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森林総研が発表した「融雪期における渓流水中の放射性物質の観測結果」

 
本日(6/12)、(独)森林総合研究所(略して森林総研)は「融雪期における渓流水中の放射性物質の観測結果」というプレスリリースを発表しました。

内容としてはまあそうだろうな、という結果でしたが、雪解けによってセシウムの動きがどうなるのか気になる人もいると思うので簡単に紹介します。詳細はこのpdfにあります。


(独)森林総合研究所は福島県林業研究センターと協力して、福島県内の6箇所(伊達市、飯舘村、二本松市、会津若松市、郡山市、広野町)で、森林から流れ出る渓流水のCs-134及びCs-137の濃度を3月1日から4月30日まで調べました。今回はその結果の発表です。

まず、福島県民でないと、上の6ヶ所の地名を読んでパッと位置が思い出せないでしょうから、地図を掲載します。このあとの図表は基本的に上記のpdfからの引用です。アメダス観測所が書いてあるのは、このあとで出てきますが、渓流水中に放射性セシウムが検出された時と、雨が降った時とが一致しているかどうかを確認するためのものです。アメダス観測地点と、実際に採水器をしかけた場所がどれくらい離れているのかを示すための地図です。

6/12-1

ちなみに、この6ヶ所の空間線量率は以下のようになっています。伊達、飯舘、二本松の3つの地点は空間線量率が高いです。

6/12-3


実際には、下の写真のような感じの渓流に自動採水装置を仕掛けておいて、毎日決まった時間に採水をしていたようです。この装置で放射性セシウムを定量できるわけではなく、これは単にサンプルを集めておくだけの装置です。毎日サンプルを回収しに行ったとも思えないので、何日分(全部で何L分)を保存できる装置なのでしょうね。ちょっと興味があります。

6/12-2

融雪期の渓流水は主に昼過ぎから夕方にかけて流量が増えることを考慮して、毎日定時に自動採水装置により採水を行ったそうです。太陽に当たって雪が融けて午後は水量が増えるのでしょうね。

今回の目的は、融雪期に森林から流出する渓流水のCs-134及びCs-137の濃度がどうなっているのかを調べるのが目的でしたから、2ヶ月間毎日サンプリングしました。ただ、自動採水のために欠測になってしまった時も何回かありました。最終的に、6箇所から合計342の試料を得ました。下の表に全てのデータが掲載されています。

6/12-4
6/12-5

パッと見てわかるように、ほとんどのデータが検出限界値の1Bq/L未満でした。時々数Bq/L(最高5.9Bq/L)のCs-134およびCs-137が検出されますが、これらが検出された時の近くにあるアメダス観測地点の雨量データと合わせてみると、下のグラフに示すように、1Bq/L以上になったのは、必ず雨が降った時でした(これは飯舘の例)。しかも、雨が降った時に必ず検出されるわけではありませんでした。また、『放射性セシウムが検出された採水地点は伊達市、飯舘村、二本松市の3採水地点(合計174試料採取)で、いずれも集水域の空間線量率の平均値が2.3 μSv/h 以上(文部科学省航空機モニタリングデータ(10月13日換算値)からの読み取り)でした。他の165試料では不検出でした。』

6/12-6

ということで、雨が降って増水した時に、空間線量率の高い地域でのみ検出されたということがわかります。周辺の空間線量率が低いところでは、検出限界値未満の放射性セシウムしかないということです。

さらに、この検出された水をろ過してから再度測定すると、全てのサンプルで検出限界値未満となり、この事から雨が降った時に放射性セシウムが検出されたのは、水そのものが汚染されたのではなく、増水した水に混ざっている懸濁物質に放射性セシウムが入っていたからだということがわかりました。

6/12-7


というような結果で、実験の結果自体は非常にきれいな結果でわかりやすいものでした。

結局何が言えるかというと、日曜日のETV特集(「「ネットワークでつくる放射能汚染地図6 川で何がおきているのか」を見て」参照)でもやっていましたが、通常は川の水には1Bq/Lの検出限界値で検出できるほどの放射性セシウムは含まれていません。しかし、雨が降って増水したり、雪解け水が増えたりすると、流量は増え、水は濁ってその中に懸濁物質が増えます。その中の、砂ではなく粘土鉱物に放射性セシウムは吸着されています。

この懸濁物に含まれている放射性セシウムの多くは、バーミキュライトなどの粘土鉱物にしっかりと吸着されているため、流されていってもまたそこから溶け出すことは少ないと思います。しかし、吸着した鉱物や有機物によっては、あまり強く吸着されていない放射性セシウムもあり、その場合は下流に流れていって、そこでまた水に溶け出す可能性はあります。

ETV特集でもやっていましたが、山に積もった放射性セシウムは雪どけ水に乗って川を通じて海へ流れ出す可能性が高いと思います。ただし、その放射性セシウムがどのような形なのか、つまり粘土鉱物に強固に吸着しているのか、あるいはまた容易に水に溶け出す形のセシウムなのか、その検証がまだなされていません。前者であれば、そのまま海底に沈降・堆積していくでしょうが、後者であれば、移動した先の川や海でまた生物への汚染を引き起こす可能性があります。

私は前者の可能性が高いと思っていますが、いずれ誰かがデータを出してくれると思います。河口の泥からセシウムを抽出してみて、何で抽出されるか、その抽出のされやすさから粘土鉱物との結合様式を調べれば簡単にわかると思います。

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 本日(6/12)、(独)森林総合研究所(略して森林総研)は「融雪期における渓流水中の放射性物質の観測結果」というプレスリリースを発表しました。内容としてはまあそう

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