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【速報】3/26 またも汚染水循環システムから水漏れで海へ流出!

 
3/26、東京電力は「福島第一原子力発電所の淡水化装置(逆浸透膜式)濃縮水貯槽タンクエリアにおける漏水による放射性物質を含む水の海への流出について」という発表を行いました。

今日は本日のこの話について、現段階でわかる情報をお伝えします。


東京電力のHP上の発表によると、本日朝8時半頃、『淡水化装置(逆浸透膜式)の濃縮水貯槽タンクエリアにおいて、淡水化装置から濃縮水を濃縮水貯槽に送る配管(耐圧ホース)より水が漏えいしていることを、協力企業作業員が発見いたしました。』ということです。

福島原発の汚染水循環処理システムについては、このブログでは何回もご紹介してきていますが、初めての方もいるでしょうから概略をご紹介します。

現在のシステムを簡単に紹介すると、下の図のようになっています。タービン建屋の地下にたまっている放射能汚染水は、プロセス主建屋という場所にポンプで送られていて、そこでセシウム除去装置にかけられます。セシウムをほとんど除去された汚染水は、今度は海水に含まれている塩分(3月当初は炉心に海水を注水していたので)を除去するために、淡水化装置(逆浸透膜(RO膜))にかけます。そこで淡水は貯められて炉心へ注水されますが、塩分を含む処理水は、さらに濃縮して、蒸発濃縮水と、濃縮排水に分けて排水の量を減らします。今回水漏れがあった場所は、逆浸透膜という膜を用いて塩分を除去する淡水化装置から、蒸発濃縮装置へ行く間の配管なのです。

3/26汚染水1

記者会見配付資料の説明を引用します。

『・H24/3/26 8:30 頃、福島第一原子力発電所の淡水化装置(逆浸透膜式)の濃縮水貯槽タンクエリアにおいて、淡水化装置から濃縮水を濃縮水貯槽に送る配管(耐圧ホース)より水が漏えいしていることを、協力企業作業員が発見。そのため、水の漏えいを停止するため、8:50 頃、淡水化装置(逆浸透膜式)の移送ポンプを停止したことから、水の漏えいは停止し、その後、漏えいが確認された配管(耐圧ホース)前後弁の閉操作を実施。

その後、現場を詳細に確認したところ、漏れた水の一部が、付近の一般排水用の排水溝に流れ込んでいることが確認されたため、漏れた水、排水溝内の水および排水溝出口付近の海水について、サンプリングを実施。その結果、福島第一原子力発電所1~4号機側放水口から南側に約300m離れた一般排水用の排水溝出口から、放射性物質を含む水が海に流出したものと判断。

なお、現在、淡水化装置(逆浸透膜式および蒸発濃縮装置)は運転を停止しておりますが、淡水化処理した水は十分にあることから、原子炉注水への影響はありません。その後、17:00 頃、セシウム吸着装置を停止。17:29 頃、第二セシウム吸着装置(サリー)を停止。』

ここには私が赤字にしたように、ホースから漏洩した水が排水溝に流れ出し、そこからさらに海へと流出したということが書いてあります。

昨年4月の2号機、5月の3号機、12月の蒸発濃縮装置に続いて4回目の海への流出になります。

同じく記者会見配付資料の「福島第一原子力発電所の淡水化装置(逆浸透膜式)濃縮水貯槽タンクエリアにおける漏水状況について(PDF 360KB)」には写真があって、状況がよくわかりますので引用します。

現場はこのように、配管の耐圧ホースが並べられている場所です。
3/26汚染水2

この写真を見ると、どうもこの部分で配管が外れたようです。記者会見のまとめを見るとホースの継ぎ手が外れた、ということのようです。

3/26汚染水3

そして、周囲への水漏れの状況です。これを見ると、かなりの量が水漏れしたようです。朝日新聞のWebニュースによると、漏れた量は推定120トン程度ということです。同じ記事によると、海に流出した量は80L程度ということですが、現段階ではこの量については本当かどうかわかりません。

