文科省が発表した、東京湾の海水と海底土の汚染状況(8/3)
8/3、文科省は東京湾の海水及び海底土の放射能汚染状況を発表しました。今日はそれについての解説です。
すでに4/8に「文科省が発表した本年度の海域モニタリングの考え方」でご紹介しましたが、今年度の海域モニタリングにおいては、文科省は東京湾の海水及び海底土をモニタリングとして新たに加えています。
その結果が、5月に一度海水のデータとして発表されていましたが、昨日はもう少し地点数を増やした海水のデータと、海底土のデータが発表されました。
5月に発表された時は、わずか1地点だけのデータでした。

今回は、文科省が測定した2地点の他に、千葉県が測定した18地点、環境省が測定した7地点のデータも合わせて発表してくれています。

結果を見ると、海水はすでに福島県沖でもCs-137で1Bq/L未満になっているところがほとんどですが、東京湾でも同じであり、文科省の測定では高感度の測定を行っていますので数値が出ていますが、環境省や千葉県の測定では、検出限界値が1Bq/Lしかないため、数値が出せない状況になっています。
しかし、海水に関しては、0.1Bq/Lであろうと、0.01Bq/Lであろうともはやそれほど大きな問題ではなく、何地点かで精密な測定がされていればだいたいどれくらいの値なのかは判断できるので、今回の測定でも充分だと思います。
今回の測定結果の発表においては、注意書きがいろいろと書いてあるのでそれを読んでいただくとわかるのですが、原発事故前にも海上保安庁は毎年東京湾の放射能を調査していました。平成22年、つまり2010年の東京湾のK-T1地点の海水中のCs-137濃度は0.0016Bq/L=1.6mBq/Lです。
『海上保安庁が公表した「放射能調査報告書」 - 平成21年及び 22年調査結果 -によると、東京湾内の地点K-T1において平成21年、平成22年に採取した海水中のCs-137濃度は、いづれも0.0016Bq/L。』
今回のK-T1地点のCs-137濃度は0.015Bq/L=15mBq/Lですから、まだそこまでは戻っていないことがわかります。おそらく完全に事故前の数値に戻るにはかなりの年月がかかるのだと思います。
なお、千葉県のHPにおいても千葉県分は同じデータが発表されているので、そちらもご参照ください。
一方、海底土に関しての発表も行われました。こちらは今回が初めての発表になります。

結果は海水と同じく文科省測定分の12地点以外に、環境省分の7地点と千葉県分の8地点の結果が掲載されています。環境省が測定したE-T2地点(荒川河口沖)だけがCs-137で100Bq/kgを超えていましたが、それ以外はCs-134とCs-137合計で100Bqkgを超える地点が何点かあるものの、総じてあまり高いデータになっていませんでした。
この程度の汚染ならば、定期的にチェックしておけば大したことはない可能性が高いと思いますが、以前NHK特集や新聞などで報道された、1000Bq/kgを超えるような汚染がなぜ今回観測されなかったのかは気になるところです。時期的な問題(今回は今年6月中旬)なのか、地点の問題(もっと河口付近だと高い?)なのか、あるいは採取方法に違いがあるのか、そのあたりはこの発表だけではわかりません。
今回の海底土は、文科省測定分はほとんどがシルトで、砂よりは粒径が小さいですが、セシウムが吸着しやすい粘土よりは粒径が大きいものです。それが数値に関係するかどうか?あまり関係しないような気もします。
今回は6月の測定結果でしたが、今年度中に同じ地点で何回かは測定されると思いますので、それをチェックしていけばどう変動するかはわかると思います。
その結果が、5月に一度海水のデータとして発表されていましたが、昨日はもう少し地点数を増やした海水のデータと、海底土のデータが発表されました。
5月に発表された時は、わずか1地点だけのデータでした。

今回は、文科省が測定した2地点の他に、千葉県が測定した18地点、環境省が測定した7地点のデータも合わせて発表してくれています。

結果を見ると、海水はすでに福島県沖でもCs-137で1Bq/L未満になっているところがほとんどですが、東京湾でも同じであり、文科省の測定では高感度の測定を行っていますので数値が出ていますが、環境省や千葉県の測定では、検出限界値が1Bq/Lしかないため、数値が出せない状況になっています。
しかし、海水に関しては、0.1Bq/Lであろうと、0.01Bq/Lであろうともはやそれほど大きな問題ではなく、何地点かで精密な測定がされていればだいたいどれくらいの値なのかは判断できるので、今回の測定でも充分だと思います。
今回の測定結果の発表においては、注意書きがいろいろと書いてあるのでそれを読んでいただくとわかるのですが、原発事故前にも海上保安庁は毎年東京湾の放射能を調査していました。平成22年、つまり2010年の東京湾のK-T1地点の海水中のCs-137濃度は0.0016Bq/L=1.6mBq/Lです。
『海上保安庁が公表した「放射能調査報告書」 - 平成21年及び 22年調査結果 -によると、東京湾内の地点K-T1において平成21年、平成22年に採取した海水中のCs-137濃度は、いづれも0.0016Bq/L。』
今回のK-T1地点のCs-137濃度は0.015Bq/L=15mBq/Lですから、まだそこまでは戻っていないことがわかります。おそらく完全に事故前の数値に戻るにはかなりの年月がかかるのだと思います。
なお、千葉県のHPにおいても千葉県分は同じデータが発表されているので、そちらもご参照ください。
一方、海底土に関しての発表も行われました。こちらは今回が初めての発表になります。

結果は海水と同じく文科省測定分の12地点以外に、環境省分の7地点と千葉県分の8地点の結果が掲載されています。環境省が測定したE-T2地点(荒川河口沖)だけがCs-137で100Bq/kgを超えていましたが、それ以外はCs-134とCs-137合計で100Bqkgを超える地点が何点かあるものの、総じてあまり高いデータになっていませんでした。
この程度の汚染ならば、定期的にチェックしておけば大したことはない可能性が高いと思いますが、以前NHK特集や新聞などで報道された、1000Bq/kgを超えるような汚染がなぜ今回観測されなかったのかは気になるところです。時期的な問題(今回は今年6月中旬)なのか、地点の問題(もっと河口付近だと高い?)なのか、あるいは採取方法に違いがあるのか、そのあたりはこの発表だけではわかりません。
今回の海底土は、文科省測定分はほとんどがシルトで、砂よりは粒径が小さいですが、セシウムが吸着しやすい粘土よりは粒径が大きいものです。それが数値に関係するかどうか?あまり関係しないような気もします。
今回は6月の測定結果でしたが、今年度中に同じ地点で何回かは測定されると思いますので、それをチェックしていけばどう変動するかはわかると思います。
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