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魚介類への汚染の影響 事故発生当初の見通しはどうだったのか?

 
都合により、第四章の海底土の汚染の話は後回しにして、先に第五章のイントロ的なお話を今回は紹介します。海底土の汚染の話は次回もしくはその後に書く予定です。

今回は、第五章として、福島原発事故による放射性物質の魚介類への影響についてまとめていきます。まずは具体的な話に移る前に、今回の原発事故による汚染の前にどういうことが知られていたのか、そして昨年4月頃の水産庁の説明のドタバタについて言及しておく必要があります。今回はその2点についてまとめます。

参考:「福島第一原発2号機の謎に迫る(仮題) 目次


1.福島原発事故以前に知られていた魚介類への影響について

実は私のブログでは、昨年の4/2、奇しくも2号機からの海洋漏洩事故が発覚した日から「4/2 海洋放射能汚染で魚を食べても大丈夫か?」といった感じで海洋汚染と魚介類への影響について調べ始めました。書き始めた昨年4/2は、海洋汚染についてこんなにのめり込むことになるとは夢にも思わず、また4/2の漏洩事故についてもこんな深刻な事故だとは知らずに書いていたと思います。当時書いていた事を引用すると、ほうれん草や水道水の大騒ぎを受けて『ひとたび日本近海の魚から放射線物質検出という話になると、また大騒ぎになることは見えています。大騒ぎになる前に海洋産物と放射能汚染について少し調べてみました。』ということで、いずれ魚介類の汚染が騒ぎになるから、その前に正確な情報を身につけよう、ということで調査を始めたのです。

その結果、1960-70年代の核実験の影響で、海水中には原発事故前から2-3mBq/LのCs-137があったことを知りました。これについては「福島第一原発近辺の海洋モニタリング体制はどう変わってきたか」にも書きましたが、半減期の長いCs-137やSr-90は2011年2月の段階で海水中に約1.1mBq/L=0.0011Bq/Lは存在していることを確認しました。

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(平成22年度「海洋環境放射能総合評価事業 海洋放射能調査結果」より)

そして、海洋生物環境研究所(海生研)の笠松さんの日本語論文「海産生物と放射能―特に海産魚中の137Cs濃度に影響を与える要因について―」から、放射性物質のいわゆる生物濃縮について、特にCs-137に焦点を当てると、いわゆる「濃縮係数」というものは魚によって異なるが、50-100倍であるということを理解しました。

6/16-1

当時の暫定規制値が放射性セシウムで500Bq/kgでしたから、Cs-134とCs-137の量は当時はほぼ1:1だったので、Cs-137で考えると250Bq/kgになります。濃縮係数が50-100倍とすると、単純に計算して海水中のCs-137が2.5-5Bq/Lになると、その中で過ごしていた魚は250Bq/kgのCs-137になり、放射性セシウム全体では500Bq/kgになる可能性が高いと判断しました。(水の比重は約1なので、5Bq/L=5Bq/kgです。念のため。)

そうすると、海水の放射能(Cs-137)の検出限界値は当時の約10Bq/Lでは足りず、2.5~5Bq/LのCs-137を検出できる必要があります。10Bq/Lの検出限界値でいくらNDだと言っていても、5Bq/LのCs-137が一定期間存在すれば、そこで生育していた魚は500Bq/kgの放射性セシウムになる可能性があるのです。

だから私は、500Bq/kgという暫定基準値があるならば、濃縮係数を考慮すると検出限界値は2.5Bq/L、最低でも5Bq/L以下でないと意味がないということをずっとブログで書き続けていました。従って、昨年5月に海域モニタリングの広域化が行われた際も、Cs-137が9~10Bq/Lの検出限界値でいくらたくさん測定をしても意味がない、ということをずっと主張してきました。残念ながらその基準が取り入れられたのは昨年10月の「今後の海域モニタリングの進め方」以降のことでした。

そして私は、素人考えながら続けてきた主張には大きな間違いはないと今でも思っています。もちろん、魚の生態や食べるエサによって、濃縮係数は大きく変わるということはその後のデータでも実際にわかってきましたが、海水魚では濃縮係数は10倍以下とか1000倍を超えるということもほとんどなかったということはその後の調査からも確認できたと思います(淡水魚は別)。

