの特集番組からです。
海洋生物環境研究所の御園生淳 研究参与の研究によると、1986年のチェルノブイリの時に、大型の肉食魚である、食物連鎖の上位にあるスズキの放射性セシウム(おそらくCs-137)を測定しました。すると、1986年4月の爆発の後、約半年後にスズキの体内の放射性セシウムのピーク(約0.7Bq/kg)がきたそうです。海水中の放射性セシウムのピーク(約0.007Bq/kg)が収まってから、2年間持続したそうです。このときもやはり海水の100倍の濃縮が起こっていました。

放射性セシウムの暫定基準値が500Bq/kgですから、海水の約100-200倍ということを考えて、海水中のCs-137が2.5Bq/kgを超えた状態が数日間続いている海域は危険という見方をしてみます。すると、先ほどの早稲田準教授のシミュレーションと合わせて考えると、【10】は3/30~4/3にかけて4Bq/kgを超えていて、4/7には不検出ですから、10kmほどの沖合では、放射性セシウムはもう南に流れていってしまったということでしょう。【9】でも4/1に2.0Bq/kgで、4/5には不検出ですので、【10】と時期的には符合します。

このあたり、わかりやすく図示できるといいのですが、もしできたら後で修正します。

今日のNHKの番組はタイムリーで非常にいい情報を与えてくれました。
コウナゴのように小さい魚にはすぐに影響が出たが、大きな魚には半年くらい経ってから影響が出る可能性があるというのは、非常に重要な知見です。そういう意味では、もっと広い地域でのモニタリングと、魚の放射性セシウムのチェックを継続的に行うことが必要な気がします。


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3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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