4/6 12トンのSr汚染水が海への流出のはずが実は150mlしか流出しなかった?
昨日の「4/5【速報】 3/26に続いてまたも同じ種類の配管からSr汚染水が海へ流出?」の続報です。昨日お伝えできなかった、全β核種のデータと、本日(4/6)夕方の東京電力の記者会見の内容をお伝えします。
現時点では、時事通信に最新のニュースが出ています。
本日夕方の東京電力の記者会見では、昨日の汚染水流出事故について、いくつかの話がありました。
1.排水路の全β核種のデータ
まずは全β核種のデータです。昨日の「4/5【速報】 3/26に続いてまたも同じ種類の配管からSr汚染水が海へ流出?」で私が予想した数値との違いも載せておきます。サンプリング地点の場所は昨日も書いた通りです。

昨日は流出した汚染水中の全β核種は約2×10^8Bq/L程度と予想しましたが、実際には1.3×10^8Bq/Lでした。実際よりも1.5倍高めの数値を予想したことになります。

排水路下流側は約5×10^7Bq/L程度と予想しましたが、3.3×10^7Bq/Lでした。これも同じく実際の約1.5倍です。

下流の排水路下流側堰2では全β核種は約1×10^7Bq/L程度と予想しましたが、実際には5.6×10^6Bq/Lでした。ここまでは希釈の割合は私の予想通りでした。

さらに下流の排水路下流側堰3は、全β核種も約2×10^6Bq/L程度と予想しましたが、実際には2.6×10^4Bq/Lと大きく乖離してしまいました。Cs-137の値からは5倍程度の希釈かと思ったのですが、全β核種は1/200に希釈されていました。この理由についてはわかりません。

2.沿岸の全β核種のデータ
昨日のうちから発表されていた沿岸の1-4号放水口南のデータを再掲します。4/5の朝6:15では検出限界未満でした。

以下に本日の追加データを示します。4/5の16:20では24Bq/L、4/6の8:25では検出限界未満でした。ということは、おそらくこの沿岸のポイントでは検出限界の18Bq/Lギリギリの濃度である可能性があります。


3.沖合3kmのデータ
次に、沖合3kmのデータです。沿岸でさえ検出されるかどうかギリギリなので、当然のことながらどの地点の全β核種のデータも検出限界未満でした。



4.海への流出量の推定
昨日の会見でははっきりしたことはわかっていなかったのですが、本日の会見では、汚染水が漏れて水がたまっていた場所は、下がアスファルトで、アスファルトのひび割れがあるため、下の地面に染みこんでいった可能性があるということでした。
12トンの漏えいのうち、11トンはアスファルトにたまってから地面にしみこみ、750Lが排水路に行ったという予想です。さらに排水路のデータは、これまで見てきたように下流に行くに従って濃度が薄くなっていますので、実際に海に流出したのは150ml程度ではないか(750Lの1/5000)と予想しています。この数字は、今までわかっているデータと、前回との比較から考えると、前回の数値(80L程度)が合っているとすれば、まあそれほどおかしくない数値かと思います。
今回はもう同じ場所からの3回目の流出なので特に書きませんでしたが、この工程(淡水化装置)の汚染水はSrが多く含まれているため、全β核種の濃度がわかればSrの濃度はその半分程度ということでほぼ予想できます。
なお、地面に吸い込まれたというSrを含む汚染水(11トン?)が最終的に海に流出しないかどうか?という点についてはまだわかっていません。
記者会見では、ホースに使われているカナフレックスという素材には耐久性などの点で当初から課題が指摘されていたのにその対応が後手に回った点や、今後ポリエステルに交換する予定ですがそれがいつまでかかるのか、といった点に質問が多くあったようです。
また、プレスリリースにも出ていましたが、今回の漏洩事故で、保安院から厳重注意を受けています。
来週にはまとめて発表するということなので、それを読んでさらに補足したいと思います。
1.排水路の全β核種のデータ
まずは全β核種のデータです。昨日の「4/5【速報】 3/26に続いてまたも同じ種類の配管からSr汚染水が海へ流出?」で私が予想した数値との違いも載せておきます。サンプリング地点の場所は昨日も書いた通りです。

昨日は流出した汚染水中の全β核種は約2×10^8Bq/L程度と予想しましたが、実際には1.3×10^8Bq/Lでした。実際よりも1.5倍高めの数値を予想したことになります。

排水路下流側は約5×10^7Bq/L程度と予想しましたが、3.3×10^7Bq/Lでした。これも同じく実際の約1.5倍です。

下流の排水路下流側堰2では全β核種は約1×10^7Bq/L程度と予想しましたが、実際には5.6×10^6Bq/Lでした。ここまでは希釈の割合は私の予想通りでした。

さらに下流の排水路下流側堰3は、全β核種も約2×10^6Bq/L程度と予想しましたが、実際には2.6×10^4Bq/Lと大きく乖離してしまいました。Cs-137の値からは5倍程度の希釈かと思ったのですが、全β核種は1/200に希釈されていました。この理由についてはわかりません。

2.沿岸の全β核種のデータ
昨日のうちから発表されていた沿岸の1-4号放水口南のデータを再掲します。4/5の朝6:15では検出限界未満でした。

以下に本日の追加データを示します。4/5の16:20では24Bq/L、4/6の8:25では検出限界未満でした。ということは、おそらくこの沿岸のポイントでは検出限界の18Bq/Lギリギリの濃度である可能性があります。


3.沖合3kmのデータ
次に、沖合3kmのデータです。沿岸でさえ検出されるかどうかギリギリなので、当然のことながらどの地点の全β核種のデータも検出限界未満でした。



4.海への流出量の推定
昨日の会見でははっきりしたことはわかっていなかったのですが、本日の会見では、汚染水が漏れて水がたまっていた場所は、下がアスファルトで、アスファルトのひび割れがあるため、下の地面に染みこんでいった可能性があるということでした。
12トンの漏えいのうち、11トンはアスファルトにたまってから地面にしみこみ、750Lが排水路に行ったという予想です。さらに排水路のデータは、これまで見てきたように下流に行くに従って濃度が薄くなっていますので、実際に海に流出したのは150ml程度ではないか(750Lの1/5000)と予想しています。この数字は、今までわかっているデータと、前回との比較から考えると、前回の数値(80L程度)が合っているとすれば、まあそれほどおかしくない数値かと思います。
今回はもう同じ場所からの3回目の流出なので特に書きませんでしたが、この工程(淡水化装置)の汚染水はSrが多く含まれているため、全β核種の濃度がわかればSrの濃度はその半分程度ということでほぼ予想できます。
なお、地面に吸い込まれたというSrを含む汚染水(11トン?)が最終的に海に流出しないかどうか?という点についてはまだわかっていません。
記者会見では、ホースに使われているカナフレックスという素材には耐久性などの点で当初から課題が指摘されていたのにその対応が後手に回った点や、今後ポリエステルに交換する予定ですがそれがいつまでかかるのか、といった点に質問が多くあったようです。
また、プレスリリースにも出ていましたが、今回の漏洩事故で、保安院から厳重注意を受けています。
来週にはまとめて発表するということなので、それを読んでさらに補足したいと思います。
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