規制値を超えることによってマスコミが大騒ぎする事を考えるならば、規制値から逆算して測定する海水の検出限界値を設定するということも一つの手法だと思います。そういう意味では、現在は100Bq/kgの規制値ですが、海水の検出限界値はCs-137で約1Bq/Lですので、そのレベルに達しています。もっとも、すでに海水のCs-137は1Bq/Lでは検出限界値未満(ND)になっていますので、今後さらに海水から魚介類への汚染が広がることはまずないと思います。


もう一つ、当時調べた情報で有用だったのは、海生研ニュースNo.95(2007年)の御園生さんの報告です。スズキやマダラのような大きな魚では、海水の汚染のピークから半年以上遅れてピークが来るということを示したものです。

6/16-2

なお、この図は単位が入っていないので誤解する人が多いのではないかと思いますから、念のために解説しておきます。青い線の表層海水は単位は10mBq/Lです。ですからメモリ上は約0.8のところですから、海水のCs-137のピークは8mBq/L=0.008Bq/Lです。そして、スズキやマダラは単位はBq/kgです。ですからピーク時で0.3Bq/kgです。この図を単純に考えると、濃縮係数は0.3÷0.008=37.5ということになります。

ただ、この図は実測値をそのままプロットしたものではなく、チェルノブイリ原発事故における海洋汚染の影響を模式化したものですので、実際の濃縮係数になると若干ずれてくる可能性もあります。この図で読み取るべき事は、大きな魚(いわゆる食物連鎖の上位にある魚)では、海水の汚染のピークから半年程度経ってピークが来るということと、完全に影響が収束する(ゼロになる)には海水の影響が完全になくなってからさらに2年程度かかったということなのです。

今回の福島の事故では、海水の汚染のピークは昨年4月でそれから少しずつ低下していっています。チェルノブイリ原発事故の時のように数mBq/Lの僅かな汚染ではなく、その1000倍もの濃度で汚染されましたから、いつを以て完全に海水の汚染がなくなったと言えるかは難しいところです。おそらく事故前のレベル(Cs-137で1.1mBq/L)に戻るのは十年単位でかかるでしょう。

しかし、事故から1年後の現在では海水は1Bq/L未満(ほとんどの観測地点では0.1Bq/L未満)になり、海水からの魚介類の汚染はスズキのような大きな魚を含めて終息方向に向かっていると思います(淡水魚の汚染および海底土からの汚染についてはまだ終息したかどうかは結論を出すのは早いでしょう)。

2.昨年4月からの水産庁の説明の変遷

さて、昨年4月に魚介類への汚染が現実のものになりつつあったとき、水産庁のHPには(今もありますが)Q&Aのページがありました。

そこには、下記のようなQ&Aが載っていました(下の画面ショットは昨年5/20時点のもの:Web魚拓より)。

黄色く塗ったように、「たとえ放射性セシウムが魚の体内に入っても蓄積しません。」という表現があり、これが問題視されることになりました。

6/28-1
(クリックで別画面に拡大)

また、Q&Aのページには下図のような「水産生物における放射性物質について」というpdfファイルがありました(下図は5/20現在ですので、修正後の画面ショットです。)。今はもうこの昨年3/31に掲載された資料は水産庁のHPにはありません。

6/28-2

私はその当時このファイルをダウンロードしていましたので、参考までに掲載しておきます。もともとは二つの資料が一つになったpdfファイルだったのですが、私が利用しているサイトでは1MBまでしかアップロードできないので分割させてもらいました(それ以外は変更していません)。

水産生物における放射線物質について
「水産生物における放射性物質についての勉強会」平成23年3月29日(火曜日)13:30~15:00
2011年3/31にアップロードされたファイル(前半) 

魚の放射性物質を測定するための具体的な方法が写真入りで紹介されています。

水産生物における放射性物質について
森田 貴己さん 水産庁増殖推進部研究指導課
2011年3/31にアップロードされたファイル(後半)

