東京電力の5月の海底土データ、乾土に直しての発表(7/13)
今回は、7/13に東京電力が発表した、5月分の海底土データを乾土での測定に換算したデータについてです。
海底土の測定の話は興味を持って読んでくれる人があまり多くないのですが、発表がある限りできるだけ続けていきたいと思います。
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海底土の測定の話は興味を持って読んでくれる人があまり多くないのですが、発表がある限りできるだけ続けていきたいと思います。
海底土の測定は、乾土で行うのが一般的ですが、東京電力は湿土で行っていたことをこれまでにも紹介してきました。前回の「東京電力は初めて海底土のデータを乾土に換算した測定結果を発表!」でも書きましたが、東京電力では、設備上の問題もあり、湿土での測定をずっと行ってきました。
しかしながら、海底土のセシウムのデータは東京電力が湿土で測定し、Srのデータは外部に委託するために乾土で測定していました。昨年はこの二つのデータを断りなく並べて記載していて誤解しやすいという問題があった上、東京電力だけ湿土での測定では文科省の測定データなどと比較できないので乾土に揃えて欲しいという要望をあげてもらったところ、半年ほどかかりましたが、やっと対応してくれました。
東京電力は、発表自体はこれまでと同様に湿土でまずは行い、その後に乾土率を測定して、一月分をまとめて発表するというスタイルにしたようです。
6/22には4月のデータをまとめてくれましたが、今回は5月分の測定結果をまとめてくれました。
注意するべき点は、前回の4月分のデータは27地点のデータですが、今回発表した5月分のデータは30km圏外も含めて42地点のデータです。5月分は、4月とは異なり、2ヶ月に1回しか測定されない9地点のデータ(●)も含まれているため、本来測定すべき42地点のデータが全て出そろっています。42地点は5/8に東京電力が発表した採取地点情報を示す下記の図の中で、(◆)の地点を除いた全てです。

この42地点のデータを、これまで私が用いている3次元の棒グラフを用いて示します。

今年度の体制になり、昨年度から微妙に観測地点が変わっています。いずれはこの新しい地点でのデータの移り変わりも示してみたいと思います。また、文科省のデータとも並べて示してみたいと思います。
今回気になったのは、4月のデータとしては発表されなかった、T-22(相馬沖合3km)が、放射性セシウム合計で1740Bq/kgと高めだったことです。この地点のデータについては、「海底土のモニタリング体制のまとめと海底土汚染の現状」でもご紹介していますが、昨年の10月、12月と高めの数値が出ています。1月2月は100Bq/kg以下だったのですが、3月にまた少し高くなっています。5月のデータ(乾土換算)は1740Bq/kgでした。
ただ、この時のデータ(5/21測定)は乾土率が42.1%と他のデータと比べてかなり低く、昨年度の測定データと比較するために湿土でのデータを確認すると、放射性セシウム合計で750Bq/kgしかありません。
これまでと同様にT-22地点の海底土の放射性セシウム合計値(湿土)と、近くの亘理の旬毎の降水量をプロットしてみると下のグラフのようになります。

これまでは毎月データがあったので実線で結んでいましたが、今後は2ヶ月に一度の測定しかないため、かなり間隔が開き、点線で結ぶことにしました。
T-22地点のデータは、阿武隈川からの流入を反映している可能性が高く、亘理での降水量が多かった時に阿武隈川から土砂と一緒にセシウムが運ばれてきている可能性が高いということを昨年の12月までのデータで推論しました。今年に入っての測定で、1月、2月が低く、3月に830Bq/kgと高くなったのも、また4月のデータはありませんが、5月が750Bq/kg湿土だったのも、サンプリング日以前の降水量が増えていることを考えれば充分にうなづけます。
亘理地区の降水量から考えると、昨年12月のセシウム濃度は高めでしたが、それ以外はT-22地点の海底土のセシウムは阿武隈川流域の降水量でかなり説明できるような気がします。
次回は今月中旬から下旬でもうすぐだと思いますが、亘理地区の7月上旬の雨量を考えるとまた1000Bq/kg近い数値になる事が予想できます。さて、結果はどうなりますでしょうか。
しかしながら、海底土のセシウムのデータは東京電力が湿土で測定し、Srのデータは外部に委託するために乾土で測定していました。昨年はこの二つのデータを断りなく並べて記載していて誤解しやすいという問題があった上、東京電力だけ湿土での測定では文科省の測定データなどと比較できないので乾土に揃えて欲しいという要望をあげてもらったところ、半年ほどかかりましたが、やっと対応してくれました。
東京電力は、発表自体はこれまでと同様に湿土でまずは行い、その後に乾土率を測定して、一月分をまとめて発表するというスタイルにしたようです。
6/22には4月のデータをまとめてくれましたが、今回は5月分の測定結果をまとめてくれました。
注意するべき点は、前回の4月分のデータは27地点のデータですが、今回発表した5月分のデータは30km圏外も含めて42地点のデータです。5月分は、4月とは異なり、2ヶ月に1回しか測定されない9地点のデータ(●)も含まれているため、本来測定すべき42地点のデータが全て出そろっています。42地点は5/8に東京電力が発表した採取地点情報を示す下記の図の中で、(◆)の地点を除いた全てです。

この42地点のデータを、これまで私が用いている3次元の棒グラフを用いて示します。

今年度の体制になり、昨年度から微妙に観測地点が変わっています。いずれはこの新しい地点でのデータの移り変わりも示してみたいと思います。また、文科省のデータとも並べて示してみたいと思います。
今回気になったのは、4月のデータとしては発表されなかった、T-22(相馬沖合3km)が、放射性セシウム合計で1740Bq/kgと高めだったことです。この地点のデータについては、「海底土のモニタリング体制のまとめと海底土汚染の現状」でもご紹介していますが、昨年の10月、12月と高めの数値が出ています。1月2月は100Bq/kg以下だったのですが、3月にまた少し高くなっています。5月のデータ(乾土換算)は1740Bq/kgでした。
ただ、この時のデータ(5/21測定)は乾土率が42.1%と他のデータと比べてかなり低く、昨年度の測定データと比較するために湿土でのデータを確認すると、放射性セシウム合計で750Bq/kgしかありません。
これまでと同様にT-22地点の海底土の放射性セシウム合計値(湿土)と、近くの亘理の旬毎の降水量をプロットしてみると下のグラフのようになります。

これまでは毎月データがあったので実線で結んでいましたが、今後は2ヶ月に一度の測定しかないため、かなり間隔が開き、点線で結ぶことにしました。
T-22地点のデータは、阿武隈川からの流入を反映している可能性が高く、亘理での降水量が多かった時に阿武隈川から土砂と一緒にセシウムが運ばれてきている可能性が高いということを昨年の12月までのデータで推論しました。今年に入っての測定で、1月、2月が低く、3月に830Bq/kgと高くなったのも、また4月のデータはありませんが、5月が750Bq/kg湿土だったのも、サンプリング日以前の降水量が増えていることを考えれば充分にうなづけます。
亘理地区の降水量から考えると、昨年12月のセシウム濃度は高めでしたが、それ以外はT-22地点の海底土のセシウムは阿武隈川流域の降水量でかなり説明できるような気がします。
次回は今月中旬から下旬でもうすぐだと思いますが、亘理地区の7月上旬の雨量を考えるとまた1000Bq/kg近い数値になる事が予想できます。さて、結果はどうなりますでしょうか。
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