3/26汚染水4


さて、海へ流出したとなると、その水はいったいどんな水だったのか?というのが誰もが気になるところですね。先ほどの概略図よりも詳細な図が記者会見配付資料にありますので、それを確認しましょう。

3/26汚染水5

この図を見ると、淡水化装置の中でも逆浸透膜(RO)を通した後の濃縮水を、蒸発濃縮装置に送るための配管で水漏れが起こっていることがわかります。

ちょうどうまい具合に、毎月の汚染水処理の各段階における放射能濃度一覧について本日(3/26)アップデートされています。なお、この表のこれまでのデータについては、3/24にまとめた「東京電力が発表してきた福島第一原発の汚染水情報のまとめ(1)」にも載っていますので興味のある方はぜひ見てください。

3/26汚染水6
(クリックで別画面に拡大)

上の表でいうと、拡大しないとたぶん読めませんが、8番の「蒸発濃縮装置入口水」に相当する水です。この水は、3/20のデータでは、Cs-134:8200Bq/L、Cs-137:8700Bq/Lと、もともとの高濃度汚染水(Cs-134:1.2×10^8 Bq/L、Cs-137:1.6×10^8 Bq/L)からすると放射性セシウムは1億Bq/L程度だったのが8000Bq/L程度と1/10000以下にはなっています。

しかしながら、前回12月の蒸発濃縮装置からの時にも明らかになったように、この水には大量のβ核種(全β:2.4×10^8 Bq/L)、特にストロンチウムが大量に含まれているのです。

実際の漏洩水のデータも実はHP上で発表されていますので、それを確認していきましょう。プレスリリースの資料によると、漏洩水の放射性物質の濃度は、上記の「蒸発濃縮装置入口水」とほぼ同程度の濃度であることがわかります。つまり、全β核種でいうと10^8Bq/L程度含まれているということです。前回の12月の漏洩事故とほぼ同じ組成の水だと仮定すると、「1/17 12/4流出の汚染水ストロンチウム濃度やっと発表 Sr-90が1億1000万Bq/L!」でまとめたように、全β核種の約6割がストロンチウムということになります。(Sr-89は半減期が短いので、もう少し減っているかもしれません。)

3/26汚染水7

次からは採取場所と測定時間に注意が必要です。
まずは排水路の上流側です。ホースからの水漏れ→排水路→海へと流出しているので、その一番上部にあたりますが、15:30という時間を見ると、移送ポンプを止めてもう流出が完全に止まった9時頃から6時間後です。セシウムが検出限界未満ですが、これはおそらくもう止まったから新たな流出はないよ、ということを示したいのだと思います。でも、全β核種も390Bq/Lとかなり低いです。

3/26汚染水8

次の二つは、排水路の下流側と、毎日定点観測している1-4号放水路南ですが、時間は10:20と10:30です。漏洩を発見して止めてから1時間半後くらいですね。まず排水路下流側ですが、セシウムは検出限界(31Bq/L)以下です。この検出限界値はかなり高いですね。慌てて測定していたようです。

一方、全βは68000Bq/Lと、元の1.4×10^8Bq/L=140,000,000Bq/Lよりは1/2000程度に薄くなっています。これはおそらく一般排水用の排水路ですから、他の排水と混ざって希釈されたのではないでしょうか?さきほどの上流側よりも高いことから、やはり15:30には上流側では新たな漏洩がほとんどないということがわかります。

3/26汚染水9

続いて、いつもの定点観測地点である1-4号放水路南のデータです。こちらはいつも測定しているやり方で測定しているため、上のデータと比べて放射性セシウムの検出限界値が1Bq/L程度とかなり低いため、Cs-134:1.2Bq/L、Cs-137:2.5Bq/Lという濃度でも検出できています。