ここで問題になったファイルは後半のファイルです。現在は、この資料は水産庁のHPに以下の形に修正されて掲載されています。

「水産物における放射性物質について」(PDF:364KB)

どこが変わったかというと、10枚のスライドのうち、3枚のスライド表現が問題になり、表現を修正せざるを得なくなったのです。

当初(昨年3月)の説明
6/16-魚1
現在の説明
6/16-魚2

「放射性元素は対外に排出されるので、蓄積していかない」が問題視され、ある程度は蓄積されるはずだ、という議論になりました。実際、魚に限らず人間でもそうですが、放射性セシウムを毎日同じ量だけ摂取し続けると、ある一定量は蓄積します。しかしある量で飽和し、それ以上は蓄積されないのです。そして摂取をやめると体内のセシウム量は減少を始めるのです。Cs-137の生物学的半減期は50日と書いてありました。

ところが、pdf資料では、先ほどのQ&Aのページに書いてあった「たとえ放射性セシウムが魚の体内に入っても蓄積しません。」と同じく、「蓄積しない」と断言してしまったのです。これは間違いであり、安全デマだ、という批判が起きました。

三重大学の勝川先生も、その当時http://togetter.com/li/135011にまとめられているようにツイートされていましたし、週刊現代の記事(昨年5/25)にも批判の記事がありました。

このような多方面からの批判を受けて、昨年5/11に水産庁はpdf資料を「蓄積していかない」→「蓄積しつづけない」に表現を変更しました。

当初(昨年3月)の説明
6/16-魚3
現在の説明
6/16-魚4

こちらも同様の修正を余儀なくされました。特にここは結論部分でしたので、pdfの細かい説明は読まずに結論だけ読む人がいたらしく、週刊誌(先ほどの週刊現代など)などがかなりしつこく「おかしい」と声を上げていました。

結果的に当初の「食物連鎖を通じて魚体内で濃縮・蓄積しない」が「食物連鎖を通じて魚体内で蓄積しつづけるわけではない」に変更されました。また、青字の「暫定基準濃度が設定されているCs-137については」も、「基準値が設定されている放射性セシウムについては」と修正されました。これはCs-137だけでなくCs-134や非放射性のセシウムであっても同じ事なので、Cs-137だけに限るのはおかしなことですし、今年の4月に暫定規制値ではなくなったので、4月以降にこの表現が変わったものと思われます。

さらに、5番目に書いてあった「海底に沈殿した放射性物質は、魚に対して大きな影響を与えない」という表現が削除されました。これは、この次の図にその説明があったので、その図も修正されることになりました。よく見ると修正された図では、描かれている魚が変わっていたり、「放射能汚染水」が追加されたり、細かな修正がいくつも入っていることがわかると思います。

当初(昨年3月)の説明
6/16-魚5
現在の説明
6/16-魚6

私は個人的にはこの最後の説明が一番問題だったと思います。現実には、汚染発生から1年が経過して、浮魚ではほぼ終息方向に向かっているもののカレイやヒラメなどの底魚には大きな影響が出ていてまだ終息するかどうかわからない状況です。それなのに、1年前には底魚には「大きな影響を与えない」と断定的に記載してしまったのです。明らかな事実誤認です。チェルノブイリ原発事故の時にもカレイのCs-137を測定していて、実際にCs-137が濃縮されていることを確認していたのですが、どうしてこのような事を書くことができたのか、不思議です。

一方で、週刊誌などが大騒ぎした「濃縮・蓄積しない」の表現ですが、このpdf資料を全て読んだ人であれば、今も変更されていない次のスライドを理解していれば本質的な問題ではないということがわかるはずです。

6/16-魚7

このスライドに書かれていることは、次のことです。私はこのスライドが一番重要なスライドだと思います。このpdf資料からは、次の事を理解できれば、はっきりいって後の細かい話は不要なのです。

