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東京電力さん、「福島原子力事故調査報告書」添付資料のあまりにひどいミスを早急に直しませんか?

 
昨日(6/20)、東京電力は「福島原子力事故調査報告書」を発表し、記者会見を行いました。

私は、当然のことながら自分が興味を持って追いかけてきた海洋漏洩事故と海洋汚染についてどう記載してあるのかを確認しました。しかし、「福島原子力事故調査報告書 添付資料(PDF 32.4MB)」の該当部分でみつけたあまりにひどいミス(しかもそれが1ヶ所だけではなく何ページに及ぶ)は、公表前に社内でろくなチェックをしていないことをうかがわせるものでした。

東京電力の関係者の方が見ていたら、すぐに広報部あるいは関係部署に連絡して修正してほしいものです。

6/26追記:修正版と正誤表が公表されました。「東京電力は事故調査報告書のミスを修正してくれました!」を参照してください。

東京電力は、昨年12/2にも中間報告書をまとめています。

その時は、基本的には3/15頃の4号機の爆発のあたりまでを詳細に解析した話が中心で、海洋汚染に関する話はほとんどありませんでした。

今回は、東京電力の最終的な事故調査報告書という位置づけですから、その後半年間で取ってきた施策や、まとめ上げてきた調査について追加されています。

さて、海洋漏洩事故と海洋汚染についてはどこでふれられているのでしょうか?

福島原子力事故調査報告書 本編(概要版)(PDF 975KB)

28-30ページに概略が記載されています。

福島原子力事故調査報告書 本編(PDF 4.94MB)

12.2 放射性物質の海洋への放出 ・・・・・・・・・・・・・・・・ 279
(1)タービン建屋への汚染水流入
(2)高濃度汚染水流出の危険と保管場所確保の緊急性
(3)特別プロジェクト全体会議での対応検討
(4)2号機取水口スクリーン(除塵装置)付近からの高濃度汚染水の流出
(5)6号機建屋内への地下水流入による電源喪失の危険性
(6)低濃度汚染水の海洋放出による高濃度汚染水の保管場所確保等
(7)2号機取水口スクリーン付近からの放出量
(8)3号機取水口スクリーン付近からの放出量
(9)海洋への影響
(10)汚染水の流出防止・拡散抑制強化対策
12.3 放出量評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 292
(1)大気への放射性物質の放出量評価
(2)海洋(港湾付近)への放射性物質の放出量評価

ここには、今年の5/24に発表した「東北地方太平洋沖地震の影響による福島第一原子力発電所の事故に伴う大気および海洋への放射性物質の放出量の推定について」の情報も加えて、放出した放射性物質の総量についても記載しています。

福島原子力事故調査報告書 添付資料(PDF 32.4MB)

そして問題の添付資料です。この添付資料の添付12-13から添付12-17(469ページ目から504ページ目)の36ページにわたって記載があります。この中の多くは、すでに何らかの形で発表されたものも多いのですが、初めてみる記載もあります。

しかし、添付資料は主に図表を載せるところです。その図が、プレゼンテーション系のソフトからWord?に貼り付けた際に起こったと思われるミスによってメチャクチャになっているのです。論より証拠、見てもらいましょう。

先ほど述べたように、多くの図はすでに何らかの報告書などで公表済みですので、本来はどうなっているのかはわかってしまいます。今回の報告書に載せるにあたり、少し描き直している図もあるようですが、それがどうもおかしな事になっているようです。

比較のために、政府事故調の中間報告書第V章資料の該当する部分と比較して並べてみました。


添付資料の添付12-13(1/7)

昨年4/2に発覚した、2号機スクリーンからの海洋漏洩事故の説明の図です。漏洩の発見時の説明です。緑色が「海水配管トレンチ」、黄色が「電源配管トレンチ」で、本来ならば右側の政府事故調の報告書のように細長い棒状の図があるはずなのです。しかし、左側の今回の報告書では、「海水配管トレンチ」は正方形、「電源ケーブルトレンチ」も形がおかしくなっていますね。その下のA-A'断面図は、わざと水が入っていることを示すために水色の長方形を書いた可能性もありますが、おそらくこれも背面に持ってくるべき図が前面に出てしまったのでしょう。

6/21-1


4/2にコンクリートを注入した後の図です。上の図と同じで、トレンチの図がメチャクチャになっています。これでは、せっかく書いた図を隠そうとしているようにさえ見えます。

6/21-2


添付12-13(7/7)です。断面図です。最初に報告された昨年6/1の報告書(別紙8)と比較してみました。黄色い「電源ケーブルトレンチ」が、本来は斜めになるはずなのに、四角くべったりとしたものになっています。こんなに分厚いトレンチだったら大変ですね。

6/21-5


最後は別の場面で、添付12/15(1/5)です。昨年5月の3号機からの漏洩事故ですが、緑色の「海水配管トレンチ」と黄色の「電源配管トレンチ」が完全に隠されてしまっています。

6/21-4

ここには分かり易い例としていくつかを挙げました。おそらく他にもたくさんあると思います。同じような図を作図したことがあるのでわかるのですが、おそらくはパワーポイントのようなソフトでこの図を描いているのだと思います。いろんなパーツを組み合わせて図を描いていく際、背面に持ってくるか前面に持ってくるかで図形が全く違ってしまいます。できあがった図を別のソフトに移行させた時にその設定がうまくいかなくなってしまったのだと思います。

