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サブドレン浄化試験の現況解説

 
久し振りに福島第一原発の放射能汚染水についてです。今回は特に地下水の汚染を示すと考えられるサブドレン水の浄化試験の現況について簡単に解説します。


経産省のHPに、「政府・東京電力中長期対策会議運営会議」というページがあります。東京電力のHPにも同じ内容のものがあるのですが、資料の掲載の仕方が経産省のHPの方が分かり易いので、こちらのリンクを主に利用します。

サブドレンがどういうものかについては、「福島原発の汚染水をよく知るため、O.P.とサブドレンを理解しましょう」に詳しくご紹介しました。わからないという方はぜひ読んでください。

東日本大震災以後、サブドレンは運用していません。津波によってフタが外れてしまったサブドレンもあり、そこには雨水や汚染水が流れ込んで、そのままでは使えないような状態になっていました。

サブドレンは、1-6号機のまわりに下の図のようにこんなにたくさんあるのです。

7/31-2
政府・東京電力中長期対策会議運営会議(第7回会合)資料より引用)

この中で、黄色く塗った部分のサブドレンについて、東京電力は今年の2月頃から浄化する試験を行っています。なぜ浄化試験を行うかというと、下の図のようにサブドレン水を汲み上げて、地下水の水位を下げたいという目論見があるからです。

現状では、タービン建屋地下の水位よりも地下水の水位が高いため、建屋の中に毎日200-500トンもの地下水が浸入している可能性があるのです(詳細は「放射能汚染水循環処理システムの現状はどうなっているのか?」参照)が、地下水の水位を下げることが出来れば、地下水の流入を減らすことが出来、またそれに合わせてタービン建屋地下の放射能汚染水の水位を下げることが出来ます。

そのためには、まずサブドレンを浄化して、サブドレンを動かさないといけません。

7/31-1
政府・東京電力中長期対策会議運営会議(第3回会合)資料」より引用

サブドレンを動かすためには、サブドレンの中にたまってしまった放射能汚染水を浄化し(浄化試験)、サブドレンの中にわき出してきた地下水の水質を確認してOKであることを確認する(汲み上げ試験)必要があります。

7/31-3
政府・東京電力中長期対策会議運営会議(第3回会合)資料」より引用

具体的には、サブドレンというのは実は地下で横のサブドレンとつながっているので、活性炭や樹脂の入った浄化装置を通しながら放射性物質の濃度を測定し、どこまで濃度が下がったかを確認するということを行っているのです。

7/31-4
政府・東京電力中長期対策会議運営会議(第3回会合)資料」より引用

2月の政府・東京電力中長期対策会議運営会議(第3回会合)においてこの考え方が示された後、4月(第5回会合)に5、6号機を中心に浄化試験の結果が示されました。

その後、1、2、4号機の浄化試験の結果が5月(第6回会合)6月(第7回会合)7月(第8回会合)と徐々に出そろってきました。

その結果、4号機については、5、6号機とほぼ同様に浄化できることがわかってきましたが、1、2号機は汲み上げ試験において濃度が上昇し、この方法では浄化できないと判断されました(6月の第7回会合)。

今回発表された7月の第8回会合においては、1、2号機のサブドレンの浄化試験における放射性核種の測定結果がやっと揃いました。

7/31-5
政府・東京電力中長期対策会議運営会議(第8回会合)より

この上の表と、一番上のサブドレンの図を見比べていただきたいのですが、気になるのがCs-137のデータで、No.25の試験前(1/17)の384Bq/Lよりも試験後(6/17)の990Bq/Lの方が高くなっていることです。他のサブドレンではみんな下がっているのにここだけ上がっているというのは、何か特別なことが起こっていない限り、6月の方がCs-137の値が高くなっていることを示しています。

いろいろな解釈があると思いますが、一番簡単な解釈は、サブドレンは地下水が入りやすい構造になっているので、No.25のまわりの地下水が990Bq/L以上に汚染されていたということでしょう。Cs-137と全βの比を見てもNo.25だけがCs-137が異常に高いというわけではありませんので、これは意味のある上昇だと思います。

もう一つ気になるのが、1号機No.1のトリチウムのデータが異常に高い(112,800Bq/L)ことです。1号機のサブドレンが一つしか試験していないので比較が出来ないのが残念ですが、他の2号機のトリチウムのデータと比べても異常です。タービン建屋地下にある放射能汚染水のトリチウムは、大ざっぱに1,000,000Bq/Lのオーダーです(6月(第7回会合)資料より)。ここで検出されているのはその数10分の1の濃度ですから、1号機のタービン建屋から漏れ出した可能性はないのかどうか、本当はチェックして欲しいところです。

これらの数値の結果の解釈について、東京電力から説明があったかどうかわかりませんが、今後もこの試験は続いてこの運営会議で発表されるでしょうから、1号機、2号機のデータは今後も要注目です。

サブドレンの水位については、昨年はこのように毎月1回発表されていて、非常に重要な情報であるにもかかわらず、今年になってからなぜか発表されなくなってしまいました。非常に残念です。東京電力には再度公表を再開してもらうように求めたいと思います。

今回は、毎月発表されているサブドレンの浄化試験の現況について簡単にまとめました。

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