・プランクトンや小さな魚では海水よりも数十倍セシウムが濃縮される。
・しかし大型魚になっても濃縮倍率がさらに上昇するわけではない。
・どの魚でも数十倍(5-100倍と記載されています)の濃縮がかかる。
・食物連鎖の上位に行くほど倍率が上がるPCBやDDTのような農薬とは生物濃縮のかかり方が違う。
・つまり、生物濃縮はあっても「食物連鎖を通じた生物濃縮」というものはあまりない。

ただ、用語の使い方として「生物濃縮」という言葉は定義が曖昧だという問題点もありました。

生態学・環境学では、「生物濃縮」という言葉は1000倍以上濃縮される場合に使うというのが慣例だそうです。ですが、放射性セシウムはせいぜい100倍程度しか濃縮されないので「ほとんど生物濃縮しない」と言ってしまうと一般人には「海水の濃度よりも濃くならない」と受け取られるため、一部の学会でしか通用しない専門用語を断りなしに使うことは混乱の元になります。

また、「食物連鎖を通じた生物濃縮」はほとんどない、というこのスライドの表現は間違っていないのですが、結論部分で書かれた「食物連鎖を通じて魚体内で濃縮・蓄積しない」と「蓄積しない」と言ってしまったことは問題でした。結論部分で余計な表現をしてしまって、それをQ&Aの本文にも抜粋してしまったので、誤解を生じたのです。

このように、問題のある表現は含まれていましたが、昨年3月末という、ほとんど誰も魚介類への影響を理解していない状況で、参考文献をつけてあの情報を出してくれていたのですから、私は非常にありがたい情報だと思って当時のブログでも引用させてもらいました。

従って、pdf資料まで丁寧に読み込む能力のある人にとっては、あまり問題ではなかったのですが、TVニュースなどではpdfファイルの細かい話は一切省略して、結論部分の文字で書かれたことだけを紹介してしまいます。実際にQ&Aの本文には「たとえ放射性セシウムが魚の体内に入っても蓄積しません。」と記載されていました。そうすると、多くの人はこのpdf資料を読まずにQ&A本文のみを読むかあるいは報道のみに接したため、この資料で伝えるべき本質が全く伝わらずに「放射性物質は魚体内で蓄積しない」ということになり、海水からも一切濃縮が起こらないかのような錯覚を与えてしまったのです。

海水からは数十倍の濃縮がかかると一言追加すればまだいいのですが、そこまでこの資料を読める能力を持った人はマスコミにはいないのでしょうね。水産庁のサイトでも、この資料を参考資料として載せてはいましたが、Q&A本文では結論部分の誤解される表現のみを書いていましたので、いわゆるリスクコミュニケーションの能力としてはマスコミと同じです。

おそらく水産庁としては、魚介類では海水よりも濃縮されることは知っていたものの、海で拡散されるから結果的には汚染の被害は少ない、ということをアピールしたかったので、こういう表現を入れたのでしょう。しかし、その思惑とは異なり、暫定規制値を超える放射性セシウムがいろんな魚から検出される事態となり、結果的に裏目に出て、批判を受けて修正を余儀なくされるという大失態を犯しました。

最後に、現在のHPに掲載されている資料で、昨年4月時点ではなかったスライドに、淡水魚と海水魚の違いを示したものがありますので、それをご紹介しておきます。

6/16-魚8

海水魚と淡水魚の一番大きな違いは、魚が暮らしている環境中の塩分濃度です。海水は塩分(NaCl)濃度が約3.5%もあります。また、カリウム(K)なども多いため、浸透圧は魚の体内より高くなります。海水魚では、体内よりも海水の方が浸透圧が高いため、放っておくと水分が外に出て塩分やミネラルが体内に入ってきてしまいます。そこで、塩分やミネラルを積極的に対外に排出するような仕組みを持っているのです。

一方、淡水魚では逆に、魚体内の浸透圧は淡水よりも高くなります。そのため、淡水魚では水分を排出して塩分やミネラルを貯めるような仕組みを持っているのです。

その結果、淡水魚では海水魚とは異なり、カリウムと一緒に体内に取り込んだセシウムも積極的に排出されずにたまりやすくなります。このスライドにあるように、海水魚では濃縮係数は5-100ですが、淡水魚では400-3000とかなり高いです。実際、昨年のデータを見ても、淡水魚は海水魚よりもかなり高く出ていました。