ただ、この放射性セシウムの数値は、これまでにも同程度の数値が観測されていますので、今回の漏洩によるものかどうかは判断できません。

全βのデータが250Bq/Lという値があるため、おそらく海に流出したのだろうという予想ができます。

3/26汚染水10


このあたりは、今回のデータだけでは判断が難しいので、ほぼ似た組成の汚染水が流出した12/4の時のデータを比較してみましょう。私が12月に「12/7 蒸発濃縮装置からの海へのSrの流出量は150Lで260億Bq!」でまとめた時のデータを確認すると、同じ1-4号放出口南のデータで、下に示したように約2倍の濃度の全βが検出されていました。放射性セシウムは元々存在する分の上乗せがあるから比較しませんが、全βの濃度がストロンチウムの濃度を反映していると考えると、今回は前回の半分程度の濃度の汚染水が海に流出した可能性があるという考察もできます。

3/26汚染水11

記者会見のまとめを読んでも、80Lが海に流れたというのは、とりあえず出してきた数字のようです。本当のところはわかりません。明日は1F(福島第一原発)と2F(福島第二原発)の沖合3kmにサンプリング地点を追加するようです。(追記:下の図とそのリンク)
3/26汚染水12

今夜の記者会見では、2号機の水位が予想以上に低かったというデータが同時に発表されたため、そちらに結構関心が行ってしまったようです。いつ発表してもいい内容の話と、今日起こった海洋汚染とではどちらを優先すべきか明らかだと思うのですが・・・

とにかく、現段階ではデータが不足しているので、想像がかなり入ってきてしまいます。明日以降もっとデータが出てくれば修正もあるかもしれませんが、速報として今夜はお伝えします。


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コメント

No title

昨日は記者会見を見ていたのですが、漏れて水たまりになっている濃縮汚染水は、
「これからバキュームカーでタンクに回収する」という説明でした。
120m3のうち、すでにかなり地面にしみこんでしまったでしょうから、
果たしてどれだけ回収できるか? というところでしょう。

ストロンチウムはセシウムのようには土壌に吸着されないので、しみこんだ水は
やがて地下水を汚染し、一部は海に出て行くでしょう。
しかし、報道記事はどれも「80Lが海に」という話ばかりで違和感を感じます。
大量の放射性物質が「環境中に」出てしまった事故なのに…。

また、海に漏れだした汚染水が「80L」というのも、特に根拠はなさそうです。
(東電は、これから屁理屈を考え出すでしょうが、状況からすると、
 ちゃんとした推定は困難な感じです。)

記者会見では、12/4に150Lが流出したとされる事故の時、翌日12/5 10:35採取の
南放水口付近の海水の全βが 780Bq/L(1/16公表)だったことを引き合いに出して、
「今回採取の海水の全βは 250Bq/Lでその 1/3程度なので、推定80Lはそんなに
おかしくないだろう」という説明をしていました。
(上のブログ記事では、12/5 6:45採取の 540Bq/L(12/6公表)を引用されていますね。)

但し、前回は翌日採取で、今回は当日採取なので、比較にはやや注意が必要かと
思います。

2号機の中の水位が60㎝しか無かったというのはどういう意味なんでしょうか?
毎時8㌧の水をつねに注入し続けていて本来は水位3㍍の予想だったのが60㎝ということは当然どこかに漏れているわけですが、地下にですか?海にですか?
そもそも決まった量の水を循環させているなら、入れた量と出てくる量は同じでなければおかしいのは誰でもわかるはずではないのですかね。
直接核燃料に触れている高濃度汚染水はどこにいったのでしょうか?
毎日計っている海水のサンプリングの数値は本当に信用できるのでしょうか??

あれだけの事故の後なのに、東電の対応は不安ですね。

もっと第三者的な機関に調べてもらいたいですね。

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TSOKDBA

Author:TSOKDBA
twitterは@tsokdbaです。
3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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