このような貼り付けミスは作成段階ではあってもおかしくないのですが、社会的にも注目されている報告書ですから、当然のことながら、公表する前に多くの人間の目でチェックをして修正されているはずです。こんなメチャクチャな図を載せても社内の誰も気がつかないとしたら、東京電力という会社のチェックシステムはどうなっているのでしょうか?一ヶ所だけならば仕方ないと思いますが、これだけ目立つミスがたくさんあって、誰も何も思わないというのは理解できません。普通ならば、少なくとも「この図、間違っていない?」と確認する人が一人くらいはいるものです。

はっきり言ってこのようなミスは些細なものですが、会社全体としてのチェックシステムがいい加減だとすると、このような会社に原子力発電所の運営をさせるのは恐いです。


東京電力にお願いしたいことです。

1.社会の関心も高いせっかくの報告書なのですから、このようなミスは早急に修正してください。

2.ミスを修正する際、こっそりと直すのではなく、修正履歴をつけて修正し、修正版を出したということをHPでわかるようにアナウンスしてください。

以上、よろしくお願いします。(6/21 21:00)

さあ、このミスがいつ修正されるでしょうか?あるいは無視されるでしょうか?
修正されるとしても、修正したことをどのようにアナウンスしてくれるでしょうか?

今回の反応を通して、事故後一年経った現在の東京電力という会社がどういう会社なのか、社会に対して丁寧に説明しようとする意志がある会社なのかどうか、私なりにチェックしてみたいと思います。


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 昨日(6/20)、東京電力は「福島原子力事故調査報告書」を発表し、記者会見を行いました。私は、当然のことながら自分が興味を持って追いかけてきた海洋漏洩事故と海洋汚

コメント

Re: 第15条報告の宛先敬称の件

前々から気になっていた件 さん

>  昨年3月11日に福一からFAXで発信された「「第15条1項の基準に達したときの報告様式」の宛名が、「経済産業大臣、福島県知事、大熊町長、双葉町長 殿骨折」と何故か「骨折」が入っていて、しかもこれが保安院のHPに、東電からの報告資料として掲載されています。(昨年の6月24日から)
>  http://www.nisa.meti.go.jp/earthquake/plant/1/230617-1-1.pdf
> このPDFの、2と4ページ目です。

確かに「骨折」と入っていますね。

同じpdfの5ページ目は、「骨折」を消してあります。また、新潟県の以下のpdfの様式9-1には「骨折」は入っていません。
http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/3syou2.pdf

この事から判断して、福島県が東京電力に渡したフォーマット、あるいは東京電力で使用しているフォーマットに「骨折」の文字が入ってしまったのでしょう。

事故当時の報告書は記録ですから、このpdfの内容を改変することは許されませんし、今後のフォーマットを修正してもらうしかないでしょう。でも、今後も15条通報をすることはあってはならないので、フォーマットを直してもらったとしてもそれが使われるのを見たくないですね。

第15条報告の宛先敬称の件

 昨年3月11日に福一からFAXで発信された「「第15条1項の基準に達したときの報告様式」の宛名が、「経済産業大臣、福島県知事、大熊町長、双葉町長 殿骨折」と何故か「骨折」が入っていて、しかもこれが保安院のHPに、東電からの報告資料として掲載されています。(昨年の6月24日から)
 http://www.nisa.meti.go.jp/earthquake/plant/1/230617-1-1.pdf
このPDFの、2と4ページ目です。
 半年前、保安院に電話で注意喚起したのですが、未だにそのままです。
 東電も保安院も、そして事故調査委員会(政府、国会、民間、東電、その他)のお歴々の方々も、勿論マスコミも、この箇所は素通りです。
 この箇所を見る度に、日本の技術力と国語力の程度に愕然とし、事故が起こるのも無理がないなと、思わされています。
 このFAXを受け取った担当者は、何故、声をあげないのでしょうか?
 

No title

そうですね 誠実な報告書を上げる時間も人もいるのにこの程度の会社なのかということがよくわかる報告書です 学生の論文でももう少し上手に図を使うのにと思うのですがね 大人なら流すというのは子供すぎますよ

アラ探しではない

まず、いつも膨大なデータや資料を読み解いて中立な視点で解説して下さるブログ主さんの、情報収集力と優れた読解力には敬意を表します。
上の方のコメントには非常に違和感だ。アラ探し??サラリーマンなら、このような重要な公表文書について誤りがたくさんあれば、一体この組織は決裁ルートの人間がどれだけちゃんと書類を見てるのか、ずさんさは他の部分にも出ているのではと、不信を感じて当たり前だ。取引先がミスだらけの報告書をあげてきたら、次回の契約を不安に思うものだ。

東電は何を隠そうとしてたの?

こういう描写によってどういう隠蔽の意図があるのか示さないとただのアラ探し。
東電には本質的なところに注力して欲しいし、アラ探ししてブログで鬼の首を取ったように指摘するクレーマーみたいな人間の指摘に対応する時間を、もっと大事なところに使ってもらわないと、みんなが困るんだよ。
優越感に浸って自己満足するのではなく、東電が隠そうとしてるものを暴こう。とりあえず、指摘された内容はマスコミを含めて大人なら流す内容だね。

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twitterは@tsokdbaです。
3.11では、停電・断水のため、一晩避難所で過ごし、震災後の情報収集をきっかけにブログを始めました。
これまで約4年間、原発事故関係のニュースを中心に独自の視点で発信してきました。その中でわかったことは情報の受け手も出し手も意識改革が必要だということです。従って、このブログの大きなテーマは情報の扱い方です。原発事故は一つのツールに過ぎません。

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