また、スズキやニジマスを使った実験から、体内に取り込んだセシウムが半分になる生物学的半減期は、海水の量が少ない(=塩分濃度が低い、浸透圧が低い)ほど長くなり、温度が低くなるほど長くなるという結果が示されています。温度が低くなると魚の代謝速度が遅くなるため、排出に時間がかかると考えられるのです。

おそらく川魚の汚染はまだ何年も続く可能性があります。チェルノブイリ原発事故の時でも、下の図に示すように(26ページ)キエフの貯水湖の魚のCs-137は一度上がった後に少しずつ下がっていきますが、ピーク時の1/10になるのに10年近くもかかっています。つまり、最初の年にどこまで高くなったかによって、その汚染が検出限界値未満になる年月は違ってくるように思います。

6/16-魚9

3.まとめ

福島原発事故以前から、チェルノブイリ原発事故当時の知見は海外のものがありましたし、日本でも研究がされていました。従って、海水がどれくらい汚染されるかがわかっていたら、魚介類にどれくらいの汚染が起こる可能性があるか、暫定規制値を超える魚が採れる可能性があるか?ということについては予測が十分に可能でした。

ただ、2号機からの海洋漏洩事故によって大量に流出した汚染水がどのように広がって、どれだけの範囲にどれくらいの期間にわたって5-10Bq/L以上の汚染を起こす可能性があるか、ということについては恐らく誰も正確に予想できなかったのだと思います。

そのため、楽観的に考えたい水産庁は、当初、海は広いので海流に乗って放射性物質は急速に拡散するということをアピールしたかったのか、「従って、魚への影響は小さいものと考えられます。」「たとえ放射性セシウムが魚の体内に入っても蓄積しません。」とQ&Aに記載して、報道陣に対してもそう発表してしまいました。

しかしながら、現実はそう甘くはなく、海洋での放射性物質の拡散は起こっていたもののそれなりの濃度を保っていたため、コウナゴのような小さな魚に始まり、だんだんと大きな魚へと汚染が広がっていきました。これは一つには海洋漏洩した汚染水が淡水を50-60%近く含んでいたために海水よりも密度が低くて表層にとどまったまま広がっていったこともその要因の一つと考えられます。

問題になった水産庁の資料も、昨年3月という、2号機からの大量の海洋漏洩事故が起こる前の時点での資料としては、「急速に拡散する」という一般論としては悪くはなかったと思います。しかし、2号機の海洋漏洩事故で大量の放射性物質が漏洩したことが判明した後では、すぐに修正が必要でした。あるいは昨年4/4-4/10までに意図的に海洋放出した1500億Bq(ヨウ素とセシウムの合計)だけならばその説明でも済んだかもしれませんが、2号機の4700兆Bq(ヨウ素とセシウムの合計:東京電力の説明)のように30000倍もの放射性物質が流出したら、それでは済みません。

30000倍ということは、意図的に放出した「低レベル」汚染水ならば例えば魚に対して0.01Bq/kg程度しかセシウムの蓄積がなく、検出できないレベルの汚染だったことが、その30000倍の影響を受けるので、300Bq/kgの放射性セシウムが検出されるということなのです。

海は大きいから急速に拡散されるといっても、その限度があります。今回の汚染はその限度を超えた量が放出されたということなのでしょう。おそらくその量的な計算が誰にも出来なかったということなのだと思います。ただ、海水のモニタリングデータをみていくうちに、これはまずい、と思った関係者は多かったことと思います。その修正が遅れた水産庁は、大きな非難をあびて、修正を迫られることになったのです。

なお、現在は水産庁のHPにあるQ&Aには、わかりやすく説明が記載されています。


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コメント

Re: コメント

「関係者」様

いろいろな部分にコメントをありがとうございました。レスポンスが遅くなってすいませんでした。
表に出てくることだけではわからない実態というのもいろいろとあるようですね。

でも、こういうコメントを引き出せただけでも書いた意味があると思っています。私の勘違いした部分もあったかとは思いますが、私を含めた一般の人間には、表に出てきた情報以外は何も伝わっていないということは関係者の方に理解してもらう必要があると思います。

正しく伝わっていないとすれば、情報発信の仕方に問題があるかもしれない、という視点でこれまでの情報発信の仕方を捉え直すことも必要ではないでしょうか。

コメント

茨城県沖合のグリーンピースのところで、コメントした海域モニタリングの関係者です。水産庁とも一緒に仕事してますが、私が聞いている話と違う部分が多いので、よく知っている人に修正コメントをいれるようにすすめたのですが、以下のコメントがきました。
「ちょっと前のNHKでやっていましたがこういうのは表現の自由だそうです。今私はこの件と関係ないのでとりあえず違うなと思うとこ書くので、修正いれるならどうぞよろしく」ということなので、修正入れます。一応原文。
ここから、
〇御園生さんの報告というのはどうか?水産研究所OBの人が海洋生物研究所で行った仕事を紹介しているだけで、共同研究者でもなんでもない人ですからね。まあ報告だからいいか。
〇水産庁の資料というのは勉強会での配布資料で、これだけ見れば理解できるというものではなく、口頭説明が必要な資料。勉強会等を開催すると使った資料をHPにUPする慣例でUPされたもの。それを水産庁がHP上で説明していると勘違。
〇蓄積しないという表現は、セシウムは排出されるので、正しい表現(逆にほとんど排出されない物質はどう表現する?)。養殖業者からは非常に適切な表現だと好評。重金属などと誤解されたくないよう。
〇週刊誌等に指摘されて直したとあるが、全く関係なし(批判されていたのさえ知らない)。一般の主婦等からの問い合わせに説明しづらいのでなんとかしてという内部からの意見を踏まえ議論して修正。週刊誌に水産庁が答えている部分があるらしいが、答えた者は不明。取材を受けると報告書を作成するはずですが。
〇資料が新しくなったのは、今度のはQandAを電話等で説明するときに便利なように作った資料だそうです。題名も変えて修正版ではなく別物と位置づけているそうです、似ているけど。
〇拡散希釈はもう終わったので、あえて書くことはないということで削除したそうです。海水モニタリングをみて、まずい修正しないといけないとは一度も思ったことがないそう。事実拡散希釈したし。想定している期間が年単位か日単位かの違い。
〇海底に沈殿した.....大きな影響は与えない、の結論はこれだけ読むと誤解される可能性はありますね。勉強会では、海底土を魚が食うわけではないし、海底土からの移行係数が小さいことが説明されてました。結局、今の汚染もまだ海底土にがっちりくっついてない有機物的なものが原因と考えられているようだから、勉強会での説明は間違いではなかったようですね。
〇あとは、QandAが言及している範囲をどうで見るかですね。原発の近くの話をしているのか日本全体を見て話をしているかですよね。当然、皆さんが食べている魚は安全ですよという趣旨で作りますからね。わざわざ原発近くの魚は安全ですよというなら、漁業全面自粛なんかしないです。信じられないかもしれないですけど、本当に九州や日本海の西のほうから、うちのほうの水産物は大丈夫か?という質問がありましたからね。

あとよく世間に誤解されているのは何ですかね。グリーンピースの調査妨害と海藻測定ですかね。
〇調査は妨害したんじゃなくて、調査申請書に定性定量に厳密な科学調査をするとか、と書いてあるのに、簡易測定器で測定だったので、もう少しちゃんとした測定器でお願いします、と返したら、妨害されたと騒がれました。
〇グリーンピースが海藻を測定したのであわてて水産庁も測定したといわれるけど、偶然的に発表の順番がそうなっただけ。なんでイチイチグリーンピースの行動に反応していると思われるのか不思議。
そうそう、コメントしれるなら、してほしいのが、水産庁の約1年にわたる執拗な攻撃により、ついに東電の海底土が湿から乾にかわったらしいです。cm3→L, E-2→10-2(上付き)に続く3つ目の単位変更に成功とのことです。

ここまで

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TSOKDBA

Author:TSOKDBA
twitterは@tsokdbaです。
3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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